Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

UY-510Bシングルアンプの音質改善(3)

2022-03-06 21:28:54 | UY-510B(P)シングルアンプ

三寒四温とは、元々中国北東部で冬に使われる言葉だそうですが、日本では低気圧の寒気と高気圧の温暖な空気が交わり、周期的な気温の変化を繰り返すこの時期に多用される言葉のようです。

昨日今日はまさにそんな日で、昨日は暖かい春の陽気だったのに今日は一転して寒い日となってしまいました。午前中はみぞれが少し降ったことも。

そんなこんなで、今日折角予定していたアンプのケースづくりはやめて、アンプの音質改善を実施することにしました。寒い時の切断作業は、手がかじかんで怪我しそうなのであまりやりたくない作業なのです。

ということで、今日の音質改善は、出力管の交換。もはやUY-510Bのアンプではなくなります。

代わりの球は、以前の球の聞き比べでHY-69307Aに目星をつけていました。これらの球は、特性的にはUY-510Bとさほど大きな違いは無いようで、ほぼそのまま差し替え可能です。

写真は差し替えて音質の確認中の様子ですが、両方ともそれなりに良さがあり、どちらかに決めるのではなく、次回のオフ会では両方の球を持って行って聞き比べをしたいと思います。

でもHY-69はトリタンなので、”映え”ますね!

 

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UY-510Bシングルアンプの音質改善(2)

2022-03-05 21:42:56 | UY-510B(P)シングルアンプ

先週からの続きで、アンプの音質改善です。前回は電源の改造だったので、今日は、増幅部を触りました。

このアンプで一番気になっているところは、帰還用に使っているトランジスタです。どの部分かというと、下記回路図の初段の6ES8ののプレート側についているトランジスタ”2SC2568”です。

 

このトランジスタは、音質にもろに影響します。あくまで経験上ですが、このトランジスタが高温にさらされ続けると、劣化し音質がものすごく悪くなります。以前、T-55のダイナミックカップリングで定電流回路により初段から終段まで直結する回路を載せましたが、この回路は、出力段のカソード電位が高くその部分に定電流回路を持ってきているのでものすごく発熱します。この回路にも同じように初段にトランジスタを介してフィードバックを掛けていたのですが、あまりの高温によりすぐに音質が劣化していました。原因を特定するのに時間がかかりましたが、このトランジスタを新品に変更すると音質ががらりと変わり、音が生き生きします。しかししばらく使っていると本当に焼けたような音になり、ドンシャリの無残な音になってきます。

この経験があったため、本アンプの音の劣化もこのトランジスタを疑いました。同じ回路とシャーシを使用した以前の回路は、300Bのアンプでしたが、謎の発熱がある旨記載しました。この時、恐らく高温にしばらくさらされていましたので、徐々にトランジスタが劣化したものと思います。

早速トランジスタを交換。この2つを取り外して差し替えです。ちなみに音質が劣化しているだけでHFEは製作当時と交換後でも変化はありません。

こういうこともあろうかとトランジスタとの接続はコネクタにしていますので、交換はらくちん。

あと、原因不明の発熱の件ですが、原因が判明しました。前回の電源の交換で分かったのですが、犯人はチョークコイルだったようです。チョークを使用しなければシャーシが熱くなることはなくなりました。このチョークは13H 150mAの容量があるのでプレート電流を60mA程度で使用すれば、300Bでも大丈夫かなと思っていたのですが、電流容量がぎりぎりだったのでちょっと無理があったようです。はずしてから気が付きました。

