【すべてを終えて】〜Everything is practice〜

Thank you all Sasiprapa familly and all friends in Thailand!!!

いよいよ日本へ帰ります。
身体中に稽古の疲労が、拳にサンドバッグの感触が生々しいです。

今回、格闘技に手を染めて30周年の節目に、2週間の休暇をいただき家族と離れ単身で私の聖地で修行できたことは本当にありがたいことでした。
今回のテーマは自分の全盛期をもう一度目指すことと定め、体重を10kg近く絞って高い意欲で臨みました。
出だし順調かと思いきや、人生初の食中毒で病院送り。（笑）
稽古がまともにできず、苦しんだ5日間。
病気になった途端タイは異国の地に戻り、言葉の通じないもどかしさと得体の知れない不安に襲われました。
ムエタイが出来なくなった途端、聖地の風景は全く別のものに映りました。
ああ、自分はここにムエタイをやるために来ているのだと心の底から思い知らされました。
不安でいっぱいの中、一時はリアイアもやむなしと覚悟しましたが、諦めずに必死で体調を整えてなんとか復活することもできました。
何か良くない状況下にある時、自分は最後までベストを尽くそうとする人間であることを改めて確認しました。
これからも何があろうとそうありたいと思います。
世の中のすべての出来事には何が意味があるのだといつも思っています。
今回はフィジカル面と同時にメンタル面について非常に得るものがありました。
こんなにも毎日自分の身体と対話し、自分の内面と向き合った、いや向き合わざるを得なかった日々はこれまでありません。
本当に貴重な貴重な年に一度の『精神と時の部屋』。

格闘技は小さな自分を打ち破るための長い長い道だと思っています。
すべては稽古の中にあり。
See you Thailand.

＜Total＞

ロードワーク　42km

シャドーボクシング　14R

サンドバッグ　70R

ミット　31R

技術指導 3R

首相撲 2R

スパーリング 1R

１Ｒ＝3min30sec

KFC代表さよならの会

日本の皆様、おはようございます。
私は今、出発直前の荷造り中です。
二度寝しないよう（笑）、少し書きます。
昨夜は私のタイ最後の夜に、やはりボールとギンちゃんが宴を開いてくれました。
この2人には最初から最後まで本当に世話になりっぱなしでした。
ボールは何度も書いている通り。
ギンちゃんも仕事で疲れているのに船でバンコクのダウンタウンまでお土産を買いに付き合ってくれたり、どこへ行くにも愛車に乗せてくれ（免許取り立てなので超安全運転です。笑）、毎日のようにオフの時間に私の面倒を見てくれました。
私は彼らに見守られていたからこそ、この地で安心してムエタイ修行に奮闘することができました。
そして、孤独を感じることがほとんどありませんでした。
食中毒で苦しんでいる時も、ギンちゃんは部屋に駆けつけて来てくれ、薬や体温計を買って来てくれました。
ボールは忙しいのに2度も病院連れ行ってくれ、通訳してくれました。
そして、何度も一緒に食事をしてくれ、話し相手になってくれました。
異国の地で彼らのような素晴らしい人達と出会え、今も交流が続いていることを、ただただ天に感謝します。
ボール、ギンちゃん、本当に世話になりました。
来年またここで会おう。

【タイ武者修行 The fimal】〜格闘オジサン、拳で語る〜

日本の皆様、こんばんは。
最後の日を迎えました。
6時に起きてストレッチとヨガと瞑想をし、ゆっくりと最後のロードワークに向かいました。
何度も走った道を、確かめるように足の裏で噛み締めて走りました。
いつもと変わらずシャワーを浴び、Tシャツを着替えてジムへと向かう道すがら空を仰ぐと、綿菓子みたいな薄っすらとした雲の先にどこまでも広がるような真っ青な空が見えました。
タイは今、雨季真っ只中です。

14年前、当時の会社の仲間に誘われ始めてタイへ来ました。
なんとなくついて来ただけの普通の観光でした。
たまたま行ったラジャダムナンスタジアムで観たムエタイの試合に胸が熱くなった私は、旅の初期に皆と別れ、1人ムエタイジムの門を叩きました。
旅行社に紹介してもらった片田舎のジムこそ、サシパパ（サシプラパー）ジムでした。
中学で少林寺拳法、高校で極真空手、大学からは日本拳法を続けていて100kgあった当時の私は、多少腕に覚えがありました。
そんな私はのちっぽけな自信とプライドは、入門してすぐに当時のサシパパジムのトップファイター達の次元の違う強さに木っ端微塵に打ち砕かれました。
当時ラジャダムナンスタジアムのバンタム級（52kg〜54kg）の現役チャンピオンだったBooに首相撲ではコロコロ投げられ、スパーリングでは全く歯が立ちませんでした。
これが立ち技最強格闘技、ムエタイなのか。
これがプロのファイターの強さなのか。
この細い身体のどこにそんなパワーが？
この蹴りの速さと炸裂音ヤバ過ぎる！
パンチも見たことないくらい速ぇ！
これが同じ人間なのか、、、。

