縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

「まち”なかの”バル」からの、反省会

2015-06-30 00:22:37 | おいしいもの食べ隊
 6月24、25日、中野駅南口で街バル「まちなかのバル」が行われた。地元民として、やはり行かねばと思い、初日に行ってきた。が、その結果は・・・。
 中野を愛する人間として、あるいは街バル評論家として(って、実はこれが街バル2回目の初心者ですが)是非、一言言わせて頂きたい。

 はじめにイベントの概要を説明しよう。バルの参加店舗は31店舗(但し3店舗はテイクアウトのみ)。5枚つづりのチケットを前売り3,500円(当日だと4,000円)で買い、チケット1枚で各店舗ご自慢のおつまみとお酒1杯を楽しむことができる。1枚700円というと若干高い気がしないではないが、お店によっては結構お得な内容になっている。

 では、何が不満だったのか。一言で言えば、参加店舗のイベントに対する熱意が感じられなかったのである。

 地元だけあって結構行ったことのある店が多かった。今日は知らない店ばかり5軒回ろうと思ってスタートしたが、結果は4軒止まり。というのは満員で入れない店が多かったのである。4軒満員で断られ、また対象の料理がないと言われた店も2軒あった。
 本来“はしご酒”をして何軒も回ってもらう、いろんな店を知ってもらうためのイベントでありながら、肝心の“はしご酒”が難しかった。どの店もオペレーションが悪いのである。通常営業をやりながらのバル・イベントであり、まず料理の提供に時間がかかる。料理もイベントのため特に用意したというより、いつものメニューから選んだもの。バル客が来てから、作り出す店もあった。これでは回転が悪くなって当然だ。

 以前行った新富町の街バルの場合、当日は通常営業がなく、全力をイベントに集中していた。料理の多くは事前に準備されており、また参加証代わりのワイングラスを持って歩き、飲み物はそのグラスに注ぐだけ。おまけに椅子を取っ払って立ち飲みスタイルにし、キャパを広げている店も多かった。これなら回転が速い。満員で断られることなどなかった。

 しかし、これは必ずしも参加店舗の責任だけとは言えない。そもそもこの街バルが、官制のお仕着せイベントの色合いが濃いからである。
 イベントは地元の5つの商店街の共催で中野区が後援。彼らにしてみれば流行りの街バルをやったら人が来るだろうと始めたのであろうし、参加店舗にしてみれば声を掛けられたから参加しただけであろう。それに多少の義理もあれば、宣伝効果への期待もあっただろう。皆で街を盛り上げるぞ!という熱意は感じられず、街を挙げてのイベントというより、各店舗が割引クーポンを配っただけのような気がした。そう、特別なイベントというより、日常の延長線なのである。

 次回は、例えば日曜の昼間に(朝から?)バル・イベントだけやるとか、駅前広場や裏通りを歩行者天国にして大立ち飲み会場にするとか、もう少し工夫があると良い(呑兵衛の発想ですみません)。なにか目玉がないと、せっかく始めたこのイベントもジリ貧になってしまう。僕らは、先月中野にオープンした、NYで大人気というラーメンバーガーの店に行き(この店はイベントに不参加)、そんな勝手な反省会をした。

 さて、初めて食べたラーメンバーガーの感想であるが、話のたねに一度はどうぞという感じ。ラーメンバーガーは、パンの代わりに焼き付けたラーメン(どちらかというと焼きそば?)でハンバーグを挟んでいるのだが、個人的にはハンバーグはハンバーグで食べ、焼きそばは焼きそばで別々に食べたいと思った。
 やっぱりアメリカ人の味覚はわからないなと思いつつも、街バル活性化には、こうした無茶苦茶な発想が必要なのかもしれない。

サラリーマン諸氏、“ふるさと納税”をしよう

2015-06-21 13:10:46 | お金の話
 この1か月、我が家の食卓が俄然豪華になった。例えば、肉。今まではスーパーで買う名もなき牛肉や豚肉だったのが、伊万里牛や鹿児島黒豚に変わった。魚貝類もそう。家では見たことのない、生うにや蒸し鮑が食卓に並んだ。
 別に給料が格段に上がったわけでも、宝くじに当たったわけでもない。“ふるさと納税”を始めたのである。

 まず、“ふるさと納税”の制度を簡単に説明しよう。国に言わせると、“ふるさと納税”は寄付であり、特産品の送付は寄付の対価ではなく別途の行為だそうである。が、実際のところは、税金の前払いと通信販売の組合せである。
 “ふるさと納税”とは、市町村等にふるさと納税をすると、納税額のうち2,000円を超える部分について、住民税(所得割額)の2割を上限に、所得税・住民税から控除される制度である。つまり、ふるさと納税を30,000円すると、2,000円を差し引いた28,000円税金が戻ってくるのである(所得税は今年度分から還付され、住民税は翌年度分の支払いが減る形になる)。
 さらに、市町村からふるさと納税の金額に応じた特産品が届けられる。還元率(納税額と特産品の金額との割合)は4割、5割も当たり前と言われており、よってふるさと納税した金額以上のメリットが得られる、善良な納税者には本当にありがたい制度である。
 この4月からは納税先が5つ以内であれば確定申告が不要となり、より利用しやすくなった。ただ、納税額が上限(住民税の2割)を超えると、その部分は純粋な寄付というか、割の悪い通信販売になってしまうのでご注意を。

 “ふるさと納税”の本来の趣旨は、都会から地方への税収移転、地方再生の支援である。しかし、“ふるさと納税”で地方が潤ったとしても、それがめぐりめぐって国全体の税収増に繋がるかは疑問である。厳しい財政事情の下、“ふるさと納税”が広まるにつれ、還元率の規制であるとか、上限額(今年1割から2割に増額されたばかりであるが)の引き下げであるとか、制度が見直される可能性は高いと思う。
 収入をしっかり把握され、かつ節税策の乏しい我々サラリーマンとしては、せっかくの“ふるさと納税”、今のうちに使わない手はない。

