奈良の名所・古跡

行ってみたい所があるといいのですが・・・古墳とか建物とか巨樹とかいろいろ・・・

向淵さっかの古墳

2014年02月02日 | 古墳
向淵さっかの古墳奥壁
 奥壁と側壁の一部が残っています 撮影日;2014.01.11

 戒場岳から東へのびる丘陵尾根と斜面を利用して築かれています
 封土は流失していて、墳形は不明(径15mほどの円墳でしょうか?)

 石室は乱掘破壊され、付近に石材が散乱しています
 南に開口する横穴式石室のようです
 奥壁の高さ2.2m、幅1.4mほど
 右側壁が1.2mほど残っています
 石室の長さは不明
 石室の残存部分は榛原石が使われているようです

向淵さっかの古墳 向淵さっかの古墳側壁

 西方の尾根上にも石ガ散乱していますが、古墳ではないようです 
 全く道が無く、たどり着くにはGPSが必要です
 尾根沿いに有るので、近くまでたどり着ければすぐに見つかります

向淵さっかの古墳墳丘 向淵さっかの古墳石材 

★所在地;宇陀市室生向淵・榛原戒場 (N:34.33.45、W:135.59.30)
★交通;近鉄榛原駅より バスで「向渕」下車 徒歩45分
★駐車場;なし
★見学; 自己責任でお願いします
★問合せ;
 

 私は、堀越神社のある竜王ヶ渕(P有り)から、東を通る山道を南へ行って
 さっかの古墳のある尾根を探して登って行きました
 竜王ヶ渕から直接南へ登っても(かなりの急斜面覚悟なら)たどり着けるかな?


向淵いなべ2号墳

2014年02月01日 | 古墳
向淵いなべ2号墳玄室
 奥壁側も開口しています 撮影日;2014.01.11 

 1号墳から30mほど尾根を下ると2号墳です
 墳丘封土は流失していて、大きさは不明

 南に開口する横穴式石室が有ります
 羨道部は幅1.2mほど(現状高さ0.6m)で、入室できます
 僅かですが右片袖式
 玄室長3mほど
 土砂が流入していて高さは不明です

向淵いなべ2号墳開口部 向淵いなべ2号墳奥開口部

 石室は自然石の乱積み
 1号墳より大き目の石が使われています
 持ち送りが見られ、天井部の幅は90cmほどしか有りません
 奥の天井石が抜かれ(落下?)ていて奥壁の上部も開口しています

向淵いなべ2号墳羨道 向淵いなべ2号墳内

★所在地;宇陀市室生向渕(いなべ)(N:34.34.53、W:135.59.13)
★交通;近鉄室生口大野駅より バスで「無山」下車 徒歩15分
★駐車場;なし
★見学;自己責任でお願いします
★問合せ;


向淵いなべ1号墳

2014年01月31日 | 古墳
向淵いなべ1号墳
 封土は流失していて、石室が露出しています 撮影日;2014.01.11

 径18mほどの円墳「103-1」です
 天井石は3枚だったようですが、かなり崩壊が進んでいて中央の1枚が落ち込んでいます
 そこから入室できます
 羨道部は開口していますが、ほぼ破壊されています

向淵いなべ1号墳奥壁 向淵いなべ1号墳玄室

 横穴式石室の全長は4.6m
 幅1.5mほどで、現状の高さ1.2mほど
 かなり土砂が流入しています

 須恵器・土師器・鉄刀・刀子・鉄鏃・鉄釘・金環・銅環などが出土
 6世紀後半の築造と推定されています 

向淵いなべ1号墳開口部 向淵いなべ古墳石材?

 向淵いなべ古墳は3基あるそうで、古墳群を形成しています
 1号墳からすぐ下に、2号墳が開口しています

 1号墳から少し登った所には、大きな石材がいくつも露出している場所が有ります
 古墳かどうかは不明です

★所在地;宇陀市室生向渕(いなべ)
★交通;近鉄室生口大野駅より バスで「無山」下車 徒歩15分
★駐車場;なし
★見学;自己責任でお願いします
★問合せ;


 行き方がわかりづらいと思います
 丘陵の東側は柵が廻っていて進入不能です
向淵いなべ古墳へ道 三叉路 獣仕掛け
 丘陵の少し西に、上っていくコンクリートの道が有ります
 しばらく登っていくと三叉路に出ます
 右手の広場に入っていくと、獣捕獲用の仕掛け(檻)が有ります
 そこから急斜面を南東に下りていきます
 (かなり危険をともなう場所なので、一人で行くのはやめた方がよいと思います)
 すぐに右手に露出した岩が見えます
 さらに下っていくと1号墳、さらに下に2号墳が有ります

無山丸山古墳

2014年01月30日 | 古墳
無山丸山古墳開口部
 杣坂古墳とも称されます 撮影日;2014.01.04

 丘陵南端部の斜面に築かれ、封土は流失し横穴式石室が露出しています

 片袖式の横穴式石室で、全長4.1m
 内部は土砂が流入していて、高さは不明(現高1.2mほど)
 奥壁面下部の幅1.5m・上部で1.24m、少し持ち送りが見られる

