Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

心を込めて「Like a Rolling Stone」

2004年01月19日 | old diary
 心を込めて「Like a Rolling Stone」。

 ボブ・ディランの音楽を心の友にして15年以上がたつが、今ほどこの曲に感動したことはないような気がする。33歳の最後に映画館で聴いた「Like a Rolling Stone」。34歳の最初に下北沢のアパートで聴いた「Like a Rolling Stone」。そして昨日、自分の部屋で聴いた「Like a Rolling Stone」。この曲を僕はこれまでに数えきれないほど聴いているというのに、今になって、どうしてここまで心が震えるのだろう?

 昨日、僕が部屋でしていたこと。レコードをターン・テーブルにのせる。しっかりとジャケットを飾る。歌詞カードを手にもち、プレーヤーのスイッチを入れる。あとはディランと一緒になって歌う歌う歌う。大きな声で歌う。曲が終わる。はい、頭からもう一度。イントロが流れる。歌詞カードをじっと見つめる。あとはディランと一緒になって歌う歌う歌う。大きな声で歌う。そのくり返し。
 いい加減飽きたところで、ギターを弾く。曲はもちろん「Like a Rolling Stone」。ギターをかき鳴らしつつ、ひたすらに歌う歌う歌う。大きな声で歌う。そのくり返し。

 最後はなんだかアホらしくなってやめたんだけど、なんでこんなことをしてたのか?と問われたとき、その理由を説明する言葉はただひとつしかない。「衝動」である。若きボブ・ディランの歌声に宿るピュアな力に、僕は突き動かされたのだ。吐き捨てられる言葉に込められた剥き出しの純粋さに、いてもたってもいられなくなったのだ。そうなるとどうなるかって?つまり、こうなるってわけでして。叫び出したくなるってわけで。おーいぇー。

 しっかし、ディランってなんでこんなに凄いんだろう。巨大過ぎてわけわかんないよ。この名曲の訳詞はこちら。この歌でディランが突きつけてくる怒りを、僕はしっかりと受け止めていきたいと思う。

  さぁ、彼のところへ行くんだ
  呼んでるぜ 嫌とは言えないはずだ
  なにもない時は なにも失わない
  今のあんたは透明だ 
  あんたには隠すような秘密などない