縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

備前グリーンエネルギーの新聞記事について

2006-02-28 21:43:21 | 環境を考える
 まずはお詫び。今日はマイクロ水力発電のことを書く予定だったが、急遽変更し、2月14日に紹介した備前市での自然エネルギーに関するプロジェクトの続報を書く。というのも今日の日経産業新聞にこのプロジェクトの記事が出ていたからだ。
 実はマイクロ水力の事業化案を考えており、先にこの仕組みを見て頂いた方がわかりやすいのでは、という気持ちもある。詳細は来週に回すとして、早速記事を紹介しよう。


備前グリーンエネルギーが市民ファンド――太陽熱やバイオマス、環境事業に投資(2006/02/28付 日経産業新聞)

 岡山県備前市の行政や民間が主体の備前グリーンエネルギー(備前市、山口勝洋社長)は、市民出資のファンドを立ち上げ、同市で環境事業に投資する事業を始める。一般から四億九千万円を募り、国の交付金と合わせて太陽熱やバイオマス(生物資源)による熱供給などの事業を展開する。同様の事業は長野県飯田市に次いで二例目。
 備前グリーンエネルギーが備前市内で、太陽熱温水システムや木材燃料のボイラーといった機器を公共施設や住宅に設置。利用者と十―十五年の契約を結んでサービスを提供する。十五年間で約十万トンの二酸化炭素(CO2)削減を見込む。総事業費は十億五千万円で、このうち四億九千万円をファンドで、残りを国の交付金で賄う。
 ファンドは三月三日―五月三十一日まで全国から募る。期間十年のタイプが一口十万円で利回り二・一%、十五年のタイプが五十万円で二・六%。元本は保証しない。「出資により環境負荷の低減に貢献できる」(同社)としている。
 備前グリーンエネルギーは備前市や商工会、市民団体などでつくる「備前みどりのまほろば協議会」(有吉年夫会長)が七割、自然エネルギー・コム(東京・中野、河合弘之社長)が三割出資し昨年十二月に設立した。特定非営利活動法人(NPO法人)の環境エネルギー政策研究所(東京・中野)が支援している。

以上が記事である。

 私が気になったのは、真ん中あたりにある「元本は保証しない」という一文である。確かにそれは事実である。しかし、前後の文脈からは、預金よりは高い金利を払うし、環境のためになる事業に出資できるのだから、元本を保証しなくても構いませんよね、と言っている感じがしてしまう。私があまのじゃくなのだろうか。

 投資なので元本保証がないのは当たり前である。だが、このファンドの安全性についてのコメントがあっても良いのではないか。ファンドの資金で機器を購入し貸し出すようだが、基本的には利用者から手数料を徴収し充分元利払いの出来る組み立てになっているはずだ。ファンドの5割以上は国の交付金で元利払いの必要はないのだからなおさらである。リスクとしては手数料の支払いが滞る、機器に所期の性能が出ない、地震で機器が全滅、等だろうか。
 しかし、初めの手数料の問題は公共施設も利用者、個人にしても皆の支払いが一斉に滞るとは思えない等からリスクは低い。次の機器の性能についてはメーカーに保証させれば良いし、最後の地震についても保険でカバーできる。また、もし利用者が少なかったとすれば資金が預金として残るだけである。いずれにしろ、このファンドの安全性は高い。もう少し親切な記事をお願いしたい。

 ただ、ファンド自体には一つ不満がある。それは金額だ。市民ファンド、草の根ファンドなら、一口10万円や50万円ではなく、1万円にしてはどうか。地球にやさしいのならば、私の懐にもやさしくあって欲しい(貧乏なのは私だけ?)。


白雪姫と仔豚(スペイン紀行1)

2006-02-27 23:04:44 | もう一度行きたい
 四十の手習いでスペイン語の勉強を始めた。いや、始めたことがあると言った方が正しいかもしれない、最近はとんとサボっているので。
 スペイン語を勉強する一つのきっかけが、このスペイン旅行だった。マドリッドからセビーリャ、コルドバ、コスタ・デル・ソル、グラナダ、そしてバルセロナ、2週間の旅だ。

