ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

David Coverdale の足跡を辿る 第8回  Lovehunter / Whitesnake 1979年発表

2023-08-27 16:05:06 | David Coverdale の足跡を辿る
まず、初期ホワイトスネイクのオリジナル・メンバーで重要な役割を果たしていたバーニー・マースデンが2023年8月24日に72才で逝去され、天国へと旅立ったことを事実として受け止め、ここでご冥福をお祈りいたします。
彼の作ったメロディや心に残るギター・ソロを私は忘れないでしょう。
私の青春とともにあった彼の数々の名演は、今後私の人生が続く限り、ともにあります。R.I.P.


さて、セカンドアルバム、「ラブ・ハンター」です。
前作に感じたアダルトなハード・ロック路線は維持しているものの、だいぶパープル時代の音に近づけてきたなって感じた作品です。
メンバーは前作と同じですが、レコーディング完了後は、ドラマーのデイヴ・ドウルが脱退し、イアン・ペイスが加入。6人のメンバーのうち3人がディープ・パープルとなりました。パープル時代は後から入ったデヴィッドがこのバンドではバンマスとなり、先輩たちを使うという立場に変わりました。
なんかバンドメンバーの下克上のような感じです。やはり、後輩でも売れそうな人物に集まってきちゃうという流れですね。

結局、このアルバムでも、彼らはブレイクはしなかったというのが当時の印象です。根強いパープル系のファンが支持していましたが、「ちょっと地味だなあ」というのが、一般ロック・ファンの空気だったと記憶しています。
イギリス本国でもそんな空気だったような。
彼らが、ステップアップするのは、「フール・フォア・ユア・ラヴィング」のヒットからですね。もうちょっと時間が必要でした。
でも、このアルバムには絶対的な名曲が3曲入っています。
その3曲を聴くだけでも、このアルバムには価値があると思います。

最初にご紹介したいのが、「 Walking In The Shadow Of The Blues」。
まずギターのリフが素晴らしい。二本のギターが分厚い音を作っていて、曲を盛り上げていきます。それに絡むジョンロードのオルガンが彩を加えているのもなかなかいい。
もちろん主役であるデヴィッドの男らしいヴォーカルがいい味を出しているのは間違いありません。特に低音が魅力。
ギター・ソロはバーニー・マースデン。難しいことはやってないのですが、実にメロディアスで起承転結のあるドラマティックなソロを構築しています。職人技ですね。

Whitesnake - Walking In The Shadow Of The Blues


次にご紹介するのが、アルバムタイトルソング「ラブ・ハンター」。
この曲で、デヴィッドは男の色気を押し出すセクシー・ヴォイスを連発してます。好き嫌いはあるでしょうけど、私は支持します。
確か、スライド・ギターはミッキー・ムーディかな。重要な役割ですね。
曲の展開も飽きさせない感じで、後半の盛り上げ方は実に見事。
コーラスもパープル時代にはなかったものです。

Whitesnake - Love Hunter



最後に、もう1曲紹介するのが神曲「Wish you well」。
ホワイトスネイクのライブが終わったあとに、会場に流れる短い曲です。
見事な余韻を残します。
ホントに短い曲なんですが、心にささりますね。ちょっとアメリカンなメロディかなぁ。
もっと長い曲にすればよかったのにと思いつつも、これはこれでいいかなとも思います。この「ラブ・ハンター」というアルバムを引き締める見事な名曲なのではないでしょうか?
歌詞が素敵です。
相手を思う気持ちが短い歌詞に凝縮していますね。
亡くなったバーニーに捧げたいし、ロックを好きなすべての人に捧げたい曲でもあります。
自分に贈られた曲と思ってもいいですね。

Whitesnake - We Wish You Well
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

David Coverdale の足跡を辿る 第7回 Whitesnakeの記念すべきファーストアルバム TROUBLE

2023-07-14 20:09:06 | David Coverdale の足跡を辿る
WHITESNAKE TROUBLE
 
1979年、ホワイトスネイクのデビュー・アルバム「Trouble」がリリースされる。
参加メンバーははDavidのほかはミッキー・ムーディ(G)、バーニー・マースデン(G)、ジョン・ロード(K)、ニール・マーレイ(B)、デイブ・ドウル(D)、ゲストキーボードとしてピート・ソーリー。 プロデューサーはマーティン・バーチ。

ジョン・ロードが加入して、パープルのような売れ線に走るかと思われたが、やはり渋めの作品となった。21世紀の現在、マニアックなファンには絶賛される作品であるが、発売当時のハード・ロック・ファンは戸惑った。やはりパープルの音を期待してしまったからだろう。デヴィッドはこの時期、大衆が期待する音より、自分のやりたいブルースの色合いが濃いハード・ロックをやりたいと強い意思をもっていた。その覚悟潔しである。
後年、派手な音を好むようになるとは本人もファンも思ってなかっただろう。

