We'll Never Have To Say Goodbye Again | Deardorff & Joseph
ディアドルフ&ジョセフ。1976年に1枚だけアルバムを発表したのだが、印象的なデュオなので紹介いたします。
この時期って、まさにデュオ・グループ花盛り。S&Gのようなコンビがいろいろ登場していました。
でも長続きしないパターンが多くて、このコンビも1枚だけでしたね。
ハイトーンでスティックスのデニス・デ・ヤングを思い起こしてしまうダニー・ディアドルフといかにも西海岸にいそうな甘い声の持ち主マーカス・ジョセフの組み合わせはちょっと理想的な感じがします。実際、こうして聴くと、素晴らしい。実に耳に優しく、心地よい。
このアルバム、スティーブ・ルカサー除きのTOTOのメンバーが参加しているので、AORの走りというかプレAORとも呼ばれていますが、単純に「爽やかなアメリカン・ポップス」です。バックのサウンドはそんなに凝ったことをしていません。演奏の上手い人が、典型的なアメリカン・ポップスを忠実に作っているというイメージがします。あくまで、二人の声がメインの作品ですね。二人の声を楽しむのが第一です。
さて、この曲「We'll Never Have To Say Goodbye Again」はジェフリー・コマナーの作品です。何と、ジェフリーはこのアルバムと同じ1976年に自身のサード・アルバムで発表しています。オリジナル作品とカヴァー作品が同じ年に発表されるというのはちょっと面白いですね。
Jeffrey Comanor - We'll Never Have To Say Goodbye Again
どうでしょうか?作者が歌っている方はちょっと粘っこい感じで、クセがあるかな?でも、こちらの方が、印象が強いかも。
この曲はディアドルフ&ジョセフが1977年にシングル・カットしていて、全米チャート109位になったんですが、何とさらにその3年後にイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーがカヴァーして、全米9位となっています。
We'll Never Have to Say Goodbye Again - England Dan & John Ford Coley
時代が後というのがよくわかります。見事にAORに変化しています。アレンジや録音状態がすごくおしゃれです。ヒットしたのがわかります。
みなさんは、どのヴァージョンが好みでしょうか?私は、ディアドルフ&ジョセフのヴァージョンが好きなんですよね。オリジナルがいいと言う人もけっこういそうです。
さて、最後にもう一曲紹介します。
Deardorff And Joseph - Sentimental Lady
そう、1977年にボブ・ウエルチが歌って大ヒットした曲を1年前に発表してたんですね。これは驚きです。
この曲はボブ・ウエルチの作品で、1972年にフリートウッド・マックの作品で発表したのがオリジナル。それをセルフ・カバーしてヒットさせたのですが、まさか、その前にカヴァーしていたとは!
次回はディアドルフとジョセフのソロ作品を取り上げたいと思います。これもなかなかいいですよ。