 スペインでは英語があまり通じない。第2外国語といえば、まずフランス語、次がドイツ語、英語はその次の次くらいだろうか。英語の下手な僕でも、英語で話すと、もう少しゆっくり話して下さいと言われたりして、自分は英語が上手いのかなと見当違いの優越感に浸ったこともある。
 勿論、逆に言葉がわからず苦労したことも多い。バスに乗って、おばちゃんに、何がなんだかわからずまくし立てられ往生したこともある。どうも座席が決まっていて僕は彼女の席に座っていたらしい。

 折に触れて、このスペインの旅を綴って行きたい。マドリッドの話は美術館を中心に金曜日に書くとして、今日はセゴヴィアの思い出について書く。

 マドリッドに3泊したが、1日は日帰りで近郊の街を訪ねようと思った。トレドかセゴヴィアか迷ったが、結局、セゴヴィアに行くことにした。
 セゴヴィアといえばディズニーの白雪姫のモデルになったお城、アルカサルで有名な街だ。日本人にはあの東京ディズニーランドのお城と言った方が早いだろう。我々にとっても大変馴染みのあるお城だ。だが、さすがに本家本元のお城は、土っぽく、そして埃っぽく、存在感があり、歴史を生きてきたものというリアリティがあって良かった。

 また、セゴヴィアの入り口にある水道橋には圧倒された。ローマ時代、紀元前1~2世紀に造られたものらしいが、高さ29m、長さ728mという規模である。日本でいえば弥生時代にこれだけの物を造ったローマ人には脱帽してしまう。失礼な話だが、今のイタリアを見ていると、当時のローマ人には今と同じラテンの血が流れていたのかと若干疑問を感じずにはいられない。それだけローマが世界の英知を結集していた証なのだろうか。

 さて、セゴヴィアの魅力は古代ローマの遺跡と中世の城、そして名物“仔豚の丸焼き”である(ちょっと次元が違いすぎるかな?)。皮がパリっと焼かれていて、それはそれは美味ということだ。
 もう一度行きたい、何のことは無い、前回は一人旅で仔豚が食べられなかったのである。一人で食べるには量が多すぎる。「リオハのワインと仔豚の丸焼き」と流暢なスペイン語で注文する。はてさて、いつの日のことやら。やはりスペインは遠い国か。

憤りを感じる堀江メール問題

2006-02-26 23:16:56 | 最近思うこと
 堀江メールの真偽問題が国会で大きな論議になっている。当初は問題を提起した永田議員、民主党が攻勢に立っていたが、その後は形成が逆転、永田議員は入院するは、前原代表の責任問題に発展するは、民主党のお寒い状況はご承知の通りである。

 本件に関する疑問。なぜ永田議員は真実だと確証のないメールを基に国会で質問を行ったのか。正直、あまり彼のことは知らなかったが、マスコミで彼の過去の活躍というか前科(?)を聞くと、どうもそれが彼の常套手段であった気さえする。今回の情報源の人物は業界では要注意人物であり、皆、相手にしていなかったのに、彼はまんまとそれに乗った、いや、敢えてそれを利用したように思われる。
 次の疑問。民主党の前原代表はなぜ永田議員にあの質問を許したのか。これはよくわからない。巷で言われるように、単に現執行部の未熟さなのか、もしこれが本当ならばと賭けに出たのか、そのどちらかなのだろう。本来、今国会は民主党が4点セットで小泉自民を攻めるはずだったのに、その機会を逸してしまった。

 私は特に支持政党はない。だから今回のメールの真偽問題についても、それがどちらに転ぼうと大きな関心はない。しかし、今回の件で残念に思うというか、本当に情けなく思うことが二つある。

 まず一つめはわが国の政治のレベルの低さである。今回の件が問題になるということは、3千万円の振込というか裏金があってもおかしくないと、皆、考えているからである。冷静に考えれば、そうした類のお金を証拠の残る振込で行うとは思えない。なのに、皆、あの自民党ならやりかねないと考えたからこそ、こうした騒動に発展したのである。国民が政治家をその程度にしか考えていない状況を寂しく思う。
 二つめは国会そのもののレベルの低さである。4点セットもそうかもしれないが、もっと国会で議論すべきことは沢山あるはずだ。膨大な財政赤字を抱える中、高齢化の進展に伴う医療費や年金負担の増加にどう対応するのか、世代間の公平をどう考えて行くのか、あるいは中国・韓国との冷え切った関係をどう改善するのか、等々、問題は尽きない。”党利党欲”で議論している場合ではない。

