ナレーター・アナウンサー養成塾

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アクセントの話

2006年11月07日 | Weblog

チョッとズル休みしてました・・・さて、今回はアクセントのお話。ここのところニュースに毎日のように取り上げられている高校の「履修不足」問題。必須科目の在り様が私の時代とは違っていると思いますが、“世界史”“日本史”の選択が関わっているとか。その“セカイシ”“ニホンシ”のアクセントは、両方とも第二音節が高い方にある中高型です。ところが、ニュースを伝える記者はもちろん、ナレーターやアナウンサーも半分以上の型が平板型にしている様子。あなたは如何でしょうか。そこで日本語のアクセントについて理論的なお話を・・・まずは「日本語に標準語はない」ということを頭に入れておいてください。一般的に標準というのは、何か基準になる数値とか、量とか、角度とか、決まったものを指します。日本には各地の方言があり、どこの地域の言葉も立派な日本語です。ただし、それらの方言が全国のどこに住んでいる人にでも通じるかといえば、それは難しい。私達、放送に携わる人間が学ぶものは標準語ではなく『共通語』なのです。どこの地方の方にも通じる言葉・・・共通の言葉・・・これだ!と決まっていない訳ですからですから、様々な変化も当然あるのです。で、その“世界史”“日本史”が何故に平板型になってしまうのか、というと、それはスラング化という現象です。その現象は江戸の昔からあるもので、今に始まったものではありません。頻繁に口をついて出る言葉ほど平板化する、という現象です。例えば・・・“水道橋”これも本当は“スイドウバシ”のイとドだけが高い位置にある中高型。でも“スイドウバシ”と平板に言っていませんか?これと同じことなのです。特に高校時代にそれぞれを選択した方は、きっと平板に言うようになっているのではないですか。確認してみては・・・。

ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
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