Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

次のアンプに向けた準備、支度中

2021-08-29 20:53:02 | 自作真空管アンプ

今日は忙しく、あまり時間が取れなかったことから、次の球比べ用に特性曲線の測定のみ行いました。

次の球とは、これ。

307Aです。この球の用途は、RF・AF用のパワー管で、TDSLで確認してみるとWEの規格表しか出てこない。WEの開発によるものなのだろうか。特性のよく似た球で306Aもあるらしい。

フィラメントは、Vf=5.5V、If=1Aと実験ステーション向けには、6.3Vの巻線から抵抗でドロップさせてブリッジで整流し、フィルタに10,000μFの電コンをかませてやれば良さそうです。ドロップさせる抵抗は、1Ωぐらいか?その辺はカットアンドトライでうまく調整しながら。

測定には、下記のように今回は500Vまでの電源系を用意。右手側から順に、A電源(フィラメント)、デジタル表示の2台が250V+250V(0~500V可変)のB電源用、0~350VのC電源用です。手持ちの高圧用は計4台でMAX950Vまでのプレート電圧の測定が可能なので、211ぐらいの送信管でも測定可能です。

一方、特性曲線の測定は、横河のDL708Eというちょっと古めのデジタルオシロ。掃引時間が10秒とかゆっくりした計測ができて、なおかつ入力側でアースが絶縁されているものが必要。掃引時間が短いと、測定したそばから消えてしまうので、手早く電源の可変は必要ですが、すぐに消えないように測定時間をゆっくりな設定にします。

また、入力側は普通のオシロでは、GND側が各CH間で共通ですが、測定時は共通に出来ないこともしばしばで、今回の3極管特性は、プレート~カソード間、カソードにつないだ電流計測用の抵抗を介した電源間で、電源のマイナス端子を共通のGNDとすれば測定可能ですが、これにスクリーン電流も測定するとなると、スクリーンと電源間に接続した抵抗間の電圧を測定することになるので、もはやGND端子はプラス電位となり、普通のオシロではショートしてこわれてしまいます。

しかしこのDL708Eは各端子間でGNDは共通ではなく絶縁されているので、どこか1CHがプラス電位となっても平気。また高電圧にも対応しているので、こういう測定の時は大変便利です。

ただ、測定データの取り出しは、いまだにフロッピーなのでPC側にもフロッピーを用意しないといけない。データ数は少ないのでフロッピーで十分ですが、できればUSBメモリがつなげられるとか、LANで接続できるとかしたいところ。でもそういうことが可能な新しい機種は価格も相当なのでとても素人には手が出ません。

そんなこんなで、下記のような特性曲線が得られました。測定範囲はDL708Eのレンジの都合上、Vp=400Vまでになります。

あれ、807とあまり変わらなような・・・

ということで、次回は試聴できるように準備を進めます。

 

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次のアンプに向けた準備、球くらべ807編

2021-08-28 22:02:48 | 自作真空管アンプ

この球、オーディオ界ではどんな評価なのだろう。安物買いの銭失いなのか、まさか、触らぬ神に祟りなし、なんてことはないだろう。オークションを見てもこの球の価格は大変安い。需要よりも供給が十分ということだろうが、それほどアンプに使う人が少ないのだろうか。あるいは、各社大量に作っていたからまだ市場在庫は十分ということだろうか。

今日は、”UY-807”で音質比較をしてみました。

左手側から807W/5933(Sylvania)、UY-807(RCA、東芝)、CV124(Valve Electric)です。

807は、その形から私が好きな球の一つで、10代の頃、日本橋のスーパービデオでRSD(東欧製)の球が安く売られていたのを購入したのが最初です。当時は東欧製だとか、ロシア製だとかそんなことは全く知識がなく、ちょうど袴が茶色で単にきれい、かっこいい、といったことからの購入でした。しかし、その数年後アンプにしましたが、左右でIpのバラツキがひどい球で、1個はすぐにダメになったような記憶があります。

ということでまずは、案ずるより産むが易し、今日も実験ステーションで3極管接続のアンプに仕立てました。

で、上記写真の内、どの球で比較するかですが、とりあえず、各球を差し替え一番音がよいもので比較しようときめ、比較を開始。

最初にSylvaniaの5933ですが、これは不戦敗です。袴が大きすぎてダブルシャーシの上側に引っ掛かり、下側にあるソケットに足が届かず、残念ながら音質の確認はできませんでした。