この作品、私は好きであるが、やはりコアなファン向けと言っておきたい。
全体的にまとまりがなく、勢いを感じない作品である。
でも、聴きどころがある作品で、タイプの違う4曲を紹介したい。


まず、上に紹介した曲はアルバム・タイトル曲。味のある曲であり、デヴィッドの男の色気が十分伝わってくる。シンプルなのだが、じわーっと来る良さがある。ギター・ソロも素晴らしい。



Whitesnake - Lie Down (A Modern Love Song)  
この曲「 Lie Down (A Modern Love Song)」はノリが良くてご機嫌なナンバー。ライブで映えそうな曲。バーニー・マースデンのセカンド・ヴォーカルも盛り上がる。




Whitesnake - The Time Is Right For Love
「 The Time Is Right For Love」は、ギターのバーニー・マースデンの好みが強く反映されている。彼のソロ作品に近い音作りだ。AOR風味が個人的に気持ちいいと感じる。




Whitesnake - Belgian Tom's Hat Trick

「Belgian Tom's Hat Trick」は何とインスト。よくデヴィッドが許したものだ。ツイン・ギターが気持ちいい。ジョン・ロードのキーボードも軽快ですごく楽しそう。演奏力の高さを感じる曲。 コージー・パウエルのソロ作品にも通じるハード・ロッカーのご機嫌なインスト・ナンバー。



コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

David Coverdale の足跡を辿る 第6回 Whitesnake スタート

2023-06-11 16:21:02 | David Coverdale の足跡を辿る
Whitesnake - Come On (Official Music Video)

1978年、DAVIDはついに、バンド「ホワイトスネイク」をスタートさせます。最初の作品は4曲入りのEP。
バンド名は当初は「DAVID COVERDALE'S WHITESNAKE」で、リッチー・ブラックモアが当初、ブラックモアズ・レインボーとしていたのと似てますね。
まあ、ソロ・プロジェクトの要素が強いバンドという意思を感じます。
メンバーはミッキー・ムーディ(G)、バーニー・マースデン(G)、ニール・マーレイ(B)、デイブ・ドウル(D)、ゲストキーボードとしてピート・ソーリー。
この「カム・オン」はまさに、初期のホワイト・スネイクの魅力が凝縮されたような1曲。音質が良くないし、なんかアレンジが詰まっていない感じはするけど、ポップな味わいのあるブルース・フィーリングあるハード・ロック。シンプルだけど飽きがきません。

このEPには、ライブでファンとの掛け合いが有名な「AIN'T NO LOVE IN THE HEART OF CITY」が収録されいることも重要。この曲は1974年のボビー・ブランドの作品がオリジナルだけど、全く違う曲に仕上がっています。
何となく、軽いオリジナルに比べ、かなりしっとり、じっくり聞かせる曲となっていますね。聴き比べてみると面白いです。

Whitesnake - Ain't No Love in the Heart of the City (Official Music Video)  

Bobby "Blue" Bland - Ain't No Love In The Heart Of The City  


初期のホワイトスネイクって、最近では絶賛されることが多いのですが、リアルタイム時は地味で人気ありませんでしたね。やはり、パープルやレインボーの派手な音と比較してしまう傾向があったのでしょう。
前回も書きましたが、若い時のDAVIDは渋さを追求してましたね。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

David Coverdale の足跡を辿る 第5回 ソロアルバム「North Winds」

2023-06-03 16:51:04 | David Coverdale の足跡を辿る
David Coverdale-Time And Again (1978)  

久々にこの特集を再開します。
1978年発表のセカンド・ソロ・アルバム「North Winds」です。邦題は何故か「嵐の叫び」(笑)。
バラエティ豊かなアルバムに仕上がっています。
プロデュースは元パープルのRoger Gloverで
演奏メンバーは Micky Moody(g),Tony Newman(d),Alan Spenner(b),
Tim Hinkley(key)。

最初に取り上げたのが4曲目「Time and again」。まるでAORのこの曲。けっこういいんですよ。
味があり、ちょっとボズ・スキャッグスがはいっているかな?

