Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

オールメタル管アンプ、嫁入りへ。

2023-06-11 17:12:07 | ステンレスシャーシのアンプ

オールメタル管による6L6シングルアンプですが、いよいよ嫁入りの時が来ました。実は先週ヤフオクで出品していまして、運よく落札頂き、お別れが決まってしまったのです。

なので、動作確認も兼ねて、嫁入り前の動作確認と、かわいい子供を大事にしてもらえるよう、新郎へのお手紙(アンプの説明書)の作成を行いました。

まずは、試聴です。変なノイズが出ていないか、よい音でなっているのかの確認を行いました。

まず、ノイズは大丈夫そうです。が、環境によってハムが出るとかいろいろあるので、嫁入り先で大丈夫なのか心配です。

そして音ですが、今日はどんよりと重たい空でどことなく寂しい雰囲気にもかかわらず、明るく軽快な音でなっている。ちょっと手放すのが惜しいぐらいです。が、もう行き先が決まってしまった以上仕方ありません。

下記が新郎への手紙ですが、特に先方から求められたわけではないですが、回路図を含んだ説明書を簡単に書きました。

ヤフオクを見ていると、ついさっきまで出品されていたアンプがある日バラバラになって部品だけ出品されているのをよく見ます。つまりせどりの部品取りにされたわけで、折角作って良い音を出すために四苦八苦したにもかかわらず、すぐに部品取りにされるのは悲しいため、できればしばらくは使ってもらえるよう、アンプの説明書を添付したわけです。

と言いつつ、恐らくこのアンプをせどりとして部品だけ出品したら、買値よりも儲かるのではないか、と内心思ってはいます。

さ、では、梱包も済んだのでそろそろ発送してきます。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「球転がし」で少し改造

2023-03-18 18:55:37 | ステンレスシャーシのアンプ

先日、球転ししましたが、あまり音が気に入らなかったので、今日はちょっと調整してみました。具体的にどんなことかというと、音が固く、歪っぽいような感じなのです。恐らく原因は、初段管の5693から大きくスペックが異なる717Aに変更したので、ここに原因があると思い、調整してみました。

といってもほとんど写真を撮り忘れたのですが、要は、波形がかなり歪んでいましたので、電圧の調整をしたのです。主に717Aのスクリーングリッド電圧を変更したのですが、5693の時は約100V印加していたものを、717Aだとこれより下げた方がいいのか、上げた方がいいのか、わからないので実験してみました。

スクリーングリッドに印加している電圧を調整している部分はこの赤色の抵抗100kΩですので、これを150kΩに変更して、約80V程度にしてみたところ、歪の改善は見られませんでした。そこで、この抵抗を外してスルーし、約160V程度としたところ、歪は少なくなりきれいな波形になりました。

そこで、やはり若干の抵抗はあった方が、リップルフィルタにもなりますので22kΩに変更し、150V前後としました。

これで冒頭の写真の球の組み合わせで、結構お気に入りの音になりましたので、これで少し楽しみたいと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「球転がし」してみる。Ver.2

2023-02-25 17:55:38 | ステンレスシャーシのアンプ

以前製作した、オールメタル管仕様のアンプの球転がしをしてみましたが、ちょっとしたミスがあり、危うく貴重な球を壊して”失敗”してしまいそうになりましたので、その顛末を・・・

球転がしというのは、以前にも書いた(駄文で恐縮です^^;)ので説明しませんが、球の差し替えをして音色の違いを楽しむ遊びです。

今日の球は、下記のような球を選びました。

まず初段の赤玉5693の代わりに717A、初段の帰還管に6C5から6J5へ、出力段は6L6から7027Aという球に変更して見ました。

まずは真空管の写真を。

初段は、GT管の5極管でトップグリッドではない球の適当な手持ちがなく、またgmもそこそこありそうなのが欲しかったため、717Aを採用しました。形がキノコのマッシュルームやドアノブのような形なので、通称、マッシュルーム管やドアノブ管のように言われている球です。