 政治家の中にも立派な志を持った方、日本という国を良くしたいと心から願っている方は大勢いらっしゃると思う。そうした方々が活躍できない、場合によっては世襲が強く国会議員にすらなれない、そんな日本の政治のシステムをなんとかできないのだろうか。


「株の金儲けの極意(?)」教えます

2006-02-25 14:43:03 | お金の話
 私は株で損をしたことがない。含み損の状態はあるが(因みに今も)、実際に損を出したことはない。投資歴5年とまだまだキャリアは浅いが、今日は皆様に私流「株の金儲けの極意(?)」を伝授しよう。

 金儲けの極意、それは、利益の出るときしか株を売らない、の一言に尽きる。バカヤロー、そんなの当たり前だろうが、という声が聞こえてきそうだが、もう少しお付き合い願いたい。利益の出るときしか売らないということは、例えば2割、3割と株価が下がったからといって焦って売らず、株価が回復するのを気長に待つということである。
 このためには二つポイントがある。一つは余裕資金でしか株を買わないこと。生活資金の一部や借金までして株を買っていては悠長に待つことなどできない。そういう意味では信用取引もリスクが大きい。そして二つめは値上がりする株(たとえ一時下がっても、将来的には上がる株)を買うことである。勿論、確実に上がる株がわかれば誰も苦労しない。要は、どの株が上がる確率が高いか、を見極めることである。

 今、住宅ローンの返済に追われほとんど余裕資金がなく、持株会(これは半ば強制的にやらされている)や投信(これは将来のためにやっている)を除き、株に回せるお金は精々70、80万円しかない。しかし、この1年で15、16万円稼いだので、20%で回っている計算になる。去年の前半は相場が悪かったので、それを考えるとまずまずだろう。

 私の株選びの基準は、割安かどうか、という点である。まず会社の業績。PBR(株価純資産倍率)が1.0前後、即ち株価が一株当たり純資産(=会社の資産価値)に近ければ値下がりするリスクは小さい。本当は時価ベースの純資産がわかると良いが、そこまではなかなか難しい。そして今後の収益見通し。ただ四季報の数字は結構いい加減なので注意が必要だ。このため同業他社と比較することが重要である。株価、利益水準、PER(株価収益率。株価が一株当たり利益の何倍になっているか)等が、その会社の実力に比して妥当かどうかを見る。

 と、言いつつ、実際は結構いい加減ですね。チャートを見て、ここまで下がったから、そろそろ上がるかなとか、えっ、ここ良い会社なのにあんな会社より安いんだ、とか。まあ、株に生活を懸けているわけではないので・・・・。
 でも、株をやっていると、アメリカの株価や為替動向、延いては世界経済の動きにも関心が出てくるので、社会勉強になります。授業料を払う羽目になるのか、ご褒美をもらえるのか、それはあなたの腕(運?)次第です。

SP盤の想い出

2006-02-24 22:25:30 | 芸術をひとかけら
ここ5年、読売日響の年間会員になっており、ほぼ月1のペースでコンサートに行っている。
恥ずかしながら、僕はコンサートでよく寝る。単に疲れていることもあれば、初めて聴く曲でよくわからずに寝てしまうことも多い。以前そんな話をスナックでしたところ、マスターが「それで良いんです。それが最高ですよ。」と言った。

マスターは続ける。
「いいですか、CDは人に聴こえない音を上下とも切っています。でも、それはおかしい。人は耳だけで聴いているんじゃない。体で、体全部で音を聴き、感じているんです。だからCDは無味乾燥というか冷たい音がする。これに対し、レコード、更には生の演奏はやさしく、心の落ち着く音です。まったく違います。演奏会で、体全体で音楽を楽しみ、心が安らぎ、そして眠ってしまう。それは至極自然なことだし、最高の贅沢です。」

 この店はマスターが半ば道楽でやっているような店だった。音へのこだわりが凄い。真空管のアンプを使い、時々鉄針でSP盤を掛けたりもしていた。雑音がひどいが、確かに暖かな音だった気がする。デジタルな世の中への、アナログ世代の抵抗、あるいは郷愁の感じられる店だった。

 事情があって、この店にはもう15年近く行っていない。先日、京橋に行った折、時間があったので、まだやっているかなと思い、探してみた。が、もう店はなかった。時の流れは容赦がない。表通りから路地を入ったこの店の辺りは以前は少し淋しかったが、今では小奇麗な店が増えている。
 もうコンサートでは絶対寝ないぞ、僕は負けないぞ、と思った。

晴れた日でもGMが見えない?

