浪漫飛行への誘(いざな)い

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MGCマラソン代表選考レースに釘付け

2019年09月15日 13時13分04秒 | スポーツ

 

15日、待ちに待ったオリンピックのマラソン代表選考レースが男女とも行われ、男子は、中村匠吾(富士通)と服部勇馬(トヨタ)、女子は前田穂南(天満屋)と鈴木亜由子(日本郵政)がそれぞれ優勝、第2位となって、代表選手に内定した。設楽悠太(ホンダ)が飛び出しぶっちぎりかと思いきやまさかの失速でマラソンは何が起こるかわからないことを実感した。3位の選手は内定こそ決定しなかったが、規定に従えば、選ばれる可能性が大である。男女同時開催で、TBSが男子、NHKが女子のレースを中心としたコラボ中継という初の試みで興味をひいた。解説陣も豪華メンバーであったが、TBSの方はコマーシャルが多すぎるのが残念であった。


関心が高いのか、オリンピック毎にマラソン代表選手の選考はいつももめる。今までは、選考基準をきっちり設定しても、選考レースの結果、過去の実績、期待度等の要素のとらえ方がいろいろでもめ続けてきた。アメリカなんかは、極めてドライで、選考レースの1~3位が自動的に代表選手になる。平等といえばそうだが、選考方法としては欠陥も多く、たった1回のレースで好成績を残したとしても、本番でいい成績を残せるかというとマラソンの場合は、かなり否定的である。日本でも過去に一発レースで好成績をおさめた選手が本番では実力が発揮できず惨敗するケースが少なくない。そこで、勝つためにはと経験というか過去の実績の要素も加味した選抜となってくるが、それがもめ事の原因にもなっている。


古くは、1992年のバルセロナの女子3人目の代表選考で、91年の世界選手権4位の有森裕子と大阪女子国際マラソンで当時の日本最高を樹立し、2位となった松野明美の選考でマスコミで大騒動が起こったの覚えている人もいると思うが、結果的には有森さんが銀メダルを獲得し、選考は間違っていなかったというか、結果オーライに終わった。また、自分の経験でも、2004年のアテネオリンピックの女子マラソン代表3選手の選考にあたって、大騒動に巻き込まれた。代表選手としては、野口みずき、土佐礼子、坂本直子が選ばれたが、2000年のシドニーオリンピックの金メダリストで国民栄誉賞ももらった高橋尚子が選ばれなかったので、マスコミも含め、大騒動となった。選考レースで失速し、2位に終わったことで、実績はあっても選ばれなかったことに対し、発表当日、陸連事務局に抗議の電話が殺到し、火を付けに行くという強迫電話もあり、警察への警護を依頼したほどであった。結果的には野口選手が金メダルを取ったので、結果オーライであったが、惨敗に終わっていたら、マスコミや野次馬が大騒ぎしたことであろう。実績よりも選考レースの結果と記録に舵を切ったことになるが、正解だったと思われる。


過去の代表選考の大騒動を考えると、同じ条件で行う今回のMGC選考レースはすっきりしている。ここで負けたら諦めがつくというものであり、極めて平等でわかりやすい。マラソンレースはその都度、コースや気候・温度などの気象条件が異なるので、記録といっても単純には比較できない。過去も一つにレースの絞りたくても、大会を運営するスポンサー、放映テレビ局が異なるので、統一化は困難で、実行することができなかった経緯があるが、今回、その問題をどうやってクリアしたのであろうか?日本人は、マラソンが好きなので、本番のオリンピックも注目されることになろう。

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