そこで、東芝、RCA、ヨーロッパ製のValve Electricのものでの比較ですが、心の中ではMade in Japanの東芝推しでしたが、残念ながら、一番良い印象だったのは、Valve Electricのものでした。低域が案外よく出ていましたが、写真を見ての通り、プレートの形が6L6ぽくないため、よく見る普通の807での比較としたく、次によかったRCAの球で比較することとしました。だったら、Valve Electricなんて出すなよとお思いの方もいらっしゃると思いますが、そこはちょっとこの球を確認してみたかっただけ。WE350Aもあればよかったのにな~。

残念ながら東芝製は、手持ちの球だけかもわかりませんが、ほんの少し音にざらつきがあり、RCAが勝ちました。

東芝に敬意を表し、東芝製で比較中の写真を載せておきます。

いつもの3C33シングルアンプと比較した結果、下記のような点数となりました。

RCAの807は、低域のボリューム感が少ない印象はありましたが、あとは、悪いものはなく、むしろ、総じて良い感じでこの球がオークションでもなぜそんなに価格が上がらないのか不思議です。下手すれば6V6Gより安い時もありますが、これはトッププレートとUYソケットであるがためにこのようなことになるのでしょうか。難点は、3極管接続時にシングルでは出力があまりとれないことと、低域のボリューム感不足ぐらいですが、すっきりとした音という良い面でもあるかもしれません。トッププレートのキャップの設置やらが、シャーシの加工時に面倒なのかなと思いましたが、穴を1個開けるだけですし、キャップも安いものだと500円ぐらいです。そんなことでこの価格、それにしても安すぎると思った次第です。

807を求めよ、さらば与えられん。

 

この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

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次のアンプに向けた準備、球くらべ47編

2021-08-22 20:57:37 | 自作真空管アンプ

今日は、UY型の球の比較として47にフィーチャーし、その音質を比較してみました。

47という球ですが、元はラジオなどの家庭用受信機の出力段として開発された球のようです。のちに傍熱型となり、2A5、42を経て6F6の原型になった球といわれております。

今回の音質比較では、5極管の47を三極管接続にして、比較することとしました。

ところが、球の規格が載っているサイトを色々調べてみましたが、三極管接続のデータが見当たらず、アンプの実験ステーションのB電圧も高めなので、球を疲弊させないためにも慎重に設計しなければなりません。ここはひとつ伝家の宝刀をということで、三極管接続の特性曲線を測定してみることにしました。

測定に使用した球は、下記RCA Cunninghamの刻印球になります。

測定には、数台の電源装置とX-Yトレースが可能な入力部のアースが絶縁されたタイプのデジタルオシロがあれば大変便利です。測定の様子を載せます。

測定していて思ったのですが、この球、あまり電流が流れない。グリッドバイアス0Vでプレートに250Vぐらい電圧をかけても、50mA強しか流れていません。ひょっとしてエミッションが弱っている球かもしれませんが、とりあえず、測定時は手元にこの1本しかなく継続しました。

その結果、特性曲線は下記のようになりました。

なお、このプレート電流曲線は、デジタルオシロの描画からエクセルの曲線ツールを使って見やすく描きなおしております。

RCA Cunninghamの47は、この1本以外にも手持ちがあり、確か倉庫にしまっているはずだと、今日取りに行きました。しかし、どこを探してもあるはずだと思っていたものが見当たらず、やっと見つけた47は、Tung-Solの刻印のものでした。あと、ヨーロッパはTungsramの47も数本手持ちにあり、結局、RCA Cunninghamは見つからずじまい。仕方なくRCAとTung-Solの刻印を使って注意書き付きで比較するかと思い、Tung-SolとTungsramも念のため持って帰りました。

47の動作点としては、5kΩ負荷でグリッドバイアス‐30V、プレート電流20mAのところが実験ステーションに合いそうなところでしたので、ここから、カソード抵抗は1.5kΩとなります。

早速、RCA CunninghamとTung-Solを挿して、音質比較を始めたのですが、うーん、今一よろしくない。評価も点数が低くブランド違いの注意書きがその言い訳になりそうな気がしたので、これはやめておこうと思いました。代わりに、Tungsramの球で比較したらどうなるだろうと思い、こちらを試すことに。