 最後に、その使い勝手について一言。僕は2か月で10市町村に“ふるさと納税”をした。Web上で申し込みやクレジットカード決済のできる先しか選んでいないので、申込み自体はとても簡単だ。ただ問題は配送。Web上で配送日時の指定ができたのは僅か1か所。大まかな曜日や時間帯の指定のできる先が1か所あったが、他は皆出たとこ勝負。先方の都合に従うしかなかった。
 もっとも“ふるさと納税”は通信販売ではなく、先方のご厚意だと思えば文句の言えた義理ではない。また特産品の収穫や漁の時期の問題から配送自体が随分先になるケースもあり、日時指定にそぐわない面も確かにある。しかし、しかしである。日中家にいない僕にとって、日時指定は極めて重要。特に生もの。先日家に帰ったら、生うにが届いたとの不在通知があった。時刻は7時過ぎ。電話したところ今日の再配達は無理だと言う。なんと受付は6時が締切だそうだ。明日、あさっては夜遅いので今から取りに行くと言ったところ、9時過ぎまで事務所に人がいないと宣う・・・(結局、僕は食事を我慢し、9時過ぎに某S急便に取りに行った)。

 市町村の“ふるさと納税”ご担当の方、せめて生ものは、業者の方から事前に配送日時の調整、いやせめて日時の連絡をもらえるようにして欲しい。それが無理であれば、せめて再配達の対応が良いヤマト運輸を使って頂けると有難い。せっかくの特産品、美味しい状態で届けることがそのファンの増加に、延いては本来の趣旨である地域振興にも繋がると思うのだが如何だろうか。
(僕は鹿児島県曽於市を応援します。黒豚最高!)

藤田 田(でん)氏の夢 ~ マクドナルドが “きつねうどん” になる日

2015-06-15 22:12:55 | お金の話
 今、日本マクドナルドが苦境に立たされている。昨年の異物混入問題以降、顧客離れが止まらず、2014/12期は218億円の最終赤字。今期はさらに赤字が拡大する見込みである。
 かつての日本マクドナルドの栄光を知る人間として、また創業者 故・藤田 田(でん)氏のファンである僕としては、やはり悲しい。

 海外で“McDonald's”のことを “マクドナルド”と言っても通じない。英語では“マクダーナルズ”が正しい。これは藤田氏が、日本語は3字区切りが良いと、米国本社の反対を押し切って決めたのである。
 彼は出店場所でも米国本社に反対した。米国では店舗は郊外型が主流。当然、日本でも1号店は東京近郊での出店を求めてきた。しかし、彼は東京のど真ん中、銀座での出店を譲らない。新しいものを売るには流行の最先端・銀座しかない、銀座で成功すればハンバーガーは全国に広まると考えたからである。1971年7月、銀座三越にマクドナルド1号店が開店。彼の読み通り、銀座1号店は大成功。1店舗当たりの1日の売上高の世界記録をたたき出した。
 僕は、小学校の高学年の頃だろうか、この話を氏の著書『頭の悪い奴は損をする』で読んだ。そして、僕以上に氏の著書に感銘を受けたのが、あの孫正義氏である。もっとも、これが凡人と天才の違いであるが、藤田氏の著書(注:氏が『頭の悪い~』の前に出版した『ユダヤの商法』)に感動した当時高校生の孫氏は、教えを乞うため藤田氏に会いに行き、アドバイスをもらったそうだ。藤田氏がいなければ今のソフトバンクはなかったかもしれない。

 この藤田氏が率いた日本マクドナルド、70年代は本当に輝いていた。米国の文化、豊かさの象徴の一つであり、若者の憧れであった。銀座の歩行者天国を歩きながらハンバーガーを食べる姿は、日本とは思えない光景だった。
 当初マクドナルドは、ハンバーガーそのものの味というよりは、ファーストフードという新たな業態に、つまり作り立ての商品がすぐ出てくることや、笑顔の接客、清潔な店内等の新しいサービスが評価され、急成長したと思う。それが、店舗が増え、皆がマクドナルドに馴染むにつれ、便利さ、手軽さが大きな魅力となり、最近では価格の安さが一番のウリになっていた。必ずしも味が成長の一番の要因ではないだろう。
 ところで、藤田氏は関西の出身で、ご自身はハンバーガーよりきつねうどんをこよなく愛すとのこと。ハンバーガーを毎日は食べられないが、きつねうどんは毎日でも大丈夫だという。きつねうどんが氏のいわばソウルフードなのである。
 
 僕は、今のマクドナルドの危機の原因が異物混入だけにあるとは思わない。現に先日販売を再開したペヤングは売れに売れているではないか。
 ハンバーガーはこの40年で日本中に広まったが、残念ながら日本人のソウルフードになったとは言えない。日本人のソウルフードといえば、やはり“おにぎり”。ハンバーガーはコンビニのおにぎりに勝てなかったのである。そして、悲しいかな、“ラーメン”や“きつねうどん”にもなれなかった。
 もちろん、これは今現在の話である。マクドナルドを食べて育った子供が、大きくなって自分の子供にマクドナルドを食べさせ、その味が受け継がれて行く。マクドナルドが、それこそ関西人にとっての“きつねうどん”になる。これが藤田氏の夢であったし、そんな時代がいつか来るかもしれない。

(そのためにはマクドナルドにもっと美味しくなって欲しいな。でも、米国本社との契約上、日本人に合った独自の商品開発には制約があるのかな・・・。)