2006-02-23 21:58:09 | 海外で今
『晴れた日にはGMが見える』という本がある。もう30年近く前の本だ。ゼネラル・モータース(GM)の元副社長デロリアンによる同社の内幕暴露本である。誰それ?と思う方も多いだろうが、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムマシンに使われた車のデザイナーとしても有名な人物である。
 当時はまだアメリカの自動車メーカーに元気があったが、本にはGMの大企業病というか、官僚的で疲弊した組織の話が描かれており、その後の日本の自動車メーカーの台頭とアメリカ・メーカーの衰退を暗示していたといえる。

 ご存知のように、今、世界最大の自動車メーカー・GMが経営危機にある。諸悪の根源として労働組合UAWの存在が挙げられている。GMがUAWに譲歩を続けた結果、GMの労働者は全米一の給与や医療・年金の給付水準を手に入れた。不思議だが、今のような状況になってもUAWが経営側に歩み寄る様子はない。会社があってこその従業員だと思うのだが。日本の多くの組合が給与より雇用を優先してきたのとはまったく違う。
また、GM凋落の原因としては、生産性が極めて低い(これもUAWが業務改善などの変化を拒否してきたことが大きい)、ガソリン多消費の大型車依存から脱却できず消費者ニーズの変化に対応できていない、ハイブリッド車はじめ研究開発が遅れている、等も理由に挙げられている。

 ここでおもしろいのはアメリカでGMを救おうという声が上がっていないことである。80年代に日本車の攻勢にあい経営危機に陥ったクライスラーを米国政府は救済した。しかし、今回は政府が救済に動く様子はない。この違いは何だろう。
 第一は政権の違い。クライスラーを救ったのは民主党のカーターである。これに対し今は共和党のブッシュ政権。労働者を地盤にする民主党と企業・富裕層を地盤にする共和党の違いがある。第二はアメリカ経済に対するインパクトの違い。即ち、経済が好調であり、かつ経済の中心が自動車産業などの製造業からITその他のサービス業へと変化しており、仮にGMが破綻してもアメリカ経済への影響は大きくないと考えられるのである。第三は国民のUAWへの厳しい視線ではないか。自らの税金を使って全米一恵まれた労働者の生活を維持する必要などはない。

 GMを蘇らせるには、デロリアンの車、タイムマシンに乗って時間を前に戻すしかないのだろうか。いや、今、ここで経営陣やUAWに良識を期待したい。

天然醸造へのこだわり:小豆島ヤマロク醤油

2006-02-22 22:55:05 | おいしいもの食べ隊
 ヤマロク醤油の5代目を一言で“職人”と言っては失礼な気がする。小豆島を愛し、そしてその地で育まれた醤油を愛し、その良さを多くの人に知ってもらいたいという深い愛情を持った方だった。

 小豆島の醤油の歴史は江戸時代の文禄年間に溯る。16世紀の終わり頃である。紀州の醤油造りの製法が伝わり、瀬戸内の温暖な気候の下で発展して行った。
 今でも小豆島には20軒の醤油会社があるが、昔ながらの天然醸造で醤油を造っているのはわずか3軒しかない。ここヤマロク醤油のほか2軒である。しかし他の2軒は自家消費や近隣の島々への販売が主であり、広く販売しているのはヤマロクだけだ。

 天然醸造とは、JAS規格によると、「原料である大豆と小麦を、麹菌をはじめとする微生物の力のみで醗酵・熟成させて醸造した本醸造しょうゆのうち、醸造を促進するための酵素や食品添加物を使用しないもの」を言うそうである。
 ヤマロクでは登録有形文化財に指定されている“もろみ蔵”で醤油を仕込んでいる。私達は予約を忘れてしまい突然お伺いしたのだが(本当にすみません)、5代目は暖かく迎えてくれた。ここは家内工業というか、それこそ5代目が醤油造りに精魂を傾け、家族が皆でそれを支えているといった感じであった。いや、支えているのは家族だけではない。歴史が醤油造りを支えている。木の樽、木の柱、土壁、そしてそこに棲みついた菌が醤油の味に深みを与えている。蔵を増築する際は既存の土壁の土を新しい壁に塗りこんでいるそうである。この蔵はまるで妖精、あたかも醤油の精の棲む森である。