さて、これで音質確認しましたが、かなり改善されました。

さらに改善を図ります。他に気になるところは、上記回路の6ES8です。この部分の球も音質に影響します。ここを変えると音に張りが出たりそうじゃなかったりといろいろ。

そこで、いろいろな球を差し替えて確認してみました。

候補は、6DJ8系のμが30程度の球と6AQ8系のμが60程度の球の2種類です。

6DJ8系が、6DJ8、7308、6BQ7A

6AQ8系が、6AQ8、6DT8、ECC812です。

差し替えて良かったのが、6AQ8系の球でした。この3つともよかったので、あまり使用機会がなかった下記写真のECC812を使用することにしました。

ECC812という球については、資料がほとんどなくあまりよくわからないですが、恐らくはTV用のチューナ部分に使用される球ではないかなと思います、6DJ8もカスコード接続でVHFチューナに使用されますので、ここに挙げた球は大体同じ用途向けに開発されたものと思います。そういう意味では6DJ8が特にオーディオ用にもてはやされていますが、6BQ7も6DJ8の前身としてもっとオーディオ用に使用されてもいいのでは、と思ったりもします。

ということで、球を決定後、アンプの調整を再び。

良さそうな出力波形を確認後、音質確認しましたが、音質にも張りが出て結果は良好。

さて次週もオフ会があり、この音質改善したアンプで臨みたいと思いますが、出力管をUY-510Bでいくかどうかを悩み中。510Bだとエミッションがもうあまり出ないのか、ちょっとくたびれたような感じの音になるかなと。オフ会にはいつも魔物が潜んでいますのでしばし考え中です。

 

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UY-510Bシングルアンプの音質改善(1)

2022-02-27 21:46:01 | UY-510B(P)シングルアンプ

今日は、暖かくなってきたし、そろそろ6DJ8単管コントロールアンプのケースの加工でも始めようかと思い、ようやく重い腰を上げかけたところ、必要としているアルミの部材が家にないことに気が付き、急遽予定を変更しました。アルミの部材は、あるにはあるのですが、倉庫に置いているため取りに行く必要があり、夕方でしたし取りに行っている間に日も暮れそうだったので躊躇してしまい、結局また今度ということに。

そこで、先週のオフ会で確認したUY-510Bの音質改善に対応することとしました。

まず、第1に一番手を付けやすい電源を触ることに。現在は、5R4GYでの整流後、LCによるパイ型フィルタを通していますが、これを半導体によるリップルフィルタに変更します。LCによるフィルタより、電源のインピーダンスを下げるのが目的ですが、実際にはどうなのでしょうか。

それから5R4GYだと整流の効率が悪く電圧ドロップも大きいので、効率のいい5AR4を使用することとします。

半導体によるリップルフィルタは、3C33シングルで少し説明しましたFETによるフィルタと同じで、FETのゲートに定電流回路から抵抗Rに電流を流して得られた電圧を印加し、ソースから出力される電圧を出力電圧としています。この定電流回路の電流を制御することで出力電圧も調整します。

では早速、回路の作成ですが、3C33シングルの時に作った下記パターンをユニバーサル基板に作成していきます。

こんな感じになりますが、コンデンサや抵抗など若干定数が異なっています。

これをアンプに組み込むのですが、チョークは取り外すとカッコ悪いので、配線のみを外します。この基板は、一応、アンプの製作時にこういうこともあろうかと取り付け穴をあけていましたので、下記写真のように取り付けました。ただ、組み込んだ後なので、ねじが締められず、上側のネジのみで取り付けました。

整流管も高効率な5AR4に変更。

とりあえず今日はここまでですが、一応動作試験はうまくいっています。音質がどうというのは、それほどがらりとは変わらず、やはり増幅回路を触らないと駄目なようです。こちらはまた次回に対応したいと思います。

 

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オーディオオフ会参加(2)

2022-02-23 19:23:35 | UY-510B(P)シングルアンプ

今日は、家の片づけでパソコンを処分しました。

NECのモニター一体型PCでCPUは、Corei5-4千番代と古い機種だったのですが、まだまだ全然使えます。まあ¥2,000ぐらいにはなるだろうと、OSも入れ替え、掃除し家庭用での使用したので結構きれいになりました。

