Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

新しいアンプの実験(終章)

2021-12-26 20:57:19 | 実験

前回、スムーズに実験を行う目的でブレッドボードを買い、早速回路を組み立てて確認しました。

入出力端子や電源は、結局、部品の端子に直にはんだ付けを行い、簡単に済ませました。

上記写真のテスターの電圧(10.1V)は、トランジスタのコレクタ電圧です。これで約10Vほどの出力電圧が出るようになりました。

今回の回路は下記の写真のようにしています。

実験(4)ではガサゴソノイズがかなり大きな音でなっていましたが、恐らくこれは真空管かトランジスタでドリフト電流が発生し悪さしているのではと考え、下記のように真空管のカソードにやや大きめの抵抗を入れた回路にしました。しかし、そうすると増幅度が下がるので、抵抗を33Ωと750Ωに分割し、負帰還は33Ωの抵抗で行うように変更。しかも真空管のグリッドバイアスは、33Ωの抵抗の両端の電圧にします。

そしていざ、この回路でアンプにつなぎ音の確認です。

すると、ガサゴソノイズは収まりましたが、今度は、ジー、ジーという断続的な小さなノイズが。しかもあまり音もよろしくない。

これは何だろうと思い各所の電圧を測定しましたが、なんと真空管のプレートの20kΩの抵抗の両端に電圧がほとんど出ていなくて1V前後しかありません。

恐らく、ベース電流の影響により、真空管にほとんど電流が流れなくなっているものと思いますが、これは少し想定外。真空管にほとんど電流が流れなければノイズも出そうなものです。この後、ベース電流を減らそうとトランジスタのエミッタ抵抗を色々変えたりしましたが、20kΩの抵抗の両端電圧が少し変わるだけで、大きな効果はありませんでした。

う~ん、としばらく考えましたが、今のところこれらを解決するための良い案が浮かばず。最初の方針案にちと無理があった可能性があります。

何が無理だったかというと、主に下記のようなことです。

  • 真空管とトランジスタを直結しているため、トランジスタのベース電流Ibが、真空管の出力電流に影響する(影響が小さくなるよう、真空管にもっと電流を流すべき)。
  • フィードバックに直流も含めているので、トランジスタのコレクタ電圧が真空管のカソードにもろにかかり、真空管のカソード電位が上がってしまい、真空管に電流が流れない(上と相反する作用を及ぼす)。

ということで、この回路はちょっと無理があったかなという結論です。最初はもっとうまくいくと思ったのですが・・・残念。

そこで、一旦この回路はやめにして、また別の回路を考えたいと思います。ブレッドボードにより実験が楽になったので、ちょっといろいろ試そうかなと。

今回、ブレッドボードにしたことで、簡単にいろいろ試すことができたため、早く結論が出てしまいました。もう少し早くブレッドボードで実験できていたらと、少し悔やむものの、良いツールを得た気もしています。ところで、回路シミュレータのSPICEだともっと簡単にシミュレートでき早くわかったのでしょうかね。こちらもちょっと覗いてみるのもよさそうですね。

 

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ナショナル”ETA-68E200”出力トランスの改造

2021-12-25 22:29:27 | トランス

先日、といっても1年以上前ですが、ナショナル(現パナソニック)の古いトランスを入手しました。下記写真のようなETA-68E200という、1次側10kΩのプッシュプルトランスです。実はこのトランスは、2回目の入手となります。

複数回このシリーズの出力トランスを入手している理由は、音が結構よいというのが最大の理由です。

さて、このETA-68E200は面白いトランスで、写真では端子が下側にセットしてあるのですが、これを上側にもセットできるのです・・・。いや、面白いのはここではありません。

通常、トランスのコア(特に電源トランスなど)は、日本では湿気が多いため、結露が発生する恐れがありワニスを十分に含浸して対応するのですが、そうするとコアもガチガチに引っ付いてしまい、コアは簡単には外れません。