 そんなこだわりの5代目の造る醤油は、当然、材料にもこだわっている。大豆は丹波黒豆か北陸産、小麦は北海道産。いきおい、生産できる量には限りがある。「どっちの料理ショー」を始めテレビで紹介されることも多く、最近はどうも品薄気味らしい。
 しかし、機会があれば、丹波黒豆の「菊醤」、再仕込みの「鶴醤」を是非味わっていただきたい。香りがよく、すっきりとした味わいながら甘みも持つ「菊醤」、旨みが強く、刺身が数段うまく感じられる「鶴醤」。特に「鶴醤」は再仕込み醤油の概念を覆すこと受け合いである。

http://www3.ocn.ne.jp/~yamaroku/mokuji.html

再生可能エネルギーとしての水力発電

2006-02-21 23:09:20 | 環境を考える
 鈴木京香と田村正和の戦いは鈴木京香の勝ちかと思っていたが、最近、東京ガスがおもしろい。信長やガリレオを出したり、保守的な東京ガスのイメージを払拭するCMを流している。中でも僕が気に入っているのは、海岸で女性が「私、結婚するの。黙っててごめんね」と言ったのに対し、男性が「俺も黙ってたんだけど、家で電気作ってるんだ。黙っててごめんな」といった、あのCMだ。この唐突というか、噛み合っていない、ちょっとシュールな会話がいい(ショックのあまり男性は正気を失い、とんでもないことを話し出したという想定なのだろうか?)。

 これは“オール電化 vs. ガスのコージェネによるマイホーム発電”という対決の図式だが、ところで皆さん、もっと環境にやさしいエネルギーのことを忘れていないだろうか?
 今、新エネルギーとして太陽光、風力それにバイオマスが大きな脚光を浴びているが、私は水力に注目したい。

 水力発電には大きなダムが必要であり、自然環境を破壊するは、ダム湖のせいで沈む村が出てくるは、いいことがない、と否定的な考えしかないあなた、それはまったく違う。水力発電は発電中にCO2を発生しないクリーンなエネルギーである。また、ダムが必須というわけではなく、渓流水、農業用水や上下水道施設の水でも水力発電は可能である。発電量は水の流量と落差によって決まるので、極端な話、発電量を気にしなければ水洗トイレでも発電はできる。

 “マイクロ水力発電”という言葉をお聞きになったことはあるだろうか。出力100kW以下の小規模な水力発電のことである。ヨーロッパでは多いが日本ではまだまだ少ない。次回はこのマイクロ水力発電について詳しく見ることにしたい。

一見ならぬ一湯の価値(?)

2006-02-20 23:10:08 | もう一度行きたい
 冬といえば温泉。僕は温泉が好きだ。独身の頃は一人で温泉宿をよくはしごした。まとめて本を読み、飽きたら温泉に入る。そして、また本を読み、酒を飲み、更に二度、三度と温泉に入る。日本人に生まれてきた幸せを体いっぱいに感じる。幸い、妻も温泉好きで、温泉に行く回数は結婚してからの方がかえって増えた。どうだろう、二人で行った温泉は100近いのではないだろうか。

 さて、本日はその中でも取って置きというか、なかなか行けない、でも一度は是非行って頂きたい温泉を紹介したい。
 それは、北海道、積丹半島の神恵内(かもえない)村にある「リフレッシュプラザ温泉998」である。ここは村営の何の変哲も無い施設であるが、何といっても泉質が素晴らしい。色は濁った茶色。いかにも濃厚な温泉というイメージだ。湯量が豊富で、内風呂も露天も源泉掛け流し。露天が広く、山々の緑が望め、開放的で大変気持ちのいい温泉である。

 ここはとにかく行きにくい。北海道自体遠いが、更に積丹の観光地からも遠い。近くの名所といえば隣村の泊原発(北海道唯一の原発)くらいだ。だが、ここの泉質の良さは地元では評判である。僕がここに行ったのもインターネットで最高の温泉だという記事を見たからである。村営施設だし、名前はいかにも公共っぽく工夫がない(因みに998というのは道道998号に面しているからである)。あまり期待せず、騙されたつもりで行ってみたのだが、予想をはるかに上回る最高の温泉だった。

