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アザミみたいなジョウ・パイ?

2022年10月13日 07時03分55秒 | キク科
2021.09.08撮影

冒頭画像の植物は、植物屋さんで、わたしが、Joe-Pye weed(Eutrochium)はどこ? と聞いたら、案内してくれたものです。

わたしは、当時は、Joe-Pye weed「ジョウ・パイ草」は、草丈が高く、夏の半ばや終わりから、秋にかけて、あるいは、秋を通して咲くキク科(Asteraceae)の植物である、ぐらいしか知らずに、買い求めに行ったのです。名前が Joe-Pye weed というひょうきんな名前、というのにも興味がありました。

ジョウ・パイ草は特別美しい花ではないと聞いていたけど、この見せてくれた植物は、花の部分がアザミ(薊 Cirsium)に似ていてきれいだなあ、と思いながら、購入しました。

それから、何年も何年も何年も、わたしは、これ、なんか違うような、とも思いながらも、このアザミみたいな花のは、ジョウ・パイ草の園芸種なのかも、と、むしろ、悦に入っていたのです。

その悦を砕いたのは、本物のジョウ・パイ草を見てしまった時。同じ植物屋さんで、抜きん出て草丈の高い植物を離れたところから見て、もしや、と思いながら駆け寄ってみると、それがジョウ・パイ草でした(以下の画像)。

その本物のジョウ・パイ草については、昨日(10月12日)書きました。

ジョウ・パイ草、って何?

2021.07.31撮影

では、うちの、アザミみたい、ジョウ・パイみたい、なのは一体、どなた? キク科(Asteraceae)であることはほぼ自明なので、アザミ(Cirsium)のあたりから調べ出しましたよ〜〜

本物のジョウ・パイ草がうちに来てから、今夏は3回目の夏。わたしは、ついに、非力であることを感じ、無知でい続けることに耐えきれなくなって、次のサイトにお世話になりました。

Pl@ntNet(画像+学名+英名)

その結果、うちのアザミみたい、ジョウ・パイみたい、は、Asteraceae(キク科)Vernonia(ヴァーノニア属)の植物であることが確定しました。そして、そのうちの、Vernonia gigantea「ヴァーノニア・ギガンテア」であろう、というところまで行きつきました。

2021.09.08撮影

上の画像の咲きかけの「花」を、横から見てみると、「花」の部分は、アザミに似ていますよね。次のリンク先の下の方の画像とお比べください。

アザミ属

この、「花」ひとつ、と見えるものは、キク科の特徴的な、多くの花が集まった頭花(頭状花)です。頭花を構成する小さい花を小花といいます。「ガク」に当たるものは、葉が変形してできたもので、総苞といいます。

この総苞が、キク科では、ウロコのような形になるものがあります。今日ご紹介の植物や、アザミ類、多年草のヤグルマギク(Centaurea montana)などが、そうです。「花」の比較的大きなヤグルマギクを例にして真横から見ると、はっきりとその「ウロコ」が見えます。

ヤグルマギクと言っても、多年草の

2021.05.30撮影

ヴァーノニア・ギガンテアの方でも、冒頭の画像を拡大して、見てみます。総苞がウロコ状になっています。

2021.09.08撮影

キク科の頭花は、ヒマワリ(Helianthus)などでは、外回りの「花弁」に見える舌状花と、中央の筒状花(管状花)で成りますが、アザミ類の場合は、筒状花だけで成ります。

昨日ご紹介した「茎がチューブのジョウ・パイ草」(Eutrochium fistulosum)、その親戚のフジバカマ(Eupatorium japonicum)、と同じように、今日の植物 Vernonia gigantea「ヴァーノニア・ギガンテア」も、筒状花だけからなり、かつ、メシベが花から大きく飛び出します。でも、前者ふたつは、メシベが糸のように大きく裂けますが、後者「ヴァーノニア・ギガンテア」は、メシベの柱頭のほんの先端だけが裂け、反り返ります。次の画像でお確かめください。

2021.09.08撮影

Vernonia という学名は、普通にラテン語読みをすれば「ウェルノニア」になるのですが、Vernonia が William Vernon「ウィリアム・ヴァーノン」というイギリス人の植物学者の名前にちなんでいるので、Vernonを英語読みして「ヴァーノン」、そこから、Vernonia は「ヴァーノニア」となります。

Vernonia には和名はないもようです。でも、ちょっと探索してみました。Wikipediaで、日本語版がないので、英語版から中文版へ飛びます。

Vernonia(英文+画像)
https://en.wikipedia.org/wiki/Vernonia

斑鸠菊属(Vernonia)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%96%91%E9%B8%A0%E8%8F%8A%E5%B1%9E

「品種」と書かれた下に、地域名が「北美洲(北アメリカ)」「非洲(アフリカ)」「亞洲(アジア)」「南美洲(南アメリカ)」と続いていますが、そのうち、「亞洲(アジア)」を見ると、夜香牛(Vernonia cinerea)というものが出ています。それを、何かが出てくることを期待しながら、調べてみます。

夜香牛(Vernonia cinerea)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E9%A6%99%E7%89%9B

そこに
>> 分布于印度(見於安得拉邦)、中南半岛、印度尼西亚、非洲、日本、台湾岛以及
>> 中国大陆的湖南、四川、福建、湖北、云南、浙江、广西、广东、江西等地
と書いてあります。

ここで、「日本」というのを見つけ、目がピコンと大きくなります。言語の選択を見てみると、ありがたいことに、日本語が出ています。そこをクリックします。すると、ムラサキムカシヨモギ(Vernonia cinerea、別名 Cyanthillium cinereum)に到達します。

ムラサキムカシヨモギ

>> ひょろひょろと伸び、紫色のヤグルマギクを小さくしたような花を付ける。

はて、ムカシヨモギというと、Erigeron のことではなかったか・・・ここでも花の名前が交錯しているのね。Erigeron については、またそのうちに調べてみましょう。Erigeron は、うちにもあるし。

ヒメジョオン(キク科ムカシヨモギ属 Erigeron annuus)


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