しかし、このトランス、ワニスの含浸が少なく、コアがすぐに分解できるのです。

そのため、プッシュプルタイプのコアをシングルタイプに変更可能なのです。

どんな風かというと、下記のような形です。もともと、左手側のような形でコアが組み込んでありますが、これを右手側の形に変更します。

そすると、コアにギャップができ、磁気飽和しなくなるのでシングルでも使用できるように早変わりします。

で、改造した状態が下記写真です。

下にあるI型コアをトランスに組み込み、無事、1次側P-P間で10kΩのシングルアンプ用トランスが出来上がりました。

最近は、1次側が高インピーダンスのトランスは入手が難しく、これで、VT-25やVT-62、この前入手した川西のC-202Aにも対応したトランスとなりました。

ちなみに、1次側のインダクタンスは両方とも、ほぼ20Hとそろっています。

同じように1回目に入手したトランスも改造し、下記のようなアンプを2015年12月に製作しています。B電圧を可変にしたVT-25、VT-62コンパチアンプです。

色が黒っぽく、暗い部屋で写真を撮っていますのでわかりにくいですが、真空管の左手側にあるトランスが改造出力トランスになります。ちなみに音は優しく素朴な感じのするアンプになった記憶があります。

 

 

 

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新しいアンプの実験(5)

2021-12-19 21:44:38 | 実験

引き続きフラットアンプの実験ですが、実験するのに抵抗など部品を色々調整できるようにブレッドボードを買いました。

写真は早速部品を組み込んだところですが、ブレッドボードを触るのは初めてで実はどういう物かあまりわかっていませんでした。いろいろ自由に部品をとっかえひっかえできるというのは当然知っていたのですが、ブレッドボードの孔の接続がどんな風になっているのかなど全然知りませんでした。

届いたブレッドボードを見てびっくり。裏側は下記のようになっており、中央の横方向の溝から上下方向に穴がつながっている構造になっていたんですね。

これは、つまり中央の溝を跨いだ形でDIP型のICを載せ、ICのピンに横方向に色々部品を接続するように作られているということだと思います。

こういう造りであれば、今まで書いていた接続図をそのままボードに載せるのは難しく、早速、この造りに合うよう、回路の配線図を書き直しました。要は、上下に部品を配置するのではなく、横方向に部品を配置する構成としないといけません。

そうして、下記のような形で書き直し、最初の写真の基板部品を載せた訳です。

結構、頭の良い体操になりました。

さて、この組み上げたブレッドボードに電源やら、入出力端子やらをつけないといけないのですが、これはどうつければいいのか!?と悩み中。今夜も眠れそうにありません・・・。

 

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マツダ UY-510Bを入手しました

2021-12-18 21:53:42 | 真空管

先日、念願だったマツダのUY-510Bを入手しました。

以前、UY-510Bでアンプを製作していましたが、同一メーカでそろっておらず、片方は”理研”もう片方は”マツダ”の球と、見た目がなんだかちぐはぐでした。

オークションにどちらかの球が出品されないかなと待ち望んでいましたが、このほど漸く念願かない、下記のようにマツダの球を入手出来ました。

新たに入手したのは、下記の右手側の球です。昭和17年(1942年)製です。

元々の手元にあった球は、昭和14年製。3年の違いで表面の印字が変わっていました。昭和14年製は、丸い円の中の「マツダ」のマークと「サイモトロン」の表記。一方、新たに入手した球はサイモトロンはなくなり、「東京電気」と変わっています。丸いマツダのマークは下に小さくついています。

東京電気とは?と思って調べてみると、「電子管の歴史」(オーム社)によると昭和14年に東京電気と芝浦製作所を合併して東京芝浦電気となったようですが、そうであればなぜ昭和17年に「東京電気」と表示されるのか、謎です。

