エリックに演奏してもらいたい曲は・・・映画を見た直後から一貫して「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」です。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番といえば「シャイン」です。ジェフリー・ラッシュが本人デヴィッド・ヘルフゴットをそっくりに熱演。(キャプテン・バルボッサもいい味だしてます)
父親の音楽への異常なまでの執着を背負わされた繊細なピアニストの実話。
子供に「友達を家に呼ぶな」といい、世間を拒絶してかたくなに生きる頑固な父親の背後には貧しいユダヤ人への差別への憎悪がある。父の期待に応えようと全力を尽くしてピアノを弾いてきたのに、いざ世界に一歩踏み出す時に、父親のその憎悪が羽ばたくことを許さない。
父親は苦労人で家族もそれが解っていて思いやりに満ちているのに、「憎悪」が全てを破綻させるのです。
結局、デヴィッドは家を出ますが、父親が許してくれていないことから苦悩しています。音楽学校のコンクールでは父親の一番愛した(難曲だから気に入ってた?)「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」を選曲。完璧な演奏は凄まじい練習を要するのですが、冬のロンドンの寒さの中で凍えながら、パンをかじりボロピアノで猛練習する場面が感動的です。彼は父親に受け入れて欲しい一心なのでしょう。優勝を果たすのですが息子の成長を認めず冷たく拒絶、デヴィッドは精神を破綻させます。もちろんピアニストとしても夢を断たれます。
後半は結婚相手に出会いピアニストとして少しずつ復帰していきます。
最後は正常な人間として、ピアニストとしての大半を奪った父親を許して終わるのです。
あの父親にデヴィッドはあまりにもあまりにも繊細すぎた・・・としかいいようがありません。お互いに何の発展もない殺しあうような個性のぶつかり合いが悲しすぎます。失ったものが大きすぎます。そしてそんな二人でありながら愛し合っている・・・。愛してなければこんな悲劇は起こらない・・。
父親を許す過程で夫人の献身的で母性的な優しさが際立ちます。おかげでピアニストとしても徐々に復帰・・。
でなければなかなか許せないでしょう・・・。
許すというのはなかなか難しいものです・・・。失ったものが大きければ大きいほど・・・!
僕は生きてる
そして人生は続いていく 永遠に・・
永遠に?(妻)
いや だけど
途中で捨てないで生きていく それが人生だろ?
青年期・・・「チャリチョコ」のお父さん・ノア・テイラー
中年期・・・「パイレーツ・・」のキャプテン・バルボッサ ジェフリー・ラッシュ(ピアノがうまい!ピアノを弾く演技がうまい?リストのハンガリー狂詩曲 第2番は本当に弾いてたなかな?)
ブラームスのピアノコンチェルトNO.2もいいです