アナウンサー時代の自分の読みを振り返ってみると、まずは“とちらない”“文章を把握して読む”ということに注意して原稿に向かっていました。“とちらない”ために、毎日のように滑舌の練習を重ね、一生懸命“読む”練習をします。“文章を把握して読む”ためには、その文章の流れを大事にして、切るところは切る、切らないところは切らないで読んでいく、ということに励んで練習をするのです。練習の成果は、当然流暢に読めるようになってきます。そこが、ナレーターの読みと大きく違うところなのです。ナレーター、またはナレーションの仕事に携わっている方は、元々役者の方が多く、私の見たところでも全体の80%は役者(つまり舞台やドラマに出演する)の方々ではないでしょうか。役者出身のナレーターの方は良く「行が2行以上あるとプレッシャーを感じる」とか「とちらずには読めない」「かぎ括弧があるとやり易い」などとおっしゃいます。つまり流暢には読めない、ということは一語一語をしっかり語っている、ということではないか・・・・と感じたのは、この世界に入って既に10年以上たっていた時です。一語一語をしっかり語る、というのはどういうことか・・・それは「一語を語っている時に、次の一語のことは考えない」ということで、一語ずつ言い切っている状態が連続しているのです。ということは、流暢にしゃっべってはならない、ということになります。流暢な読み→アナウンサー読み、全ての言葉を言い切る読み→ナレーターの読み、ということになるのですが、それだけではありませんでした。つづきは、パートⅣで・・・。
ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/
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