2024年に法然上人による浄土宗開宗から850年を迎える。そのことは4月8日に、芝大門の増上寺で行われた「花まつり」を見に行った時、その旨の案内板を見て初めて知った。そういえば、増上寺は、法然上人を宗祖とする浄土宗の七大本山の一つで、徳川将軍家ゆかりの寺院であるが、浄土宗の本山としても重要な寺院といえる。10月6日、読売新聞オンラインの広告記事で、850年を迎えるにあたって、総本山知恩院における浄土門主 伊藤唯眞猊下、浄土宗宗務総長 川中光敎師とさだまましさんによる鼎談の模様が紹介されていた。
法然上人が入滅して800年を迎えた2011年の大遠忌記念のイメージソングとして、浄土宗から頼まれて、2009年にさだまさしさんが作詞、作曲して歌った「いのちの理由」という曲があることが紹介されていた。聴いたことがあるメロディーであったが、その背景は全く知らなかった。浄土宗とか南無阿弥陀仏とか法然の文言は歌詞の中に一切入っておらず、イメージソングといっても汎用性のある楽曲になっている。じっくりと歌詞を噛みしめながら聴くと涙が込み上げるほど教訓的で奥深い曲である。まさに、生きる意味とその尊さを歌い、永く愛される珠玉の感動作となっているといえる。
浄土宗のトップの人達もこのイメージソングを大変気に入っているようである。親鸞聖人が師と仰ぐ法然上人は、専ら阿弥陀仏の誓いを信じ「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、死後は平等に往生できるという専修念仏の教えを説き、浄土宗の開祖と仰がれた。法然の考えを受け継ぎ発展させたのが親鸞聖人であり、その浄土真宗がいまや仏教界の中心的存在となっている。
その後、この曲は、いろいろな歌手によってカバーされているが、一番好きなのは、岩崎宏美さんが2012年にカバーしたもので、歌声と曲のイメージがピタリ合っている気がする。彼女は、耳の不自由な方にもこの曲の歌詞を伝えたいと思い、手話を交えて歌っており、素晴らしいかぎりである。また、彼女は、さだまさし作詞作曲による「残したい花について」という曲も歌っているが、この歌も人生応援歌として大好きな曲である。さだまさし作詞、作曲の音楽には本当に魅了される。人生を振り返り、じっくりと耳を傾け、「いのちの理由」「残したい花」を考えてみたい。
さだまさしと浄土宗トップとの鼎談~現代に受け継がれる法然上人の願い:https://youtu.be/IovlIFNZHYo?si=kEWo09LkNMmk4tBq
「いのちの理由」さだまさし: https://youtu.be/u6nqSPHPi1s?si=4hnYtF9sitTUEzNF
「いのちの理由」岩崎宏美カバー: https://youtu.be/TomWGF7gdHU?si=P4ibXH6MCw-Z8i_r
「残したい花について」岩崎宏美: https://youtu.be/ZpAm_nCxS88?si=bdxaTeAJfAWJ9zbl
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