漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

「くわ」 と 「すき」

2015-11-07 11:54:04 | 雑記
 きょうは農具の「くわ」と「すき」のお話し。

 「くわ」または「すき」と読む漢字がそれぞれいくつもあるなぁ、と漠然とは思っていたのですが、復習していて 【鍬】 には「くわ」「すき」両方の読みがあることに気づきました。これを機に、それぞれの読みを持つ漢字を改めて拾ってみたのですが、やっぱりたくさんありますね。


「くわ」

 【鍬】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.759/第二版 P.766)
 【耨】  (1156/1166)
  音読みの「ドウ」にも注意。【耨耕(どうこう)】は「辞典」の見出し語。前後を逆にした【耕耨(こうどう)】は 25-2 で出題されています。
 【钁】  (201/204)


「すき」

 【鍬】  (759/766)
 【鋤】  (729/736)
 【耜】  (612/617)
  訓読み問題として、25-2 で出題されていますね。
 【銭】  (-/906)
  「すき」との表外読みと意味は、「辞典」初版にはなく、第二版で追録されています。
 【犂】  (1542/1558)
  こちらは、用途は同じでも、人力ではなく牛馬に引かせて使うものを指すようです。


 こうした漢字の読みがどうこうという以前に、お恥ずかしい話ですが、そもそも私は「くわ」と「すき」の違いも知りませんでした。ネットでいろいろ調べて見ると(それでも実はいまだに良くはわからないのですが)、取っ手の先に金属製の板(または爪状のもの)が鋭角に取りつけられていて、地面に振りおろしてから手前に引き起こして使うものが「くわ」。「すき」というのは、金属製の部分が取っ手からそのまま真っすぐに取りつけられたもので、外来語で言えば、シャベルやスコップを指すようです。

 上記の理解が厳密に正しいのかどうかは若干心もとないですが、大きく外れてはいないでしょう。漢字を入口にしてまたひとつ新しいことを知ることができ、良かったです。