手持ちのものは、Western Electricブランドですが、SubContractorとしてBy Tung-Solとありますので、発注者:アメリカ陸軍、元請け:Western Electric、下請け:Tung-Solのような発注形態だったと思われます。製造もTung-Solなんでしょうね、おそらく。

717Aはgmが4000mSほどですので、5693の倍近くあり、入力電圧も5693の時よりも低めで良さそうです。

次に6J5ですが、これは、変わったものを選びました。

これはいわゆる”キャトキン管”というものなのでしょうか。いや、キャトキン管のなれの果てというものなのでしょうか。球全体がアルミの外套に覆われていて、アルミの外套を外すと中にガラスの球が入っています。もちろんこの外套は1番ピンにつながれていて、シールドの役目を果たしています。大きさも出力管サイズで貫禄があります。

そして、次は6L6の高信頼管7027Aです。

実は、この7027Aが冒頭に記載したトラブルを引き起こしたのでした。

7027Aは、6L6GCとプレートロス以外はほぼ同じで、映画館などの業務用アンプに使用された球のようです。6L6GCと差し替えも可能なので、今回の6L6と差し替えも可能だと思っていました。

そして、よく確認もせずに6L6をそのまま7027Aに差し替えていざ、電源ON!

なんと!電圧が上がるにつれて抵抗から煙が・・・

煙が出ている個所は、出力管のスクリーングリッドに入れた4.3kΩの抵抗からでした。

なんで?と思いつつも、スクリーンに電流が流れすぎたかな?ぐらいしか思っていなくて、電流が沢山流れるのであれば、抵抗をバイパスしようと思い、4.3kの抵抗を銅線でショートさせ、再度挑戦!

なんと今度は、整流管の後ろにつないだ33Ωの抵抗から煙が出るではありませんか!

のんきな私もさすがにヤバイと思い、電源を落としつつ、原因の調査開始。あっけなく、原因が判明しました。

ピン配が6L6と7027Aではコンパチではなかったのでした。

7027Aは、1番ピンがスクリーングリッドになっていて、メタル管のように1番ピンをアースに落とすような接続をしていた場合、4番ピンに接続した4.3kΩを介してショートしてしまう作りになっていたのでした。

本機の場合は、6CA7と差し替えできるように1番ピンはカソード(8番ピン)に接続していますので、カソード抵抗の310Ωを介してショートしてしまうのですが、作り方にいくつかフェイルセーフに考えが入っていますので、運よく破壊は免れました。もし何もなく、そのままショートしていたら、電源回路のどこかか、7027A自体で内部の断線などが発生していたと思います。

1つ目のフェイルセーフは、スクリーングリッドに入れた4.3kΩの抵抗でしょう。こいつの煙で異変に気が付けばよかったですが、そこで気が付かなかったのは何とも恥ずかしい話です。

2つ目は、整流管直後の33Ωです。この抵抗から煙が出るというのはさすがにおかしい、というのはいくらボンクラでも気が付くものです。

今回は、改めてフェイルセーフの考え方の重要性を思い知ったのでした。整流管直後の33Ωは、昔、宝塚市にあった、オーディオアンプ工房Valves’WorldのTossieさんがよく使っていた回路ですが、今になってこの回路のお世話になるとは。改めて昔のマニアに脱帽です。

ところで、最近フェイルセーフで似たような話が巷でもあったような・・・

「それは一般的に失敗といいます」と、どこかの思い上がった記者が、偉そうにほざいてましたね。さぞや日本のためになる素晴らしい記事をお書きになることとお見受けしました。

今回はいろいろ勉強になった球転がしでした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オールメタル管アンプの製作(10)

2022-12-10 22:06:13 | ステンレスシャーシのアンプ

そろそろ、本アンプを完成させようと、最後の仕上げであるレタリングを行いました。

まずは完成写真ですが、といってもアンプの裏側の写真です。

使用したのは、プリンターで印刷可能なシルバーのフィルムラベルシートです。これにアンプのレタリング箇所を印刷してアンプに張り付けました。

こんな感じでシートに印刷します。

黄色っぽい下地に赤字のシールは、以前作った単管ラインアンプに張り付けるシートです。以前作らないといけないと思ってなかなか手を付けていなかったのですが、これを機に作成しました。