早速意気揚々と某B●●OFFに持って行ったのですが、なんと!本体、キーボード、マウスでそれぞれ¥10で合計¥30と超破格値!お店側は、データベースにないので、買い取っても分解してリサイクルすることになる、とのことでした。掃除やOSの入れ替えで約3時間要しましたので、時給¥10の仕事でしたね。

ところで、先日のオフ会の続きですが、MCカートリッジの出力を増幅するためのヘッドアンプの試聴も行われました。

ヘッドアンプは、MCの出力がMMに比べてもかなり低いため、それを増幅するためのアンプです。なお、昇圧トランスは使用していません。

まず第1弾は、サブミニ管の6111によるSRPP回路を使用したアンプです。

次にWE404Aを使用したアンプ。

両機種とも、B電源のコンデンサは20,000μF以上で、しかも安定化電源付き。また、当然ですがヒータ電源も同様にノイズ対策として、35,000μFでの平滑と安定化電源の採用です。トランスや増幅部はそれぞれ別ケースに収納するなど、ノイズ対策は怠っていません。B電圧は低い電圧でドライブしており、数十V程度だそうです。

それぞれ音質比較しましたが、確かに音の違いはあったものの、どっちがいいとかはもう好みの世界。好き嫌いは人それぞれでしょうから、書きません。

こんなこともしているという、オーディオマニアの一こまを書きました。

 

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オーディオオフ会参加

2022-02-20 23:29:39 | UY-510B(P)シングルアンプ

今日は、久しぶりに開催されたオーディオのオフ会に参加しました。

場所は、小野市のS氏宅にて。S氏は、小生のUY-510Bのシャーシを作成していただいた、木工技術のプロフェッショナルの方で、今まで多くのマニアや、プロフェッショナルの方に自作の木工品(エンクロージャや、各種ケース、シャーシなどなど)を供給されている方です。

早速、S氏のシステム紹介ですが、スピーカは、低域がAltecの後継メーカーGPAの416と、Eminenceのカーボン製ダイアフラムを備えたN314Xドライバーに自作の木製ホーンを抱かせたシステム。

裏側は下記のような感じ。

そして、アナログプレーヤは、なんと黒檀の自作トーンアームにこれまた自作の木製ターンテーブルと、自作のトーンアーム制御システム。

よくあるプレーヤは、カートリッジのところで、レコードの溝の振動でシャンシャン音がしますが、このトーンアームで再生すると、その音がほとんど聞こえません。そのため、溝の振動が効率よく発電に使用されるようです。

確かに、私の持っているプレーヤはよく音漏れしていますが、その音漏れの分、発電ロスが発生しそうだとは素人考えでもわかります。

今日の聞き比べは、下記のレコード。なんと戦火の再現のため本物の大砲が使用されているため、迫力満点。この大砲の音をいかにならせるかが重要な要素になるのは言うまでもありません。

そして、今日のパワーアンプは、3台あります。

まずは、熟練のH氏による6GB8プッシュプルアンプ。もともと6C33CBのプッシュプルで使用していたとのことで、見てくれは今一ですが、音はぴか一。大砲の音が迫力満点です。参加者皆納得。6GB8ってこんなに音がよかったんだと、改めて実感させられるアンプでした。

そして6C41Cによる、OTL。以前聞いたときは、ものすごくレンジが広く締まりのある音だと思いましたが、今日はこの6GB8に圧倒されてしまいました。

最後は、小生製作のアンプ、UY-510Bです。

残念ながら6GB8に全く及ばず。レンジが狭く迫力がない。ややくたびれた感じの音がします。この1台でずっと聞いていればそれほど感じないのですが、やはり比較すると全然違います。この違いは何なのか。おおよそ見当はついていますが、次回の開催までに少し回路をいじって改善していきたいと思います。

今日はほかにもMCヘッドアンプの聞き比べなどがありましたが、これはまた次回にでも。

 

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