Shame On The Devil - David Coverdale  
ボーナストラックの1曲目「Shame On The Devil 」。
ファンキーで面白いです。Jガイルズバンドあたりを意識したかな?ホワイトスネイクでは絶対ないタイプの曲ですね。


David Coverdale - Sweet Mistreater
ボーナストラックの2曲目  「Sweet Mistreater」はとても軽くてポップな曲。
このアレンジの強さには驚いてしまいます。いろんな曲にチャレンジしていた時代だったんですね。必ずしもブルージー路線にはこだわっていなかった時期なのかもしれません。

ソロ2作を振り返ってみると、彼は売れることにこだわらず、やりたい音楽を楽しむという姿勢だったのだと思います。
パープルで大金を手にして、スターになった彼は、レコード会社の思惑通りの音楽を作るのが嫌になったのでしょう。

しかしながら、ソロ2作で遊んだ?彼はバンド活動をスタートすることにします。でも、あえてパープルの様な派手系のサウンドを拒否し、大人向けの渋めのブルース系ハードロックで勝負しようとしたんですね。まあ、ちょっと大人ぶってみたかったのでしょうか?若いのに渋さを強調したくなるのはよくあることで・・・(その反動で、年取ってから派手系に転じます。)
で、次回からこの特集はWhitesnake時代に突入します。
地味ながら、ブルージー・ハードロックにまい進していたWhitesnake時代の初期をじっくり味わっていきたいと思います。

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

David Coverdale の足跡を辿る 第4回 ソロアルバム「White Snake」

2022-10-15 20:39:12 | David Coverdale の足跡を辿る
David Coverdale - Lady

さて、誰でも知っているディープ・パープル時代の話をサクッと終えて、本題です。

このあたりの作品は歴史に埋もれているんですよね。
初めてのソロアルバム「White Snake」は1977年発表。
当時、私は高校生で、ディープ・パープルのファンであって、周りのバンド仲間もディープ・パープル好きでいっぱいでしたけど、この作品については、みんながっかりしていたことを記憶しています。実際、売れなかったと思うし、評判もよくなかったですよね。今でこそ、マニアから「素晴らしい作品!」「玄人受けするブルージーな大人のロック!」なんて絶賛されていますが、当時は「ディープ・パープルの音楽からかけ離れた地味な作品」というイメージでした。実際、私もラジオで聞いてがっかりしました。ディープ・パープルの派手な音とは全然違う趣味的な作品だったからです。

このアルバムはどういうわけか、元ディープ・パープルのロジャー・グローヴァーがプロデューサーで、ドラムが名手サイモン・フィリップスです。実は同じ1977年に発表されたJudas Priestの傑作「Sin after Sin」も同じ組み合わせなんですよね。レコード会社が斡旋したんでしょうかね?

この作品を一言で言うなら、趣味丸出しのブルージーなロック・アルバムということでしょうか?当時20代だったDavid は アメリカン・ロックが好きだったようで、商業主義的なディープ・パープルとは180度違った音楽を作ってしまいました。まあ、成功したんだから、ファンが期待する作品ではなく、自分の好きな音楽をやろうと開き直ったのかなあ。その後60才を過ぎて、派手派手なロックをやるとはこの時は想像もしなかったでしょう。20代の彼は渋いロックに憧れてたのですね。

最初に紹介した「Lady」は1曲目ですが、スライド・ギターに、ブラス・セクション、そして、女性コーラス!サザン・ロックかと思うようなレイドバックした大人のロックンロールでした。おいおい、ブリティッシュ・ハード・ロックはどこに行ったんだ?と思うファンが多かったかなあ?
でも、ディープ・パープルという前提がなければ、なかなかいい曲です。当時はファンはついていけなかったというのが事実ですね。

次に紹介するのはこの曲。「Goldies Place 」。

David Coverdale/Whitesnake-Goldies Place (1977)

まるで、リトル・フィートかスティーリー・ダンを思い起こすAOR的なアメリカン・ロック風の1曲。今では考えられませんね。
なかなか新鮮です。渋いけどかっこいい。

最後にもう1曲。「Hole In The Sky」。

David Coverdale/Whitesnake-Hole In The Sky (1977)

David の声を生かしたしっとりしたバラードですね。
やはり、彼の才能はこうした曲で発揮されますね。

ご紹介した3曲以外も様々な顔を見せています。
実にヴァラエティに富んだアルバムです。ちょっと渋いけど。
聴きこむほど味が出るアルバムかもしれません。

とにかく、ディープ・パープルの商業主義から離れて、自分の好きな音楽とは何かと考えて作った1stソロアルバムなんだと思います。

そして、このアルバムのタイトルが後の自分のバンドの名前になるんですね。
Whitesnakeとは男性自身を指すことばと言われていますがどうでしょうか?

次回はソロアルバム2作目を取り上げます。

追記
このファーストソロアルバムのバッキングは
ギターが、ホワイトスネイクで長い付き合いとなるMicky Moody で、
ドラムスが、スーパー・セッション・ドラマーのSimon Phillips
キーボードがTim Hinckley
ベースが De Lisle Harper
そして、女性コーラスとホーンセクションです。
プロデューサーはRoger Gloverですね。

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする