歌え!だらリーマン

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八日目の蝉を読む

2009年08月01日 | 雑談
久しぶりに角田光代の小説を読んだ。「八日目の蝉」。出版されたときに読もうと思ったものの何となくスルーしていた。今年になって図書館に予約したのだが3カ月以上待っていた。

なんか、すごい。これだけの物語を頭の中で紡ぎ出せる角田光代ってどんな人なんだろう。もちろんストーリーの底流としては福田和子の事件とか、はたまたオウム真理教だとかヤマギシズムとか、いろんな事件・事象がない交ぜになっているのだろうとは感じる。でもここまで見事に調和して物語として組み立ててしまえるということは驚異である。

その虚構の世界の登場人物の心情を見事に描き出している。

例えばノンフィクションなら「ひょっとしたら私でも書けるかな」なんて幻想をいだくことはある。しかし八日目の蝉は「お前には絶対に書けない」と完膚無きまで打ちのめされる。