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刑は重め

2009年09月07日 | 雑談
裁判員裁判が始まって、刑量相場がちょっと重めに変化しているように感じている。当然の流れといえば当然である。刑事事件を扱う裁判官も弁護士も検察官も、「殴った」「蹴った」「刺した」「殺した」「埋めた」「沈めた」・・・などなどの事例を普段からイヤというほど見ている。それで一定の刑量相場が形成されていたはずである。

しかし裁判員はそんな事件に遭遇した経験なんか全くと言っていいほどない。裁判の中で「かくかくしかじかの手段で刺し殺しました」みたいな話を聞くと「こりゃオオゴトだ」と思ってしまう。もちろんオオゴトなのである。殺されてしまった人は人生がそこで終わってしまっているわけで何よりもオオゴトだったのである。強姦された人は一生その傷を背負って生きていくのである。

でもこれまでのプロの法律家は「よくあることだ」と軽めに処理してきたのであろう。裁判員という素人の目から見ればやはりそれはオオゴトで被告は十分重い罪に問われなければならないのである。刑務所の施設が足りなくなったりしないのかちょっと心配であるが庶民感覚を裁判に生かすという意味で裁判員裁判もその役割を果たしているのかもしれない。

【裁判員裁判】性犯罪初公判 求刑通り懲役15年(産経新聞) - goo ニュース
2009年9月5日(土)08:05
 ■法律家より厳格 量刑相場に一石
 検察側の求刑通りとなった4日の青森地裁判決。主任弁護人の竹本真紀弁護士は「裁判員は、法律家以上に強姦(ごうかん)の結果を重く見たのではないか」と感想を漏らした。被告よりも被害者に感情が傾きがちな“素人感覚”が厳罰化を招くともいわれる裁判員裁判では、被告なりの事情を訴え、情状面を強調せざるをえない弁護活動は困難を強いられそうだ。3日間の審理は、“求刑の8ガケ”とされてきたいわゆる「量刑相場」に一石を投じるものとなった。 
                   ◇
 今回、弁護側は、両親を早くに失い祖母に育てられた被告の生い立ちを強調。環境が被告の心の内をねじ曲げ、犯行につながったと主張してきた。これに対し、被害者の一人は意見陳述の中で、母子家庭で育ち、すでに母を失っていることを打ち明けた。検察側は生い立ちと犯罪に走ることを結びつけるべきではないと反論してみせたわけだ。また、被告や被害者の供述調書を朗読、あえて強姦の状況を法廷で詳細に伝え、犯行の悪質さを裁判員に訴えた。
 判決は「生い立ちに恵まれない点があったことを考慮しても、時間をかけて更生する必要がある」と指摘した。被告の事情よりも、犯行の悪質さに重きを置いたもので、検察側の主張に沿った判断となった。
 さらに、今回の裁判員は、検察・弁護側双方が主張していない点にまで踏み込んだ。検察・弁護側はともに、金銭目的で女性宅に侵入したとして、強姦の計画性にはほとんど触れなかった。しかし、裁判員の一人は公判で、強盗強姦事件で被告が被害者宅の包丁を手にした理由を被告に質問するなど、強姦が計画的だった可能性を追及した。
 今回、裁判員の男女比は男性5人、女性1人と偏った。こうした事情から、裁判官も慎重に評議を進めたとみられる。会見に応じた裁判員によると、裁判官は補充裁判員として参加した2人の女性にも意見を求めたという。幅広い考えを評議と判決に反映させようとした配慮がうかがえる。
 元裁判官の青木孝之駿河台大法科大学院教授は「求刑、判決ともにやや重めだとは思うが、極端に重いとまでは思わない。日本では以前から性犯罪の量刑は軽い印象で、刑法が現代人の感覚とずれていると感じていた」と指摘。その上で、「これまでの量刑は検察側の影響が強く反映されていた。しかし、裁判員裁判での量刑判断は『裁判官と検察』で決められていた構図から、裁判官、裁判員、被害者、検察が関係し合う、多様化した形になると感じた」と話した。
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 ■被害者は事件を一生抱える
 性犯罪の被害者を支援するNPO法人「ウィメンズネット青森」副理事長で、青 森県立保健大の佐藤恵子教授の話「被告は刑期を終えれば済むが、被害者は事件を一生抱えなければならず、懲役15年は決して重い刑ではない。公判で暴行された場面が詳細に再現されたが『(警察に)届けたら裁判で詳しく明らかにされる』と被害者が思うことを危惧する。被害者の意見陳述は非常によかったが『被害者は必ず意見を述べなければならない』とされるのは問題。(証言は)被害者の意思を尊重すべきだ」
【裁判員 判決】国民参加の結論は懲役15年 裁判員全員が記者会見へ(産経新聞)
 全国初の裁判員裁判となった東京都足立区の隣人女性殺害事件で、殺人罪に問われた無職、藤井勝吉被告(72)の4日目の公判が6日、東京地裁で開かれた。秋葉康弘裁判長は懲役15年(求刑懲役16年)を言い渡した。
 被害者参加制度に基づき、被害者参加人として公判に出席した被害者の遺族は、検察側の求刑を上回る懲役20年を求めていた。
 公判終了後の記者会見には、裁判員6人全員と補充裁判員1人の7人が出席する意向を示した。