 羨道部は一部破壊され、短くなっています
 幅1.2m・高さ40cmほど(入室可能です) 

無山丸山古墳奥壁 無山丸山古墳天井石

 側壁の上部の石がいくつか抜かれていて、玄室内は懐中電灯なしでも見学可能です
 墳丘は笹薮に覆われ、とても見つけにくくなっています
 一見しても、古墳が有るようには見えません

無山丸山古墳袖部 無山丸山古墳墳丘

 この辺りは、山を切り開いて住宅地として整備する予定だったのでしょうか?
 とても静かな場所なので、別荘地でしょうか?
 建てられている家も無人のようで、かなり荒れ果てた場所です

★所在地;宇陀市室生無山(N:34.35.07、E:135.59.07)
★交通;名阪国道「針IC」より5.2km
★駐車場;無し
★見学;自己責任でお願いします
★問合せ;


松岳山古墳

2014年01月27日 | 古墳
松岳山古墳頂
 国分神社の裏山に在る古墳です 撮影日;2014.01.05

 全長130mの古墳時代前期の前方後円墳です
 前方部を南西に向け、後円部3段・前方部2段に築造されています
 後円部の径72m・高さ16m、前方部の幅32m・高さ6.5m 

 後円部中央には竪穴式石室が築かれ、内部に長持形石棺に先行する形式の組合式石棺が納められていました
 石室は墳丘上に安山岩の板石を積み上げて築かれています

松岳山古墳 松岳山古墳後円部

 石棺の南北の両端近くに、高さ1.8m~2.3m、幅1.4mの立石が置かれています
 その正確な用途は未詳

 石棺は地面を浅く掘りんで置かれています
 内側の長さ2.5m、北端の幅1.09m、南端幅、0.87m 高さ0.7m~0.75m
 石棺の蓋石の南端と側石の南北両端には縄突起が付いています
 南北の外側に副室が設けられているそうです
 石材には花崗岩と香川県の鷲の山石が使われているそうです

 円筒埴輪列が確認されており、鰭付楕円型円筒埴輪や朝顔形円筒埴輪も見られる
 昭和32年の調査では、硬玉製勾玉1、碧玉製勾玉7以上、同丸玉1、ガラス製小玉17、碧玉製石釧27以上、同鍬形石1、銅鏡片2、鉄鏃1、銅鏃3、鉄刀、鉄剣多数 鉄鏃7 鉄鎌片6、土師器などが出土しています

松岳山古墳石棺 松岳山古墳石棺内

 築造は、4世紀後半と推定されています
 国の史跡に指定されています 

 国宝の銅製船氏王後墓誌(三井記念美術館蔵)はこの古墳から出土したと伝えられています

★所在地;柏原市国分市場1丁目
★交通;JR高井田駅下車 徒歩15分
★駐車場;有ります
★見学;社務所に申し出たほうがよいです
★問合せ;


平尾山古墳群「安堂第6支群3号墳」

2014年01月26日 | 古墳
安堂第6支群3号墳の石室
 住宅地の高井田1号公園脇に移築保存されています 撮影日;2014.01.05

 西南西230mほどの所に有りましたが、住宅地造成の為現在の場所に石室のみ移築されました
 径23mほどの円墳で、斜面を削りだした平坦地に、版築という工法で築かれていました
 石室は岩屋山式石室で、最も大きな石は15トンほど有ったそうです
 玄室の床には凝灰岩の板石が16枚敷かれ、石棺が置かれていたようです
 周りには礫石が敷かれています
 築造は終末期の7世紀終わりごろと推定されています
 1985年に発掘調査されています 

移築安堂第6支群3号墳
★所在地:柏原市高井田1586
★交通;JR高井田駅下車 徒歩10分
★駐車場;なし
★見学;見学自由
★問合せ;072-976-3430(柏原市教育委員会 生涯学習部 文化財課)


平尾山古墳群「第67支群2号墳」

2014年01月25日 | 古墳
平尾山古墳群「第67支群2号墳」
 山道を進んでいくと、突然大きな岩が眼に飛び込んできます 撮影日;2014.01.05 

 斜面に立地した横口式石槨墳です(N:34.34.25、W:135.38.46)
 封土は流失していて、殆ど石室が露出しています
 玄室部はかなり崩壊し側壁は右で2枚、左で1枚
 天井石も1枚しか残っていません
 奥に石槨が見えている
 内部は半分ほど埋まっていますが凹字型の石の上に蓋石を乗せて四角い空間を作っています
 蓋石をはめ込む溝がついています

横口式石槨 横口式石槨内

 山道の傍らにいくつか崩壊した石室が有ります

第67支群2号墳 崩壊した古墳

 さらに山道を進んでいくと、道の傍らに露出した石室を見ることができます(N:34.35.33、W:135.38.50)
 石室内に入室可能です
 石室全長は目測で約6m、幅1.5m、高さ1.5mほど

平尾山古墳の一基 山道の傍らにある開口部

袖部 奥壁

 さらに進んでいくと、斜面にブドウ畑が広がる場所に出ます
 斜面の上部にかなり大きな露出した石室が見えます
 このブドウ畑の中に、いくつか石室が在るようです

平尾山古墳群
★所在地;柏原市高井田
★交通;JR高井田駅下車 徒歩25分
★駐車場;
★見学;見学自由
★問合せ;