今までの格闘技人生をひっくり返されたような経験をしてムエタイの虜となり、そしてムエタイを通じて素晴らしい仲間達と出逢い、この片田舎と人々に魅了され、毎年夏期休暇と有給休暇を駆使してここに通うようになってはや14年になりました。

昔、まだ20代くらいの頃、お前は一体何を目指してるんだといろんな人に聞かれたことがあります。
もう充分やっただろ、そろそろ止めたらと言われたことが何度もあります。
その時は上手く答えられませんでしたが、今はこう思います。
昨日たくさんご飯を食べたとしても、また今日もお腹は空いてご飯を食べます。
私にとって格闘技とは、ご飯のように当たり前のもので、日々の修行を通じて自分の心身を整えてくれ、ストレスフルで閉塞した日常の中で最低限の独立性を保たせてくれる大事なライフワークです。
今までどれだけの局面で助けられたかわかりません。
だからこれからもいろんな形で共に歩んでいくのだと思っています。

私、KFC代表は本日ここにすべての修行過程を修了しました。
無事に日本へ帰ります！押忍！

《ロードワーク》

4km

《朝練》

シャドーボクシング 1R

ミット 4R

サンドバッグ 4R

※1R=3min30sec

【タイ武者修行 七日目】〜格闘オジサン、殴り合う〜

日本の皆様、こんばんわ。
年に一度の精神と時の部屋、タイ武者修行の旅も残すところあとわずかな時間となりました。
昨日朝晩の稽古にフル参加した疲労は確実に私の身体に蓄積され、起きた瞬間に全身の筋肉疲労を感じます。
この感覚こそがしばらく忘れていた私のタイの記憶です。
ストレッチとヨガを入念にやり、アミノバイタルを充分補給して、ゆっくりと身体と語りながら走りました。
今日は練習の後半にクチェン先生から指名を受けて、モロッコから来た修行者と軽くスパーリングをすることになりました。
タイでスパーリングをするのは久々です。
私は終始リラックスして闘うことができました。
闘いとは恐怖と共にあるものなれど、ムエタイを信じて、自分を信じて、闘いを楽しむ。
昔と違って心に余裕ができ、ほんの少しその境地に入れたかなと思います。
明日で最後になります。
無事に日本に帰ります。

《ロードワーク》

4km

《朝練》

シャドーボクシング 1R

ミット 3R

サンドバッグ 7R

スパーリング 1R

※1R=3min30sec

【タイ武者修行 六日目】〜復活の格闘オジサン〜

日本の皆様、こんばんは。
残り3日、もう終盤です。
今の自分にできることをやって、納得して日本に帰りたい。
その一心でタイでの生活を送っています。
日本から大量に持ってきたアミノバイタルのゼリーや粉末を余らせることなく、残りの3日ですべて投入します。
身体と真剣に向き合い、自分にはできると常に言い聞かせています。
こんな書き方ばかりだと鬼気迫るものがありますが（笑）、稽古以外は仲間と結構楽しくやってます。

今朝、ジムのプロ選手の子と一緒に同じペースでロードワークをこなすことができました。
その勢いのまま朝練に行って10時頃部屋に戻って洗濯をし、いつもならそのままブランチを食べに行くところを今日は止め、ヨーグルトと少しのフルーツで抑えました。
すぐ12時にお昼を食べるためです。
私は16時からの夜練にも参加しようと決意していました。
1日2回の稽古をこなすには、食事のタイミングが重要です。
きっかり13時までに食べ終えて、午後の稽古に備えようと思ったのです。

病み上がり2日目で朝晩フル稽古は少し無理したかも知れません。
でも、やるなら今しかねえと言い聞かせていざ参加しました。
今日のトレーナーはジャブ。
元タイ陸軍の猛者で激しいトレーナーです。
私はいろいろジャブの指導を受けながら、必死でミットに向かいました。
疲れ果てた先にある、あの懐かしい感覚。
身体中の余計な力が抜け、ゼロの力が漲ってくるのを感じ始めてました。
思いっきり打とうなんて思わない。
ただ、最速で最短で打つ。
この疲労困憊ぶり、この全細胞の感覚。
久々だ。本当に久々だ。
これこそ、私がタイで味わいたかった瞬間でした。
KFC代表はここに復活いたしました。
あと少し、頑張ります！押忍！


《ロードワーク》

4km

《朝練》

シャドーボクシング 1R

ミット 4R

サンドバッグ 8R

首相撲 2R

※1R=3min30sec

《夜練》

シャドーボクシング 3R

ミット 3R

サンドバッグ 10R

※1R=3min30sec