The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

戦争と魔術師

2010年10月09日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」


原作コーナーを更新してからも、どうして「ブハラ藩王ナルスラー・バハドゥールでなくてペルシャ皇帝ナーセロ・ディン・シャー」なのか考えていましたが、ちょっと思い当った事は…

①ナーセロ・ディン・シャーの後宮に顔に火傷の傷痕を持つ女がいたと言う史実がある。

②エリックを戦争で活躍させたかった。

と言う点でしょうか?
②の「奇術師が戦争で活躍」というのは意外に思われるかもしれませんが「奇術のテクニックで戦争を勝利に導く」と事例はあります。

http://www.rpress.net/web-k/200912/majisyan.html


この場合、第二次世界大戦ですから「オペラ座の怪人」連載から随分時間的に隔たっていて、上記の事がルルーに影響を与えたわけではなく、おそらくはルルーの独自発想かと思われます。(多分)

「エリックはペルシャの交戦国アフガニスタンの首長を倒し…」と原作にありますが、ナーセロ・ディン・シャーはその治世中アフガニスタンに侵攻した事が実際あります。

ブハラ藩王も近隣の国に遠征に行ったかも知れませんが、事件としてこの「ペルシャ軍のアフガニスタン・ヘラート侵攻」の方が大きいので、可愛い主人公に華々しい舞台を与えたのかもしれません。何と言ってもこの時英国海軍も動きましたから。(カッコイイw)


以上、管理人の妄想・推測でした。


絵空事のような、実際あり得るような気もしないではない「オペラ座」のエピソードって独特の味わいがありますね。