 積丹は夏がいい。積丹ブルーと言われる青く澄んだ海、夏場のみ漁が解禁される“ばふんうに”に“むらさきうに”、そしてからっとした暑さの中、陽の光を浴びながら入る温泉。
 僕は、今度は冬の厳しい寒さの中で行ってみたいと思っているが、まずは皆さんに夏に行くことをお勧めする。

企業の品格とは

2006-02-19 23:48:06 | 最近思うこと
 「国家の品格」という本が売れている。私は読んでいないが、日本という国家に品格がない、ないしは品格を失ったから、こうした本が書かれたのであろう。
 では、企業の品格はどうか。最近のニュースを見ていると、残念ながら品格のない企業が多いと言わざるを得ない。耐震強度偽装問題、ライブドア、そして東横イン。新しいところでは不正輸出絡みのヤマハ発動機、ミツトヨなど。企業は儲かれば何をやっても良いということなのだろうか。
 また、品という意味では日本航空もひどい。真に会社を思う気持ちなのか、自らの保身や社内の権力抗争なのか、本当のところはわからないが、イメージダウンなど会社の受けたダメージは大きい。

 この1月に独占禁止法が改正され「課徴金減免制度」が導入された。不正行為を早く自白した企業の課徴金を減免することにより自白を促し、不正行為の発見、解明を容易にしようというものである。これは日本企業の品格がなくなり不正が増えたがゆえの対策というのではない。単にグローバル・スタンダードに合わせたものである。以前は不透明な取引慣行が新規参入の妨げになっていると非難されていた日本であるが、少しずつではあるものの、取引の透明性は高まっているだろう。

 企業の品格で問題となるのは経営者の意識である。コンプライアンスに内部監査、そしてCSR(企業の社会的責任)が重要だ、という声は最近よく聞く。しかし、なぜ必要なのかという突き詰めた議論はあまり聞いたことが無い。それがグローバル・スタンダードだから、はやりだから、といった程度ではないか。IR上必要だから担当部署を置いた、それで充分だ、といった意識が見え隠れしている。

 以前コンプライアンスの講習で、難しく考える必要はありません、コンプライアンスというのは自分の子供に見られても恥ずかしくない行動をすることなんです、と言われたことがある。とすれば、経営者にとってのコンプライアンスとは、従業員が自らの子供もこの会社に入れたい、と心底思うような会社を作ることではないだろうか。従業員から愛され、社会的に尊敬される会社。口で言うのは簡単だが、それは極めて難しい。

あなたは「グリーンジャンボ」を買いますか?

2006-02-18 21:30:05 | お金の話
 グリーンジャンボ宝くじが販売されている。さて、この宝くじ、我々一般庶民の強い味方か、売り切れる前に早く買いに行くべきだろうか。

 宝くじの配当率をご存知だろうか。配当率とは「当選金額÷販売金額」、つまり宝くじを売った金額の内、どれだけ当選金額に使っているか、という数字である。で、宝くじの配当率はなんと5割弱に過ぎない。これに対し競馬の配当率はおおよそ75%。そう、競馬の方が宝くじよりずっと当たる確率が高い。ところで、宝くじの残りのお金はどこに行くのだろう。

 宝くじの販売金額の4割は自治体の収入になる。そもそも宝くじは自治体の資金調達のために始まったものである。宝くじを買った一般庶民はたいてい損をするが、胴元である自治体は必ず儲かる。人の弱みに付け込んだ阿漕な商売だ。それなら自分で宝くじを売ろうと思っても、それは刑法第187条で禁止されている。さすが、お上のやることに抜け目は無い。

 そして、これだけならまだしも宝くじの販売金額の2割弱は経費に消えている。事務を行うM銀行の費用、CM・宣伝(例の所さんの)費用、それに販売者への手数料などである。宝くじはM銀行が販売していると思っている人が多いが、それは違う。特定の業者が販売しているのである。この宝くじの販売方法は戦争未亡人対策から始まった。手に職のない女性でも宝くじを売って生活できるようにとの配慮なのである。当時は大変意味のあった施策といえる。しかし、戦後60年経った今はどうか、単に一種の利権と化している気がしてならない。

