タイ武者修行の旅の準備が整いました。これが日本最後の練習です。今回はKFC門下生のお笑い芸人、SMA所属のTWOトップ(http://www.heet-project.com/profile/twotop/index.html)のヒロも参加しました。(顔が命の芸人なのにスパーの時ハイキック入れちゃってごめんね。筋肉痛だいじょうぶか?)
最後の練習では、ボディブローを織り交ぜたコンビネーションを重点的に練習しました。もし、タイの地で欧米列強の大型ファイター達と拳を合わせることになった時、突破口としてボディー攻撃は欠かせないからです。まず顔面への右ストーレート。この時少し体の軸を左に傾け、左手を下げて(通常は顔面ガードします。)次のボディー攻撃にすぐ移れる体制を整えておきます。右を打ち終わると同時に左ボディーへ。素早い踏み込みと瞬時に腰を深く沈めて踏んばる足腰の強さが要求されます。
インファイト(接近戦)を挑んだかと思えば、ティープ(前蹴り)で相手を突き放し距離を取って体制と呼吸を整えます。
そしてまた鋭く踏み込んでインファイト。打つ際はカウンターを取られないよう、しっかり顔面をガードします。得意の左レバーブローです。ハンドスピードの速さ、そして『頑打夢』装備の上からでもかなり効くらしいその威力を亀仙人から褒められました。
最後に確認したのはこのコンビネーション、右のダブルです。往年のマイク・タイソンが得意とした、右のボディーフックからの右アッパーです。この後、相手が近ければ左フックを、遠ければ左ロシアンフックでダメ押しのトドメを刺します。
戦闘準備は整いました。後はタイで、亀仙人とやってきたことがどれだけ通用するか、特に欧米列強と闘う機会があればやってみます。今回もどんなファイター達との出会いがあるかわかりませんが、男同士拳を交えた後は、きっとまたいい友達になることができると思います。そして何よりも今回の主目的、ムエタイ最高奥義である首相撲の習得に励みます。一週間しかないから、とにかく首相撲を最優先でたくさんやってこようと思っています。
家族や師匠や仲間や職場の理解と応援があって、今こうして自分の好きなことをやっています。やっていること自体は辛く危険なことかも知れないけれど、イバラの道と言われることもあるけれど、辛いなんてとんでもない。いくつになっても自分の好きなことに情熱を燃やすことができて、そういうものがあるだけで、私は幸せです。すべてが生きた証なのだから。同い年の偉大な偉大なアスリート、敬愛するイチローは『常識を打ち破る』ことがワクワクすると言って、実際に常識を打ち破り続けています。ヒットを打ちすぎて、それが当たり前だと思われてしまう悲劇を乗り越えて。なんて素敵な男なんだろうと思います。究極のところ、彼にとっては人の評価なんて関係なく(周りは打率とかヒット数とかですごいでしょうけど)、自分がベストを尽くして最高のプレーをすることに集中し、その結果がついてきているのだと思います。NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』(http://www.nhk.or.jp/professional/)という私が大好きな番組があります。その番組のイチロー特集の時、今後の夢は何かと聞かれたイチローは真顔でこう答えました。「50歳になって、4割打つ。」と。強烈に胸を打たれたことを今でも覚えています。この偉大な男と同時代に同じ日本人に生まれたことを心から感謝しています。(今回の旅のお供は集英社の『イチローイズム』です。)私は私のサイズでしかできないけれど、『Just do it!』を貫きたいと思います。それでは今から旅の準備です。また明日。
(明日、タイ武者修行へ旅立ちます。)