3月17日夜、テレビ東京「有吉の世界同時中継」②で、スリランカの秘境シギリヤ・ロックが紹介されていた。高さ200mの一枚岩の頂上に幻の天空宮殿が150年前に発見されるまで、その存在すら知られていなかった王宮のミステリーの謎を解明すべく、現地の生リポートが行われていた。番組に気が付かず、途中から見ることになったが、実際に行ったことがある秘境であったので、興味深くしっかりと見た。
このシギリヤ・ロックを訪れたのは、20年前の2002年8月のことで、当時、コロンボ(昔の首都)で陸上競技のアジア選手権が開催されたが、休日に150㎞も離れたこの秘境に4時間以上かけて車で連れて行ってもらったものである。シギリヤ・ロックとは、かつて5世紀、父親を殺害し王位を簒奪した「狂気の王」カーシャパ1世が、その罪の意識から逃れるように断崖の上に自らの理想郷を築いた王宮である。頂上からは地平線まで続く密林に覆われたスリランカの大パノラマの眺望があり、栄華を極めた王都の香りを今に残している。空中に浮かぶ要塞のような王宮、今なお鮮やかに残る美女のフレスコ画、綿密なシンメトリーの庭園など、卓越した建築美術と美術センスをもつシギリヤ・ロックは驚きと感動の連続である。カーシャパ王の死後、19世紀にイギリスの探検家が発見するまで1300年間ジャングルに閉ざされていたという。
現地に行くと、この世のものとは思えないほど巨大な岩山が目の前に現れてくるが、1500年前に岩山丸ごと王様の宮殿に造り変えられ、高さ200mの山頂に宮殿が建てられていたというからまさに想像を絶する世界遺産である。ライオンの爪の入口から入って、足を踏み外したら転落しそうな急な階段を上がっていくのでスリル満点である。途中、シーギリヤレディという色っぽい美女のフレスコ画が多数岩壁に描かれている一角がある。今は、18人しか残っていないが、かっては500人もの美女が描かれていたというから驚きである。また、いまだ解読されていない謎の文字も壁に残っている。岩山の頂上に立つとこんなところにどうやって宮殿を建てることができたのか摩訶不思議である。今は、土台の部分や宮殿の一部しか残っていないが、当時王様が使用していた玉座に座って周辺を見回すと感動的なものがある。帰りに、ダンブッラ石窟寺院やキャンディにも立ち寄ったが、間違いなく印象深い秘境旅行であった。今では海外旅行もままならないので、旅行の思い出を振り返るだけが楽しみである。
写真は、シギリヤ・ロックとシギリヤ・レディ
スリランカ旅行アルバム: https://youtu.be/7q054KUIB1o