ここで、Tungsramの球の写真を載せておきます。下記写真の右手側の球ですが、ヨーロッパらしくST管の肩の部分が”なで肩”でなかなか良い趣です。

結局この球で試聴を行いました。試聴の様子は下記になります。

さてその結果ですが、初めの刻印のものとは大違い。出てくる音は自然で聞きやすく、全体のバランスもさることながら、高域の透明感も良い。奥行き感も感じられて45に匹敵しそうな音を奏でてくれました。

結局、評価としては下記のような結果になりました。

こんな球が手持ちにあるのもすっかり忘れていたのですが、今日は思わぬ収穫となりました。ただ、比較としては、今日試したRCAとTung-Solの球のエミッション不足だった可能性もあり、何とも後味の悪い結果となってしまいました。それに誰もTungsramの47なんて持っていないでしょう、そういう球で比較してもね~・・・

 

この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

 

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次のアンプに向けた準備、球くらべ46編(改めまして)。

2021-08-21 18:35:57 | 自作真空管アンプ

お盆休みも明けてしまい、現実世界に戻った生活をしておりますが、土日の空いている時間は趣味に時間を費やそうと思っています。さて、次のネタをどうしようか考えつつ、前回のブログを読んでみました。ま、相変わらず文章はへったぴなので、それは置いておいて、何だこの中身は?!と。

ダブルグリッド管”46”の音を確かめるための音質比較を45と実施したつもりですが、46の音の説明はなく、45がよかったという内容。これでは46がダメな球で評価が低いのではと誤解を与えてしまい、全国の46ファンの方にも申し訳ない内容となってしまってました。これは、もうちょっと評価を定量的に行わないと、きちんとした評価にならず、結局何をやっているのかわからない内容になってしまい、改める必要があるとの考えに至りました。

そこで、今回は評価方法を改めるべく、評価基準をきちんと決め、比較対象のアンプと相対的な比較をしていく、ということをしてはどうかと下記のような評価基準を作ってみました。

  • 全体のバランス    全体的な音のまとまり感
  • 中低域のボリューム感 主に低域の音の響き(胸腔に響く感じ)感
  • 中高域の透明感    高域の音の透明感
  • 抜けの良さ      いわゆる”ドンシャリ”音ではない感覚。スピード感か?
  • 奥行き感       音楽の中で各楽器の距離感がわかるような感覚

これが正しい比較方法かはわかりませんが、自分はアンプの音質の判断としてこの辺りを確認するようにしています。聞きやすい音になっているのかどうか全体のバランスの中に、背景にある音(リズムをとっているベースなど)が胸腔をくすぐるような体感がありつつ、高域の透明感や、いわゆるドンシャリでなく音にスピード感があり、楽器の距離感なども感じられたら、言うことなしです。あーそういうこともあるね、と少しでも思っていただければ幸いです。

これらの音は、曲の全体というよりも、曲のある特徴的な一部分だけでの評価になったりもします。また、すべて”~感”といった感覚での評価となり、聞く人によっては異なる結果になるという、まさに主観的な基準となります。本当は、音楽的な知識もあった方がよいのかもしれませんが、そういうものはほとんど(いや全く)ありません。

まずは、基準となるアンプを常用している3C33単管シングルアンプとします。このアンプと比較して上記評価基準に対し、個人の主観的な感覚で評価していこうとしております。とりあえずこの基準アンプの評価はすべての項目で10段階の真ん中の5としておきます。

比較対象のアンプは、この基準アンプを聴いてから、評価するようにしました。

また、評価する曲は、下記になります。

有山麻衣子 「幻のコンサート」 5曲目:7つの子、16曲目:愛国の花

平賀まりか 「more Romance」 12曲目:Every thing

標準アンプの試聴後、再度、同じ曲を46シングルで試聴します。

この結果、46アンプの場合は、下記のような結果になりました。

抜けの良さはいいのですが、奥行き感が足りなく、ピアノの音とボーカルの音が同じ場所で聞こえるような感じがしています。この点で45のアンプでは、ちゃんとピアノとボーカルが離れた位置でなっているように感じていました。また、46アンプの低域では、パーカッションの音がもう少し体に感じる響きが欲しいなあというところ。一方、高域の透明感はさすがに直熱管だけあり、十分に感じます。ということで標準にしているアンプと比較してこのような点数としました。

