ついに2023年も大晦日を迎えた。大晦日には近くの品川寺(ほんせんじ)で1867年のパリ万博にも出展されたことがある由緒ある梵鐘で除夜の鐘を突くことを恒例としている。この梵鐘は、1657年、徳川家綱(第四代将軍)により徳川家康、秀忠、家光の供養のために京都三条の鋳物士 大西五郎左衛門が鋳造し、寄進されたものである。鐘身には京都七条の大仏師 康斎が六観音像を浮き彫りにし、観音経一巻が陰刻されている。その梵鐘は万博出展後、行方不明となったが、その後ジュネーブで発見され、1930年にお寺に戻されたことから、「洋行帰りの梵鐘」と呼ばれている。紅白も面白くなさそうだし、早めにお寺に行き、年越しすぐに除夜の鐘を突くことにしたい。また、それに先立ち自分の納骨堂がある近くのお寺では、4時から除夜の鐘をつくことができたので、一足早く鐘をつき、辰年にちなんだ粗品をもらった。
世界的には、ロシアのウクライナ侵攻は相変わらずだし、イスラエルとパレスチナのハマスとの戦闘も収まる気配はない。新型コロナは、一段落した感があり、マスクを着用しない人も増えているが、発症件数はそんなに減っているという印象はない。逆に、インフルエンザにかかる人が増えており、感染症には相変わらず注意を要する。国内的には、安倍派の裏金問題が発覚し、政権中枢にいる幹部が軒並み巻き込まれており、政権を揺るがすところまで来ている。自民党にとっては、過去最悪の年末年始を迎えているものと思われる。本来であれば政権交代が起こるほどの大疑獄なのに、そのような動きにならないのも情けない話である。安倍一強時代の弊害がここに来て爆発している感があり、独裁的な安倍氏の悪政が浮き彫りになっている。2023年は総じてよくないニュースが多かった気がするが、安倍氏がトランプに約束してしまった防衛費倍増、物価の上昇、円安、株価下落、ジャニーズ問題、木原事件、大阪万博問題、自民党の裏金問題と挙げればきりがない。いいニュースはWBCでの日本の優勝、大谷選手の活躍くらいしか浮かばない。
個人的にも、不整脈を発症したり、コロナに感染したり、親族が亡くなったり、海外旅行にも一度も出られず、あまりいい年ではなかった気がする。しかし、無明の闇が近づいている中、何とか今年も大晦日を迎えることができたことに深く感謝したい。今年も除夜の鐘をしっかりたたき、108個の煩悩に悩まされることなく、新年に望みをかけたいところである。
大晦日といえば、毎年思い出されるのは、1999年(50回の節目)の紅白歌合戦の奇跡的ないい席での生観覧の実現、翌朝の明治神宮ㇸの初詣、羽田発札幌行の飛行機からニューミレニアムの初日の出等激動の年のことである。あれからもう24年経つのだから、Time flies.を痛感する。一生分の運は1999年に使い尽くしたが、これまでに貴重な経験をたくさん得たので、経験の配当を味わいながら、新しい年を迎えることとしたい。来年こそ久しぶりに海外にも飛び出してみたい。「今日がいちばん若い日」(ダ・カーポ)なので、「最高の人生の見つけ方」(吉永小百合・天海祐希)を実践し、「我が人生に悔いなし」(石原裕次郎)という思いを持ち続けたい。今年一年お世話になりました。来年は、ぼちぼち徒然なるままに日暮しの世界で行きたい。