ムハンマドの風刺漫画の問題は皆さんご存知のことと思う。「表現の自由」と「信仰の尊重」の対立と捉えられているが、そこにはもっと根深い問題があるのではないだろうか。
欧米において近代化、民主化は、ルターの宗教改革に始まり、啓蒙主義、フランス革命、そしてアメリカの独立、といった流れであった。その過程で宗教による支配から法による支配へと脱皮し、国家の概念が確立した。一方、アラブ社会においては国家や法よりも宗教が優先する。イスラム教は神への絶対服従を誓う宗教だ。その憲法にも優先し、生活のすべてを規定するイスラムの教えを冒涜したことが今回の問題の発端である。
即ち、法に支配される人々が、宗教に支配される人々の立場を考慮しなかった、ないしは考えが及ばなかったこと、そして「表現の自由」という自らの価値観で考え、彼らの価値観を無視したことが対立の原因だと考えられる。時の権力者を風刺してきたヨーロッパの文化を差し引いたところで、それはまったく褒められた話ではない。
もっともイスラムの人々の投石、放火など行き過ぎた抗議運動についても同様に認められるものではない。テロや移民の問題(これは別の機会に書きたい)が話を複雑にしているが、自らの価値観、立場を尊重して欲しいなら、他の価値観を尊重すべきである。
文化や価値観にどちらが優れている、劣っているといった上下関係はない。ただ純粋に違いがあるだけである。このことを忘れてはいけない。驕ってはいけない。
欧米において近代化、民主化は、ルターの宗教改革に始まり、啓蒙主義、フランス革命、そしてアメリカの独立、といった流れであった。その過程で宗教による支配から法による支配へと脱皮し、国家の概念が確立した。一方、アラブ社会においては国家や法よりも宗教が優先する。イスラム教は神への絶対服従を誓う宗教だ。その憲法にも優先し、生活のすべてを規定するイスラムの教えを冒涜したことが今回の問題の発端である。
即ち、法に支配される人々が、宗教に支配される人々の立場を考慮しなかった、ないしは考えが及ばなかったこと、そして「表現の自由」という自らの価値観で考え、彼らの価値観を無視したことが対立の原因だと考えられる。時の権力者を風刺してきたヨーロッパの文化を差し引いたところで、それはまったく褒められた話ではない。
もっともイスラムの人々の投石、放火など行き過ぎた抗議運動についても同様に認められるものではない。テロや移民の問題(これは別の機会に書きたい)が話を複雑にしているが、自らの価値観、立場を尊重して欲しいなら、他の価値観を尊重すべきである。
文化や価値観にどちらが優れている、劣っているといった上下関係はない。ただ純粋に違いがあるだけである。このことを忘れてはいけない。驕ってはいけない。