ともあれ、こちらとしては満足で、あとはうまく動作すること願うばかり。そこで、以前製作したアンプに差し込んで動作確認実施。

運よく、動作しました。ちゃんとアンプから音が出ています。ただ、エミッションが正常かどうかまでは、測定していないですが、手ごたえは十分です。

写真では、真空管のラベルまではわかりずらいですが、気分的にいいですね。

ということで、古い球の入手に成功しましたが、古い分、動作しないリスクも十分あるわけで今回はたまたま運がよかったのだと思います。

以前、古い球まとめて一式2-30本だとか、CZ-501Dをまとめて10本ぐらいだとか、高い価格で落札したことがあるのですが、ほとんど不良品だった経験があります。こういうこともあるのでオークションでは慎重かつ冷静になりましょう。

 

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TEACのTN-350を購入しました。

2021-12-12 21:47:07 | 日記

1-2年前だったか、ちょうど今のような年末の大掃除で、読み終えていらなくなった本が沢山ありましたので、近所のブックオフに売りに行きました。あまりブックオフは利用したことがなかったので知らなかったのですが、なんとブックオフでもCDやアナログレコードを取り扱っている、ということを知りました。

査定の待ち時間で店内をうろついていたところ、アナログレコードが格安で販売されていることに気が付き、プレーヤを持っていないにもかかわらず、つい手が・・・

なんと1枚¥100からありましたので、本の査定額よりも数倍高い¥1,000前後、アナログレコードを買ってしまい、いつかは聞こうと思っていましたが、ようやく、先日プレーヤを購入しました。

購入したのは、TEACのTN-350という機種で、店頭では大体4万円前後するようですが、私はヤフオクで動作しなくて傷があるものを格安で購入することができました。

本当は、ヤマハのGT-2000のような機種が欲しかったのですが、ヤフオクでも相当な価格になっていますので予算的には厳しく、まあ、とりあえず聞くだけということで、この機種で・・・見栄えもいいですし、イコライザアンプも付いていますし。

ちなみに大学時代は、ヤマハのGT-750を持っていましたが、もう既にレコードを持っていなくてプレーヤを使う機会が一度もなく、卒業で下宿を出るときにハイファイ堂に一式すべて売却しました。という、今は大学時代と全く反対のことをしております。

さて、このTN-350ですが、動作しないのは、購入前の思惑通りベルトがないことが理由でした。

そこで、ベルトを探しましたが、TEACストアで購入できることがわかり早速購入。なんと、入会キャンペーンで500ポイントもらえるので、送料のみの負担で実質無料で購入することができました。

他にも針が曲がっていることに後から気が付いたのですが、幸い手持ちにカートリッジごと持っていましたので、付け替え、無事動作、音出しできるようになりました。

最近、当ブログで”新しいアンプの実験”と称して、コントロールアンプに搭載するフラットアンプの実験をしていますが、実はこのプレーヤを入手したため、CDとの切り替え用にコントロールアンプが必要になり、必要に駆られて実験しているのでした。しかし、当初の思惑と違い、なかなか実験の方は苦戦しております。^^;

今日は、もう少しはかどるようにデジットの通販でブレッドボードを注文しましたので、これを使って実験のスピードを上げたいと思っています。

ところで、このTN-350ですが、軽いとか、ターンテーブルが薄いとか気になるところはいろいろあるのですが、この辺りはコストとの兼ね合いや、オーディオでも重厚長大はあまり人気がないのは知っていますので仕方がないとは思いますが、電源がしょぼいのはかなり気になるところです。

電源アダプタは、スマホの充電器よりも小さい・・・

定格容量はわずか12V-0.5Aで、スイッチング電源によりこんなに小型になっているものと思いますが、この電源、どのくらいのリップルが混じっているのだろうか、とか、一度測定し、付属の電源よりも低ノイズな電源を作ればもっと音がよくなるんじゃないか、また、イコライザアンプも自作して音質比較するなど、今後実施していければと思っております。

ということで、まずはコントロールアンプを何とかせねば・・・

 

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