 小泉さんの改革の総仕上げの一つに「宝くじ改革」をお願いしたい。自治体の取り分を4割から3割程度に下げ(1割は歳出削減で吸収し増税しない)、他の経費の部分は競争入札にして大幅にカットする。販売はコンビニでいいし、ネットでもいいと思う。配当率を60%台後半まで持っていけないだろうか。これをやれば小泉内閣の支持率回復は間違いない(?)。

 しかし、しかしである。宝くじが割に合わないものだと頭で解ってはいても、やはり止められない。1億、2億当てて、毎日縁側で日向ぼっこの生活だ、と思うと買わずにはいられない。口惜しいが、本当に上手い商売である。

TGIF. ワインを片手に夜を楽しむ

2006-02-17 23:49:37 | 芸術をひとかけら
 今日は金曜日。1週間の仕事の終わり。リラックスし、ワインでも飲みながら夜を楽しみたい。こんなときのお伴といえば・・・・、何? そうね、ジャズといえばバーボンのイメージだし、クラシックはコーヒーか紅茶かな。じゃあ、ワインを飲み過ぎて身を持ち崩した芸術家の話。って、そんなの聞いたことがない。これがウォッカやブランデーならありそうだけど。とすると映画か本かな。決定、では今日は本の話。村上春樹の話にしよう。何のことは無い、今、彼の本を読んでいて、たまたま手近にあったからだが。

 今「ノルウェイの森」の英語版を読んでいる。日本語版は上下2巻だったが、英語版は1冊だけ。得したのか損したのか微妙である。僕は日本語版の初版を持っている。この本がベストセラーになったとき、上巻は赤、下巻は緑に金色の帯だった。だが、初版は赤には赤、緑には緑の帯。ちょっとやぼったいが、いつの日か価値が出るかもしれないと本箱の奥に大事にしまってある。

 なぜ「ノルウェイ」の初版を買ったかというと、その前に出た「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んで、すっかり彼のファンになったからである。僕は彼独特の言葉遣いというか、表現の虜になった。「世界」は二つの話、“世界の終り”と“ハードボイルド・ワンダーランド”が交錯して進み最後には両者が結び付いて、というよくあるといえばよくあるパターンの話である。しかし、展開が本当にエキサイティングで、それこそ翌日仕事なのに、夜中の2時か3時まで掛けて一気に読んだことを覚えている。
 で、その内容だが、それは是非ご自分で読んで確かめて頂きたい。何を隠そう、よく覚えていないのである。たいていの彼の本は何度か読み返しているが、この本だけはもう一度読むことができない。600ページを越す大作だというのもあるが、改めて読み、初めて読んだときの衝撃、感動を無にしてしまうのが怖いのである。

 勿論、20代のときの自分と今の自分が同じものに感動するとは思わない。しかし、そのときの本当に感動した気持ち、経験は、自分の中にずっと取って置きたいと思うのである。皆さんも、今までの人生の中で、そんな本に出会ったことはありませんか。
 僕が代わりに読んで、確かめて差し上げますから、是非それを教えて下さい。最近、年とともに鈍くなってしまい、新たな感動を求めているのです。たとえ詰まらない本だと思っても何も言いません。そこまで野暮ではありませんから。

 

ムハンマドの風刺漫画 ~ 法か宗教か、どちらに従いますか?

2006-02-16 23:45:45 | 海外で今
 ムハンマドの風刺漫画の問題は皆さんご存知のことと思う。「表現の自由」と「信仰の尊重」の対立と捉えられているが、そこにはもっと根深い問題があるのではないだろうか。

 欧米において近代化、民主化は、ルターの宗教改革に始まり、啓蒙主義、フランス革命、そしてアメリカの独立、といった流れであった。その過程で宗教による支配から法による支配へと脱皮し、国家の概念が確立した。一方、アラブ社会においては国家や法よりも宗教が優先する。イスラム教は神への絶対服従を誓う宗教だ。その憲法にも優先し、生活のすべてを規定するイスラムの教えを冒涜したことが今回の問題の発端である。

