縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

函館・青森のご当地グルメ(前編)

2016-12-28 00:01:09 | もう一度行きたい
 函館は、まさに「雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう~」の、山下達郎の世界だった。が、その雪というのが、ちらちら舞い落ちるといったロマンチックな雪ではなく、傘が壊れるような強風の猛吹雪だったが。歩くのがしんどい・・・。
 この3連休、函館と青森に行って来た。ただひたすら食べては温泉に入るという優雅な(ぐうたらな?)旅。初日こそ強風に雨と雪で散々だったが、残り2日は好天に恵まれた。初の北海道新幹線に青函トンネル、これまた初の『ラッキーピエロ』と青森生姜味噌おでん、そして久々の『梅乃寿司』(2009/5/19 来た、見た、食った!(函館編)をご覧ください)と盛りだくさんで、楽しく、美味しい旅だった。

 さて、前編では函館グルメの紹介をしたい。活イカの刺身(スルメイカはかつてない不漁だったが、もうヤリイカ漁が始まっていた)や『梅乃寿司』(相変わらず仕事が丁寧で美味い)のことは以前書いたので、それ以外の話をする。

 まずは『ラッキーピエロ』。全国的に有名なご当地バーガーの店である。“秘密のケンミンSHOW”で見て、僕はずっと気になっていた。しかし函館での貴重な一食をバーガーに使うのはもったいない気がして、今まで食べたことはなかったのである。
 今回は妻の友人の勧めもあり、意を決し“ラッピ”へ。一番人気の“チャイニーズ・チキンバーガー”のセット(@650円)を頼んだ。甘辛味の鶏のから揚げとレタスのバーガーは、メインの唐揚げは勿論、バンズまで美味しい。フライドポテトも普通のポテトではない。チーズがとろっとかかっていて、これまた美味い。結構なボリュームだが、美味しさのあまり僕は即座に完食した。
 作り置きはしない、食材は地産地食つまりは北海道産、冷凍した肉は使わない等々のこだわり、どうりで美味いわけだ。メニューにバーガーだけでなくカレーやかつ丼まであり、もはやバーガー店の域を超えている。地元密着の大衆食堂だ。近所にお店があったら毎週のように通ってしまうだろう。

 次は『青龍軒』。塩ラーメンで有名な町の中華屋さんである。ここも有名な店だと後から知ったが、札幌育ちで味噌ラーメン好きの僕は塩ラーメンにあまり関心がなく、まったく知らなかった。妻がここの塩ラーメンが食べたいと言い、僕はビールと餃子で付き合うよと軽い気持ちで付いて行ったのである。
 ラーメンのスープが美味い。透明であっさりしているが、昆布の甘みと塩のバランスが絶妙である。こんな塩ラーメン食べたことない(もっとも僕は塩ラーメン自体あまり食べたことがないが・・・)。妻も大絶賛していたので秀逸な塩ラーメンに違いない。
 そんな僕が塩ラーメン以上に感動したのが“ザンギ(鶏のから揚げ)”。北海道民のソウルフード・ザンギを久々に目にした僕は、思わず注文してしまった。ザンギは、生姜やニンニクなどを入れた醤油だれに鶏肉を漬けこみ、から揚げにしたものである。概して味は濃い。が、『青龍軒』のザンギはラーメンのスープ同様あっさりめの味だった。イメージした懐かしのザンギと味は違うが、熱々のザンギはとても美味しかった。“ラッピ”のチャイニーズチキンも美味しかったが、から揚げとしては『青龍軒』に軍配が上がる。次回は他のメニューも食べてみたい。

 と、函館では、朝市で活イカとビール、寿司屋では日本酒、中華店ではやっぱりビールと、クリスマスとは程遠い食事だった。前回クリスマスにはシャンパンを!と書いておきながら面目ない。はてさて後編の青森は如何に。やっぱり・・・?

クリスマスには“シャルル・エドシック”

2016-12-20 00:40:12 | おいしいもの食べ隊
 先日、“シャルル・エドシック”のシャンパン・ディナーに行って来ました。シャンパンやお料理の素晴らしさに加え、かのネッド・グッドウィン氏が解説をしてくれる、ワイン愛好家にとっては垂涎のイベントです。
 えっ、「ネッドって誰?」って。そんな貴方のため(実は僕もそうでしたが・・・)彼の話は改めて書きます。今日のところはクリスマスが近いこともあり、まずは美味しいシャンパンの紹介をしたいと思います。

 シャンパンと聞いて皆さんはどんな名前を思い出しますか? おそらく飲んだことがあるかないかは別として、“ドンペリ(ドン・ペリニヨン)”を挙げる方が一番多いのではないでしょうか。続いて“モエ・エ・シャンドン”、“ヴーヴ・クリコ”といったところでしょう。結構なワイン好き、シャンパン好きの方でも、この“シャルル・エドシック”はあまりご存じないかと思います。
 というのは、代理店の関係で“シャルル・エドシック”は十数年間日本で正規に販売されていなかったからです。英米では「シャンパン・チャーリー」で有名であり、また我が国は世界で英・米・独に次ぐ第4位のシャンパン輸入国なのに、本当に残念なことでした。しかし、昨年9月から日本リカーという会社が代理店となり、久々に日本のマーケットに復活したのです。

