「NHKから国民を守る党」も台風の目

 

「NHKをぶっ壊す」をスローガンにしたＮ国は、選挙の時まで、単なる泡沫候補だと思っていたが、比例で党首の立花氏が当選し、N国全体では90万票以上、2％以上という政党要件を満たし、政党として認められた。まさに台風の目となったが、党首は、元NHK職員ということを知ってビックリ。また、公約は唯一つ、「受信料を支払った人だけがNHKの放送を視聴できるスクランブル化」を実現するというものであった。

スクランブル化については、菅官房長官は、「公共放送としてのNHKの基本的政策に影響を及ぼす。公共放送の社会的使命を果たすため、必要な財源を視聴者全体に公平に負担いただくことが適当」とも説明しているようであるが、スマホが普及し、ワンセグやフルセグでNHK放送が見られるこの時代に、スマホ利用者にもNHK受信料の支払いを義務付けるというようなヘンテコな判決も出ていることに疑問を感じる。NHKの公共性を再検討すべき時に来ているような気がする。どう見ても、スマホ利用者にNHK受信料の支払いを強制するのはおかしい。

今や、放送技術が進歩し、スクランブル化が容易にできる時代になっているので、未払い者のテレビ端末にはスクランブルをかけ、NHK放送が見られないようにすべきである。スクランブルをかけずに見せておいて、支払いを強制するのはおかしい。特に、BS放送については、別料金が設定されているが、この別料金も強制しようとしているのはどう見てもおかしい。BS放送の公共性は極めて薄いし、未払い者については、BS放送が見られないようにスクランブルをかければいいだけである。

自分の場合も、NHKのBS放送はまったく見ておらず、民放のBS放送しか見ない。時々、BS受信料支払いのウォーニングテロップが出て、一部画像が見られないようにしているが、全面的にスクランブルをかけて見られなくなるようにすればいいだけである。スカパーやWOWOWのようにBS受信料を払った人だけがBS放送を見られるようにすればいいと思う。料金を支払わないで、インチキしてNHK放送を見ようというわけではないし、そういう意味では、N国の主張には大賛成である。そう思っている人が多いからこそ、90万票以上の人が投票したものと思われる。スマホの急激な普及に伴う法的整備が追い付いていない気がする。

ある時、NHKホールでのAKB48のコンサートで、スマホの普及にきちんと対応していないNHKの愚策に驚いたことがある。入場の際、手荷物検査でカメラは持込禁止ということで、取り上げられ、帰りに返却されることになった。AKB48の写真を撮らせないための処置だったと思うが、何と、スマホはすべて持込OKであった。持込禁止になったのは、なんと普通のカメラだけであった。今時のスマホは全てカメラ機能を備えているにもかかわらず、持ち込みOKというお粗末な対応であった。スマホを全て一時預かりでもしたなら、大混乱は必至であったと思うが、NHKの対応はその程度であったことに憤然としたことを覚えている。

「NHKをぶっ壊す」は大袈裟であるが、スクランブル化には大賛成である。民放で十分であるし、とくにBS放送は、民放だけで十分である。スマホ所有者に受信料を強制することもおかしいと思う。厳格に受信料の徴収を進めているから、NHKの収入は膨大に大きくなっており、無駄遣いも散見されるし、NHK社員の不祥事も後をたたない。報道によると、N国党首の立花氏がNHK放送料金を支払っていないことが問題になっているようだが、すぐにでもスクランブルをかけて見られなくなるようにすべきである。彼は、NHKは全く見ていないはずなので、スクランブルをかけられても全く問題ないはずである。安易に党員を増やそうという動きには賛成できないが、今回、N国の政党ができたことを真摯に受け止め、真面目にNHKのあり方を再検討すべき時に来ていると思われる。