すっかり9月の雨ですね。
実家の庭の木々たちにはちょうど良いお湿りです。
先日久しぶりに再会した女友だちと恵比寿のフレンチレストランのテラスで昼食。
緑のあるテラスはいいなあ、なんですが、もうちょっと広いテラスだともっといいなあ。中庭ほどもなくて、坪庭くらいかな。 室内は女性好みのちょっと古めかしいヨーロピアンロマンチックインテリアで、すこしこそばゆいくらい。
前菜の中にあった、今日のスープは何ですか?「ゴボウのスープです」
「ああ、じゃ、ちょっとやめておきます」と即答しましたところ
「ゴボウと言っても、サルスィフィsalsifisという西洋のゴボウで」と、日本のゴボウのイメージとは違い、美味しいですよ、とおっしゃりたいお気持ちはじゅうじゅう理解できたのですが・・・。
このサルスィフィという西洋ゴボウ、日本にはない野菜です、たぶん。
私が何十年もまえにパリでホームステイをした時に、私があまりに少食なものだから、マダムが何を作っていいか困ってしまって、窮してテーブルに登場させたのが、このサルスィフィの水煮。スーパーで缶詰で売ってるんですよ、高くない。セロリの水煮みたいな感じ。縦長の缶。
なんで、パリに来たばかりの日本の若い女性に、西洋ゴボウなのか、よくわからない選択ですが、私も遠慮してその困惑を伝えることをしなかったので、毎度毎度、お昼にこのサルスィフィが登場するようになり、そういう悲しい思い出と結びついているので、おそらくはフランス料理のサルスィフィのクリームポタージュは美味しいに違いないと思いつつも、どうも「じゃ、それ」と言えない理由があったのです。
食事のトラウマってけっこう尾を引きますよね。
最初のディナーの主菜も「ラパン/兎」でした。日本人が兎を食べないのを知らなかったマダムの無邪気な選択ですが、添えられていたクリームソースが美味しかったのでこちらはトラウマになっていません。
今でも積極的に食べようとは思いませんが・・・。