 チャーリーというのは、創業者であるシャルル=カミーユ・エドシックのシャルル(Chares)の英語読み・チャールズの愛称です。彼は1851年、弱冠29歳で会社を設立。当時のシャンパン・ハウスが皆ロシアに販路を求めている中、彼はシャンパン未開の地・アメリカへと渡りました。彼の才能や人間的魅力もあってセールスは大成功。ニューヨークや南部の町で彼は「シャンパン・チャーリー」として知られるようになりました。ヒュー・グラント主演で彼を題材にした『シャンパン・チャーリー』(1989年)という映画が作られているほどです。
 フランスに戻った彼は、アメリカで儲けたお金でローマ時代のクレイエール(採石場跡)を購入。早い話それは地下トンネルなのですが、気温が年中10度に保たれており、シャンパンの熟成に最適な場所だったのです。クレイエールは今でも使われており、“シャルル・エドシック”のシャンパンが、そして歴史が、連綿と受け継がれています。

 さて、当日は『日比谷松本楼』の素晴らしいコース料理とともに、“シャルル・エドシック ブリュット レゼルブ”、同じく“ブリュット ヴィンテージ2005”、“ロゼ ヴィンテージ2006”、そして“ブラン・デ・ミレネール1995”が順に振る舞われました。
 この中で僕のお勧めは“ブリュット レゼルブ”。勿論ご馳走になるなら最後の“ブラン・デ・ミレネール1995”が一番ですが、如何せん、お値段が高い。1本2万円以上もします。そこで自分で買うなら断然“ブリュット レゼルブ”。モエやブーブ・クリコよりは若干お高いですが、ちょっと無理すれば手の届く価格です。
 “ブリュット レゼルブ”は、7年熟成したワインをベースに平均10年熟成したワインを加えています。その比率は60%と40%。とても贅沢なブレンドですが、この長い熟成期間が品質の高さに繋がっているのです。黄金がかった色調に、アンズ、トリュフ、ブリオッシュの香り、ミネラル感が豊富で余韻の深いシャンパンです(ご安心下さい、僕の個人的な感想ではなく、ネッド氏の受け売りです)。

 さあ、これで普段シャンパンを飲まない方でも大丈夫。シャンパン・チャーリーの由来を語り、シャンパンを的確に説明すれば、ご家族やご友人そして恋人の貴方を見る目が変わること間違いありません。クリスマスが待ち遠しい?でも、その前にまずは“ブリュット レゼルブ”を買いに行きましょう。

ノーベル賞授賞式、ディランに代わりパティ・スミスが歌う

2016-12-08 21:16:59 | 最近思うこと
 今週の月曜、12/10のノーベル賞授賞式でパティ・スミスがボブ・ディランの“A Hard Rain's A-Gonna Fall”(激しい雨が降る)を歌うとの発表があった。また晩餐会にはディランからメッセージが寄せられているとのこと。誰がそのスピーチを読むかは当日のお楽しみのようだ。

 僕はボブ・ディランの音楽をほとんど聴いたことがない。歌うというより、ギターを弾きながら、ただ歌詞を読んでいる人みたいなイメージがあって、あまり好きではなかった。おそらく僕の英語力のなさゆえ、彼の詩を、彼の世界観を理解できなかったことが、その大きな理由だと思う。このため僕は、ディランがノーベル賞受賞につき沈黙していたことにも、受賞はするが式典は欠席することにも、取り立てて何の感情もなかった。

 無論、世の多くの方はボブ・ディランが授賞式に出ない、歌わないことを大変残念に思われていることだろう。が、気落ちせず、是非パティ・スミスの歌を聴いて頂きたい。彼女は詩人であり、そして「ロックの殿堂」入りを果たした一流のミュージシャンなのだから。ディランと相通ずるところもある。

 彼女は70年代にまず詩の朗読で舞台に立った。その後音楽をバックに詩を朗読するようになり、ついには自ら作詞作曲し歌うようになった。パンク・ロックの走りである。初めのうちは一部でしか評価されていなかったが、ブルース・スプリングスティーンとの共作“Because the Night”のヒットで一躍メジャーの仲間入り。ランボーに憧れ詩を書き始めた彼女の詩は、激しく、ときに反体制的であった。そして彼女の歌声もまた激しい。
 そんな彼女の歌を僕は高校時代によく聴いていた。一番のお気に入りは“Rock N Roll Nigger”。niggerに人種差別的な意味はなく、反逆的でありながらも尊敬されるべきアウトサイダーといった意味だったと思うが、nigger、niggerと連呼するこの曲、今では放送禁止かもしれない。

 知らなかったが、彼女は十代の頃からかれこれ50年ディランのファンだという。ディランとの交流も古く、彼の前座としてツアーを回ったこともあるそうだ。そんな経緯からディランの代役として彼女に白羽の矢が立ったのかと思ったが、元々彼女は今回の授賞式で歌うことになっていたという。9月に、ディラン受賞の発表前に、授賞式でオーケストラをバックに歌って欲しいとのオファーがあったそうだ。おそらく、ディランが出る・出ない、どっちに転んでもディランと親しいパテイ・スミスなら何とかしてくれるとノーベル側は考えたのであろう。さすがノーベル、用意周到である。

 今回は彼女の方で自分の歌ではなくディランの歌を歌うことを決めたという。“A Hard Rain’s A-Gonna Fall”を選んだのは、この歌がディランの最も美しい歌の一つだから。彼女曰く、この歌は彼のランボーのような卓越した言葉使いと、人間の苦悩や回復する力についての深い理解とを兼ね備えている。
 う~ん、難しい。自分で訳しておいてなんだが、何を言っているのかさっぱりわからない。皆さん、この意味を知るため、謎を解くため、是非授賞式を見よう。パティ・スミスの歌を聴こう。YouTubeなら全部見られるはずだ。
 で、おぼろげにでも彼女の言葉の意味が分かった方は僕に教えて下さい!