福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

12月議会 本会議一般質問から(3) 子育て・教育問題

2007年12月29日 | 活動報告
                        12月議会本会議壇上で 
                     市長(右端)答弁を受けるようすです

いよいよ今年も暮れようとしています。
のんびりと過した子どもの頃が懐かしいくらい、大人になると年末年始はなぜこうも超多忙なんでしょうか。天気も下り坂なようで、皆様もどうか健康に十分留意して、1年の締めくくりと幕開けの時期をお過しください。

さて、先の市議会定例会(12月議会)本会議における私の一般質問での質疑・提言から、子育てと教育に係る部分についての一部をアップします。

今回は、市長の政治姿勢についての質問の中で、
・「こども条例」の制定について
・まちづくりの重要な視点である「ひとづくり」について

また、個別に通告してあった教育問題の項目から、
・教育関係施策のスクラップ アンド ビルドについて
・教職員による一連の不祥事の分析と再発防止の取り組みについて
・管理職評価制度について
・ネットワーク型授業「よのなか科」と「地域本部」制度の導入について
といった点について伺い、提言させていただきました。


「こども条例」制定の動きが全国の自治体に拡がっていますが、わが宇都宮は積極的な動きがいまだ見られません。

栃木県は、いじめ(H18年全国20位、H16年1位)、ニート(全国10位、関東1位)、10代の堕胎率、麻薬所持率ともに高率、といった青少年問題を抱えています。
また現代は、少子化でこどもの数そのものが少なく(大人6人対し子ども1人)、社会のしくみづくり(力関係)からも子どもが圧倒的に不利でバランスの悪い時代(社会)です。

日本の子ども(青少年)問題のほとんどが、
①自尊感情=自己肯定感の低さ
②まわりとの相関(共感)関係を上手に築けていないこと
で説明がつくと言われています。

物資の豊かさと相反して、学年が上がるほど(教育を受ければ受けるほど)自己肯定感が低まる日本の子どもたち。世界的に見ても低いレベルです。
原因は、成長段階で学力偏重の振り分けや選別を受けることで自己肯定感が傷つけられるため。また、自己肯定感を高めるような教育方針が存在しないため、「あなたはどう思いますか?」といった個人の考え方を育くみ大切にした問いかけを受ける機会に恵まれていないためとも言われています。

自己肯定感は、自らが育とうとする自分育ちの最も大切な土台であり、能動的に活動しようとする時、あるいは障害にぶつかった時に内側から自己を支えるものです。
日本では、子どもの学力調査の結果には敏感に反応しますが、自己肯定感の世界比較での低迷には鈍感です。

自分への信頼(自信)感のなさ、自己不信(嫌悪)、逃避行動、非行、社会不適合、犯罪…。
子ども(青少年)を取り巻く問題を解決していくために、まずは子どもたちの自己肯定感を高める取り組み、子どもたちが肯定できる自分を回復できる取り組みが有効であると考えています。
子どもといえど、解決される(していく)権利を持っている主体です。
ここで言う「こどもの権利」とは、こどものわがままを助長することではなく、大人からの押し付けではない方法で、「こどもが自ら育つことが守られること」です。
また、育てる親の方に不具合があれば、問題扱いして責任追及するのではなく「親を支えていく仕組み」を作ること。同じく学校教育でも、教師の不具合の責任を追及するのではなく「教師を支えていく仕組み」を作ることも重要なことです。


もうひとつの子ども問題の原因が、まわりとの相関(共感)関係を上手に築けず歪みが生じていること。

子ども同士の相関(共感)関係の歪みが「いじめ、不登校」を生み、子どもと親の相関(共感)関係の歪みが「虐待、家庭内暴力」を生み、子どもと教師の相関(共感)関係の歪みが「学級崩壊、校内暴力」を生み、子どもと地域の相関(共感)関係の歪みが「子ども対象の犯罪、非行」を生むと指摘されます。

こどもの権利(育ち)侵害につながっている問題や犯罪の原因の多くを、生活環境・社会環境が作り出しているとすれば、こどもを取り巻く歪んだ相関(共感)関係を修復するようなまちづくりを進めるための規範(条例等)が欲しいもの。
子どもは社会からもっと大切に扱われるべきもの、といった社会の意思の確認が欲しいものです。
こども条例に求めたいのは、「こどもの育ちの支援」と「まちづくり」です。
こどもと家庭や学校との相関(共感)関係の回復を、大きく地域が包み込んで支えていくこと、それは同時に、まちづくりのテーマにも成り得るものであると考えます。


人類の普遍的な願いである未来を担う子どもたちが等しく心身共に健やかに育つことを目指して、国連において世界共通の規範である「子どもの権利条約」が採択されて18年。
自治体で取り組む目的は何?と尋ねられますが、政府・国だけではなく、地域、家庭、学校などのあらゆる場所で取り組む必要があることばかりで、子どもの現状を一番把握できる自治体だからこそ、地域で実現してこそ意味があることと思います。

条例で子どもの権利についての考え方の「原則・基本理念」を示すことで、子どもの関係者の意識を喚起し、子ども関連施策の基本姿勢を示すことができます。
権利(育ち)の侵害と行使に悩み苦しむ子どもたちのため、そしてさらに健全な青少年育成が成されるためにも、子どもの視点に立った行政(まちづくり)の基軸となる条例があってもいい。
こどものニーズをしっかりと受け止め、権利の主体として尊重され、まちづくりに欠かせない視点のひとつと掲げることをこの宇都宮でも実現するべきと考えています。子ども条例の制定を強く求め今後も活動していきます。


 「福田ちえ」ホームページ http://www.f-chie.jp 

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