ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

David Coverdale の足跡を辿る 第4回 ソロアルバム「White Snake」

2022-10-15 20:39:12 | David Coverdale の足跡を辿る
David Coverdale - Lady

さて、誰でも知っているディープ・パープル時代の話をサクッと終えて、本題です。

このあたりの作品は歴史に埋もれているんですよね。
初めてのソロアルバム「White Snake」は1977年発表。
当時、私は高校生で、ディープ・パープルのファンであって、周りのバンド仲間もディープ・パープル好きでいっぱいでしたけど、この作品については、みんながっかりしていたことを記憶しています。実際、売れなかったと思うし、評判もよくなかったですよね。今でこそ、マニアから「素晴らしい作品!」「玄人受けするブルージーな大人のロック!」なんて絶賛されていますが、当時は「ディープ・パープルの音楽からかけ離れた地味な作品」というイメージでした。実際、私もラジオで聞いてがっかりしました。ディープ・パープルの派手な音とは全然違う趣味的な作品だったからです。

このアルバムはどういうわけか、元ディープ・パープルのロジャー・グローヴァーがプロデューサーで、ドラムが名手サイモン・フィリップスです。実は同じ1977年に発表されたJudas Priestの傑作「Sin after Sin」も同じ組み合わせなんですよね。レコード会社が斡旋したんでしょうかね?

この作品を一言で言うなら、趣味丸出しのブルージーなロック・アルバムということでしょうか?当時20代だったDavid は アメリカン・ロックが好きだったようで、商業主義的なディープ・パープルとは180度違った音楽を作ってしまいました。まあ、成功したんだから、ファンが期待する作品ではなく、自分の好きな音楽をやろうと開き直ったのかなあ。その後60才を過ぎて、派手派手なロックをやるとはこの時は想像もしなかったでしょう。20代の彼は渋いロックに憧れてたのですね。

最初に紹介した「Lady」は1曲目ですが、スライド・ギターに、ブラス・セクション、そして、女性コーラス!サザン・ロックかと思うようなレイドバックした大人のロックンロールでした。おいおい、ブリティッシュ・ハード・ロックはどこに行ったんだ?と思うファンが多かったかなあ?
でも、ディープ・パープルという前提がなければ、なかなかいい曲です。当時はファンはついていけなかったというのが事実ですね。

次に紹介するのはこの曲。「Goldies Place 」。

David Coverdale/Whitesnake-Goldies Place (1977)

まるで、リトル・フィートかスティーリー・ダンを思い起こすAOR的なアメリカン・ロック風の1曲。今では考えられませんね。
なかなか新鮮です。渋いけどかっこいい。

最後にもう1曲。「Hole In The Sky」。

David Coverdale/Whitesnake-Hole In The Sky (1977)

David の声を生かしたしっとりしたバラードですね。
やはり、彼の才能はこうした曲で発揮されますね。

ご紹介した3曲以外も様々な顔を見せています。
実にヴァラエティに富んだアルバムです。ちょっと渋いけど。
聴きこむほど味が出るアルバムかもしれません。

とにかく、ディープ・パープルの商業主義から離れて、自分の好きな音楽とは何かと考えて作った1stソロアルバムなんだと思います。

そして、このアルバムのタイトルが後の自分のバンドの名前になるんですね。
Whitesnakeとは男性自身を指すことばと言われていますがどうでしょうか?

次回はソロアルバム2作目を取り上げます。

追記
このファーストソロアルバムのバッキングは
ギターが、ホワイトスネイクで長い付き合いとなるMicky Moody で、
ドラムスが、スーパー・セッション・ドラマーのSimon Phillips
キーボードがTim Hinckley
ベースが De Lisle Harper
そして、女性コーラスとホーンセクションです。
プロデューサーはRoger Gloverですね。


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6 コメント

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これは意外・・・ (240)
2022-10-16 06:59:01
おはようございます。
ホワイトスネイク、特に初期ホワイトスネイクは大好きです。ただデビカバのソロはジャケは認識していても、中身はスルーしておりました。
「Lady」はともかくとして、「Goldies Place」なんかは全く意外な音ですね。確かに初期のスティーリーダンっぽいけど、どこか湿り気のあるところはブリティッシュらしい(笑)。
最後のバラードもいい曲。
これはチェックしないと…。
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240さんへ (ミュウ)
2022-10-16 12:23:57
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね。
この時期のDavid は自由でしたね。
いろんな曲にチャレンジしようとしてたのかもしれません。
また、ハード・ロック大好きな若者向けをあえて避けて、大人向けの音楽をやりたかったのかな?
なかなかいい作品ですよ。
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Unknown (blackmore1207)
2022-10-17 16:47:32
こんばんは。
これはデヴィッドカヴァディール名義のファーストソロアルバムでyoutubeなどで初めて聴きました。
全体的にホーンセクション・女性コーラスを配していたりとメタル的な要素は皆無ですね。
ブラスが導入されたカントリー/スワンプ色の濃厚なロック・ナンバーが多いように感じます。
「Hole In The Sky」はいい曲だと思います。
一曲ビートルズぽいのもあり、個人的には楽しめました。
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blackmore1207さんへ (ミュウ)
2022-10-17 21:28:30
こんばんは。
コメントありがとうございます。
発売当時は全然評判になりませんでした。
davidは商業主義に嫌気を持ち、徹底的に玄人好みの作品を作ったのかな?って思います。
長い彼の歴史の中でみると、必要な作品だと感じます。
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Unknown (ハリジョージスン)
2022-10-18 11:43:59
このアルバム、リリース時に見てジャケットも覚えてますが、音は聴いたことありませんでした。アップされてる3曲聴きました。当時、Purpleファンが「?」となったのが解ります。女性コーラスが入ってる時点で「?」ですもんね。
「Lady」完全にサザンロックですね~。レイナードスキナードが、やっててもおかしくない。「Goldies Place」リトルフィートのアレンジ、ボーカルに寄せてますね。ローウェル・ジョージのボーカルスタイルを真似てます。 「Hole in the sky」これは特にイイですね。グレッグ・オールマンのソロにも、こういうスタイルの曲があります。また野太い声がグレッグの声質に似てますね。サザンロック系にフィットする声かもしれません。
アップされてる3曲は、いずれも好みのサウンドです。その他の曲にも興味が沸くアルバムになりそうです。
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ハリジョージスンさんへ (ミュウ)
2022-10-18 21:03:03
こんばんは。コメントありがとうございます。
今の時代になれば、当時のロック界を俯瞰して眺めることができるわけでして、このアルバムの良さも安心して分析できますが、
当時はあのディープ・パープルのヴォーカルのソロということで、それなりに期待した人がいっぱいいて、肩透かしをみんな食いました。
おっしゃるとおり、アメリカっぽい、大人のロックをやってみたかったのかもしれませんね。
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