参考として、トランジスタアンプのSound SAQ-202も確認してみましたが、上記記載のような点数となりました。

最後に、確認する球は、手持ちにあるUY型の球で、表に記載のものを予定していますが、思いっきり主観的ですし、うまく評価できるのか、若干不安に思っているところです。

また、表の一番にあるUY-5??は何という球でしょう。これもうまくならせるか不安ですが、実験する日まで秘密にしておきたいと思います。

 

また、この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

 

 

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次のアンプに向けた準備、球くらべ46編。

2021-08-15 21:28:16 | 自作真空管アンプ

ご記憶の方も多いかと思いますが、昔、「13日の金曜日」というホラー映画がありました。その残忍さからかホラー映画の代名詞のような映画ですが、欧米では、13という数字や金曜日は縁起が良くなく、13日の金曜日は、まさに最悪中の最悪といった意味になるのでしょうか。

まさにこの8月13日の金曜日、私はモデルナの2回目接種を済ませ、経済的自由ならぬ、「疫学的自由」(そんな言葉あるのか!?)に歓喜の声をあげ、大した痛みや副反応もなく、なんだこんなもんか噂ほどにもないな、と意気揚々としておりました。

が、13日の金曜日というのを忘れていました。その夜の就寝中、注射した左腕が疼きやけに寒い。朝の目覚めもなんだか気分がすっきりせず、体温を測ったところ、なんど38.4度も熱が。そしてその後もぐんぐん熱が上がり、昼頃には39.6度にも達してしまいました。耐え切れず、解熱剤を飲みましたが、寝る前にもまだ38度台の熱があり、再度解熱剤を飲んで就寝し、15日にはすっかり熱は冷め元気になりましたが、これが恐るべき、かのジェイソンの復讐か、あ、いやモデルナの副反応かと実感したのでありました。なので、昨日はブログどころではなく、1日中寝込んでおりました。副反応を甘く見ちゃだめですね~。

さて、今日は元気になりましたので、UY型の真空管を試すべく、まずは46の配線作業を行い、せっかくなので、45と音質比較してみました。

まずは比較中の写真から。

中の配線は、また横着をして右側のUXタイプのソケットから、フィラメント、プレート、カソードを拝借しています。しかし、カソード抵抗は、約360VのB電源に対し、45の場合は、2kΩで、30mA程度の電流を流していましたが、46の場合は、特性曲線から1.2kΩが良さそうで、2kΩに3kΩを並列に接続して1.2kΩにしています。

ロードラインは5kΩで、下記のように320V、33mAを設計上の動作点にしております。

ここで、ご賢明な方はお気づきのことと思いますが、45の動作点が狂うのではと。

確かに狂いますが、まあ、良しとします。45を挿した場合、実測では、カソード抵抗によるバイアスは約50Vでしたので、プレート電圧・電流はそれぞれ、310V・42mAとなり、プレートロスが約13Wと45にしてはきつい動作(若干の規格オーバー?)となります。

さて、音質比較の結果ですが、まず結論から言うと、46については比較相手が悪かったかもしれません。46は46でいい音なのですが、45との比較となるとやはり違います。比較しやすい女性ボーカルで確認しました。

45の場合は、まずその音の深み、音の透明感などこれ以上言うことがありません。例えていうなら、「心地良いそよ風を浴びながら草原で寝そべっている」ような、あるいは、「母のぬくもりを感じてすやすやと眠る遠い昔の記憶」のような、そんな感覚あるいはイメージがします。

一方、46ですが、音は文句なくいい。しかし、上記のような感覚にならないのです。音の響き方が違うのでしょうか。言葉ではなかなか表現が難しいですが、当方はそんな感覚がしました。

 

ところで、上記写真の45ですが、片方のベースに黄色のテープが貼ってあり、よく見るとTung-Solと書かれていますが、球自体は、Sylvania製です。当時のアメリカでの販売店で貼られたシールかと思いますが、珍しいのでそのまま残しています。もう片方は、ベースに大きなひびが入っていますが、ぐらつきもなくエミッションも十分なので、このまま使用しています。

長期休暇も終わり、明日からまた仕事ですね。

ではまた~。

 

 

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