縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
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天然醸造へのこだわり:小豆島ヤマロク醤油

2006-02-22 22:55:05 | おいしいもの食べ隊
 ヤマロク醤油の5代目を一言で“職人”と言っては失礼な気がする。小豆島を愛し、そしてその地で育まれた醤油を愛し、その良さを多くの人に知ってもらいたいという深い愛情を持った方だった。

 小豆島の醤油の歴史は江戸時代の文禄年間に溯る。16世紀の終わり頃である。紀州の醤油造りの製法が伝わり、瀬戸内の温暖な気候の下で発展して行った。
 今でも小豆島には20軒の醤油会社があるが、昔ながらの天然醸造で醤油を造っているのはわずか3軒しかない。ここヤマロク醤油のほか2軒である。しかし他の2軒は自家消費や近隣の島々への販売が主であり、広く販売しているのはヤマロクだけだ。

 天然醸造とは、JAS規格によると、「原料である大豆と小麦を、麹菌をはじめとする微生物の力のみで醗酵・熟成させて醸造した本醸造しょうゆのうち、醸造を促進するための酵素や食品添加物を使用しないもの」を言うそうである。
 ヤマロクでは登録有形文化財に指定されている“もろみ蔵”で醤油を仕込んでいる。私達は予約を忘れてしまい突然お伺いしたのだが(本当にすみません)、5代目は暖かく迎えてくれた。ここは家内工業というか、それこそ5代目が醤油造りに精魂を傾け、家族が皆でそれを支えているといった感じであった。いや、支えているのは家族だけではない。歴史が醤油造りを支えている。木の樽、木の柱、土壁、そしてそこに棲みついた菌が醤油の味に深みを与えている。蔵を増築する際は既存の土壁の土を新しい壁に塗りこんでいるそうである。この蔵はまるで妖精、あたかも醤油の精の棲む森である。

 そんなこだわりの5代目の造る醤油は、当然、材料にもこだわっている。大豆は丹波黒豆か北陸産、小麦は北海道産。いきおい、生産できる量には限りがある。「どっちの料理ショー」を始めテレビで紹介されることも多く、最近はどうも品薄気味らしい。
 しかし、機会があれば、丹波黒豆の「菊醤」、再仕込みの「鶴醤」を是非味わっていただきたい。香りがよく、すっきりとした味わいながら甘みも持つ「菊醤」、旨みが強く、刺身が数段うまく感じられる「鶴醤」。特に「鶴醤」は再仕込み醤油の概念を覆すこと受け合いである。

http://www3.ocn.ne.jp/~yamaroku/mokuji.html

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