高井田山古墳

2014年01月24日 | 古墳
高井田山古墳石室
 平尾山古墳群の高井田支群第2支群56号墳です 撮影日;2014.01.05

 盛土の大半が流失しており、前方後円墳の可能性も有りますが、径22mの円墳と推定されています

 発掘された横穴式石室が覆屋を架けて保存展示されています
 扁平な板石を積み上げて築かれた片袖式横穴式石室です
 玄室の規模は、長さ3.73m、幅は奥壁部2.34m・玄門部2.26m
 高さは奥壁の残存部で約1.3m
 羨道部は長さ約2.0m、幅は玄門部1.18m

高井田山古墳 高井田山古墳墳丘

 石室内からは円筒埴輪や朝顔形埴輪、蓋形埴輪が合わせて9個体分出土
 玄室には2つの棺が置かれていたようです
 中央に置かれた棺の位置から純金製耳環1個、鉄刀1口が検出
 東側壁側に置かれた棺からは、神人龍虎画像鏡1面(中国鏡 直径20.6cm)、熨斗1口、純金製耳環2個、鉄刀1口、刀子2口、ガラス玉が5群に分かれて検出
 他に、槍・矛・鉄鏃多数・横矧板鋲留衝角付冑・頸甲・肩甲・小札・馬具である鐙の破片・具・鎌・釶・刀子・金銅片・須恵器多数・土師器などが出土 

 出土品は2008年に一括して柏原市指定有形文化財に指定されている
 築造は480~490年頃と推定されました
 平尾山古墳群や高井田横穴墓群より半世紀近くも先行する時期の古墳です

★所在地;柏原市高井田(史跡高井田横穴公園内)
★交通;JR高井田駅下車 徒歩10分
★駐車場;有ります(7台程度)
★見学;見学自由
★問合せ;072-976-3430(柏原市教育委員会 生涯学習部 文化財課)


高井田山古墳石室内遺物

弥宮池西1号墳

2014年01月19日 | 古墳
弥宮池西1号墳
 以前から墳丘の半分が崩れ落ちて、斜面から石棺が露出していました

 石棺は凝灰岩をくり抜いた構造で、長さ約1m・幅約50cm・高さ約40cmの小型の棺です
 横穴式石室の一部も確認され、石棺を横穴式石室に納めた構造が明らかになりました
 石棺は内側に朱が塗られていました
 町教委は「地域の豪族に仕えた官僚の墓ではないか」と話しています
 過去の調査で、石棺内部には人骨の一部があることが確認されています

弥宮池西1号墳南面 弥宮池西1号墳石棺1

弥宮池西1号墳露出石棺 弥宮池西1号石棺2 弥宮池西1号骨
 画像は葛城市歴史博物館のパネルより(2013.06.23撮影)

 弥宮池西1号墳は径約18m・高さ約3mの円墳です
 6世紀後半~7世紀初めの築造と考えられています

 調査後に転落防止の為埋め戻されています

弥宮池西1号墳現状
 行ってみました(2013.12.29) ↑↑ 現在の状況です

 弥宮池から、急な山道を西南西に昇っていくこと約15分
 弥宮池西1号墳↓墳丘に到着
弥宮池西1号墳丘 弥宮池西2号墳石材
 1号墳の崩れた斜面の反対(南)側に2号墳の石材↑ 

★所在地;葛城市太田
★交通;近鉄「磐城駅」駅より バスで「葛城消防署」下車 徒歩40分
★駐車場;なし
★問合せ;

弥宮池西古墳群位置図
 1号墳の50m程先に3号墳が有ります
 石材が数個転がっているだけです
弥宮池西3号墳 弥宮池西3号墳石材

 弥宮池の南東の小さな公園前に↓登山口が有ります
弥宮池西古墳登山道入口 弥宮池西古墳手前の木
 ほとんど道なりに昇っていくと、根元が曲がった木↑が有ります
 この木が見えたら直ぐです

神明神社裏山古墳

2014年01月17日 | 古墳
神明神社裏山古墳後円部
 文字通り神明神社の裏山にある古墳です 撮影日;2013.12.29

 全長45m、後円部径28mの中型の前方後円墳です
 前方部をほぼ西に向けています
 前方部はやや崩れていますが、後円部は比較的保たれているようです

 後円部南側に横穴式石室が在ったようです
 石材抜痕穴があるとのことですが、どこか分からず
 築造は7世紀後半

神明神社裏山古墳遠景 神明神社

 南東側に墳丘を接して径10m程の円墳「13C-4」が有ります
 南に開口する横穴式石室が在ったようで、大きな盗掘坑が有ります

★所在地;葛城市太田83(神明神社
★交通;近鉄「磐城」駅より バスで「如意」下車 徒歩3分
★駐車場;有りません
★見学;見学自由
★問合せ;

 400mほど北に芝塚古墳が有ります
 西には平林古墳、南には弥宮池古墳群や太田古墳群が有ります