Loudness - LOUDNESS
70年代、ディープ・パープルとレッド・ツェッペリンが日本の若者を夢中にさせたのは事実だった。
そして、日本ではたくさんのハード・ロック・バンドが生まれたのだが、当時、どのバンドを聴いても、感じたのは
「ヴォーカルの力が弱い!これじゃ世界に通じない!」というものだった。
ギターはそれなりに上手いギタリストは多かったと記憶している。
特に「バウワウ」の山本恭二のテクニックは群を抜いていて、すごいとは思ったものの、彼のヴォーカルはやはり物足りなかった。
ハードなギター・サウンドを突き抜けるような鋼鉄の声を出せるヴォーカリストが日本に出てくることはないのか?
多くの日本のロック・ファンが期待していたと思う。
そして、満を持してデビューしたのが、アイドル・バンド「レイジー」を母体にした「ラウドネス」だ。1981年のことだった。
二井原実の声は、ラッシュのゲディ・リーを思わせる高音で、今までの日本人ヴォーカリストになかったもの。
日本語歌詞でのデビューだったが、「ついにこの時が来たんだ。」とちょっと感動した。
曲の構成、演奏力もまさに世界レベル。後に、彼らが全米デビューするのは約束されていたようなものだった。
40年近くたったいまでも、この曲の凄みを感じる。
日本のロックの最高峰ここにありである。