 即ち、法に支配される人々が、宗教に支配される人々の立場を考慮しなかった、ないしは考えが及ばなかったこと、そして「表現の自由」という自らの価値観で考え、彼らの価値観を無視したことが対立の原因だと考えられる。時の権力者を風刺してきたヨーロッパの文化を差し引いたところで、それはまったく褒められた話ではない。
 もっともイスラムの人々の投石、放火など行き過ぎた抗議運動についても同様に認められるものではない。テロや移民の問題(これは別の機会に書きたい)が話を複雑にしているが、自らの価値観、立場を尊重して欲しいなら、他の価値観を尊重すべきである。

 文化や価値観にどちらが優れている、劣っているといった上下関係はない。ただ純粋に違いがあるだけである。このことを忘れてはいけない。驕ってはいけない。

 

(ウルルン調で)“おいしいもの食べ隊”が小豆島で究極のしょうゆに出会った~

2006-02-15 23:41:20 | おいしいもの食べ隊
 まずは隊の構成から。隊長:妻。とにかく食へのこだわりが(ついでに酒へのこだわりも)強い。まずいものを食べるくらいなら何も食べない方がいいという哲学の持ち主。副隊長兼雑用係:僕。おいしいに越したことはないが腹が減ったら何でもいい、といった程度の食へのこだわり。

 個人的には食への閾値というか、満足する基準の低い僕の方が幸せではないかと思う。ただ、本当にうまいものに出会ったときの妻の顔、この世に生まれてきて良かったという至福の顔を見ると、その自信の揺らぐことが多いのも事実だ。
 そんなとき、妻はシェフにおいしかったとお礼を言い、状況が許せば、料理について、ああだこうだと話をする。隠し味がなんだとか、○○(何それ?っていうマニアックなもの)が入っていたとか、そんな類の話だ。僕にしてみると、量子力学がどうだとか、今年のパリコレがどうだとか、それと同じくらいわからない話である。

 さて、水曜日はこんな二人の“おいしいもの”を求める修行の(?)記録である。初回は小豆島のしょうゆの話。別にしょうゆを探しに小豆島に行ったわけではない。たまたま1月の3連休にマイレージで交換できたのが東京-高松の往復だっただけの話である。しかし、これが出会ってしまったんですね、究極のしょうゆに。
 気を持たせておいて何ですが、ここからが本題。書くと長いので続きは次回に。
あしからず。

 

備前は備前焼だけじゃない~環境にやさしいエネルギーでまちづくり

2006-02-14 21:12:39 | 環境を考える
 やきものが好きだ。中でも備前焼はお気に入りの一つ。素朴だけれども、暖かく、そして力強い。家には備前特有の窯変、牡丹餅のある皿を飾っている。が、今日の本題は別の話。備前みどりのまほろば協議会 http://blog.drecom.jp/bizen-midori/の話だ。

 備前市は平成17年度の環境省「環境と経済の好循環のまちモデル事業(平成のまほろば事業)」のモデル都市に選ばれた。全国で10ヶ所あるうちの一つだそうだ。市民、事業者、行政が協力し、地球温暖化防止のために行動しようというプロジェクトである。
 自然エネルギーの生産と効率的な節約というテーマの下、「炎と陽と倹」という三つの事業が行われている。「炎」は備前焼に欠かせない薪を使ったストーブ、即ち木質バイオマスの利用。「陽」は太陽熱の利用。最後の「倹」は省エネ、エスコである。なんでも倹は閑谷学校の建学精神の一つらしい。

 この協議会の存在はある展示会で知ったのだが、おもしろいなと思ったのは、広くボランティアの参加を募っているのに加え、市民に出資を求めている点である。出資金は環境にやさしいエネルギー設備を導入する事業に使われる。人間、不思議なもので、身銭を切ったものには関心が向く。多くの日本人は、国民の義務というものの、強制的というか半ば自動的に取られる税金の使い道には関心が薄い。環境問題を考えるこの事業が市民の間に根付くことを期待してやまない。環境問題は、ゴミを減らす、きちんとゴミを分別するなど、まずは身近な問題として捉えることが必要であろう。

 因みに、明日は水曜日、燃えるゴミの日だ。わが家でゴミ出しは私の仕事。出勤前の貴重な時間をゴミに取られ、地下鉄の駅まで走ることもしばしば。そう、やはり環境問題は身近な切迫した問題なのである。