本機のシールは、青地か赤地のものにしようとしましたが、赤の方が良さそうだったので、赤を使用し、これらを切り出しました。

そして、あまりカッコよくないですが、単管ラインアンプにも張り付けておきました。ん~、しかし何かカッコよくなる方法はないものか・・・

これでとりあえずは、アンプが完成しました。

さて次は何にしようか悩むところです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オールメタル管アンプの製作(9)

2022-11-23 18:42:59 | ステンレスシャーシのアンプ

そろそろ、本アンプ製作の終盤です。

今日は細かいところの対応をします。

まずは内部配線をまとめて束ねる作業。製作したての状態では配線がまだ雑然としているので、結束バンドで止めていきます。

下記はまだ配線をまとめていない状態。

一応、結束させました。

雑然としていたのが少し整然としました。しかしよく見たら、真ん中あたりにあるラグ版が未使用の状態のままでした。使っていないのでこれも外しました。

次に、ボリュームのつまみですが、これは日本製の6㎜のシャフトに対応したつまみの穴をドリルで広げてつけようと思ったのですが、先日出張で寄った秋葉原の秋月で購入したつまみをデザイン的にどうかなと試しに挿してみたところ、スポっとはまりましたので、これを使用することとしました。

あとは、スイッチや端子のラベルシールの作成ですが、これはまた次回にでも。

回路も載せておきたいと思います。

回路の説明ですが、既に以前のブログで書いているので、それほどないのですが、細かいことを言うと、電源トランスの1次側では、できればスパークキラーを入れた方が良さそうです。電源トランスはコイルですから、電源入り切りで高電圧が発生し、SWの接触部にスパークが発生します。そうすると、SWの接触部が溶けて絶縁不良を起こしたりしますので要注意です。これを防止するのがスパークキラーで持っていない場合は、0.1uFのコンデンサ(AC250V以上の耐圧)に100Ω程度の抵抗を直列に接続して付けても大丈夫です。

次に電源トランスの2次側ですが、平滑回路では、コンデンサの放電を促すブリーダ抵抗をつけましょう。付いていないと、電解コンデンサ内にいつまででも電荷が蓄積されており、メンテナンスのため触って感電するということが起こりえます。これを防止するためにも、抵抗をコンデンサに並列につけて放電するようにします。本回路では、150kΩ(5W)を付けて緩やかですが放電させています。

増幅系では、5693のG1にボリュームが付いていますが、並列に300kΩの抵抗を付けています。この300kΩは無くてもいいのですが、ボリュームは摺動部品なので、いつ接触が悪くなるとも限りません。そのため万一接触が悪くなって電気的に浮いてしまうことがないように300kΩをつけています。

6L6のG2には、B1から4.3kΩの抵抗を介して接続されていますが、これは、定常動作時にG2電位がプレートより高くなるのを防止するのと、異常時にG2に電流が流れすぎるのを防止します。プレート電圧がかなり低い時にG2に高電圧がかかっていた場合、条件によってはG2には、プレート電流に匹敵する電流が流れます。そうするとG2が壊れてしまう可能性があるので、この抵抗で抑止します。恐らく通常動作時にこのようなことはないと思いますが、念のため。なお通常動作時はG2へ流れる電流は3-4mA程度の定電流となります。一応、G2にもコンデンサで交流分をカットしておくとS/Nの点でも良いと思います。コンデンサの接続先も、G2-K間とするのか、G2-GND間とするのか、色々あると思いますが、カソードが交流的にGNDに接続されていますので、G2-GND間の接続としました。

帰還回路は、赤枠内の回路ですが、以前記載したようにトランジスタを使用した回路になっています。これは、トランジスタのエミッタ側の電圧を調整しつつ、交流を通す回路です。6C5のプレート電圧を調整し、かつ6L6が出力する信号電流もトランジスタのコレクタを介して流れ、これが5693が増幅した信号と逆相になりNFB回路になります。

ということで主なところはこんな感じです。特に電源回路の部分は、危険を伴いますので、出来れば安全側に配慮した設計にした方がよいと思います。今回はこれでお終わります。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする