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人生に役立つ30の言葉~哲学者が伝えたい

2024年05月12日 21時21分55秒 | 人生

異色の哲学者である小川仁志氏の本を何冊か図書館で予約していたが、「前向きに、あきらめる」に次いで、「哲学者が伝えたい人生に役立つ30の言葉」という本が借りることができた。2017年11月に発刊された本だが、どんな言葉がピックアップされているのか興味があって、読み始めてみた。

人生に役立つ30の言葉として、

第一章 おだやかに生きるために
「恥じる」「粋に振る舞う」「みやびやかにする」「曖昧にする」「受け入れる」「発散する」「小さくする」
第二章 「このままの自分でいいのか」と不安になったときに
「なる」「従う」「信じる」「待つ」「癒やす」「簡素化する」
第三章 人間関係がうまくいかないときに
「間をとる」「結ぶ」「型をつくる」「一体化する」「感じる」「頼る」「筋を通す」
第四章 自分の感情や悪い習慣をおさえられないときに
「無になる」「清める」「一心不乱になる」「秘する」「恐れる」
第五章 思い描く将来を実現したいときに
「唱える」「うつろう」「凝る」「繰り返す」「覚悟する」
がピックアップされており、それぞれ解説が加えられている。

例えば、「恥じる」とは、日本人の真摯さの源泉で、周囲に配慮して、自制する気持ちを持ち、真摯に取り組むことでいい結果を生むとしている。「粋に振る舞う」とは、執着せず、前向きに生きていくための流儀として、過去の物事に執着するのは野暮。さっと身を引くことで前向きに生きていけるという。「曖昧にする」とは、争いを避けるための日本人の美徳。あえて「イエス「ノー」をはっきりさせないことで、無用な争いを避けることができるという。どれも日本人なら誰でも使っている身近な言葉。その裏には、実は日本人ならではの哲学や思想が隠れているという。

また、「間をとる」の解説では、欧米人は挨拶をするとき、ハグや握手で相手と接触し、距離を縮める。一方、日本人は相手と適度な距離を取って、お辞儀をする。これは、物理的にも時間的にも相手から適切な「間をとる」ことで、人間関係の息苦しさから解放されるという、日本人特有の考え方に起因しているという。また、適度な「間」をとることは、近すぎると見えない「物事の本質」を見極めることにもつながる。このように、私たちが日々の生活の中で何気なく使っている言葉には、日本人が大切にしてきた哲学や思想が詰まっているという。もうこの年なると人生に役立つかどうかわからないが、本書により哲学者が伝えたいという言葉をかみしめてみたい。



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