「dot.comの時代は終わった。コンピュータを専攻していた大学生はいい就職口がない。ITの時代が再来するまで、大学院に入ってじっと待つしかないのか。」
「でも、金がない。大学院にも入れない。どうすればいいんだ。」
インターネットで金になる情報を探してみた。あるウェブサイトを見つけた。
「フリーランサーが集まっているサイトさ。チームを組んで大きな会社の仕事を請け負う。チームに入れるかどうかは腕次第。」
ラッキーだった。俺はメンバーに選ばれた。簡単な仕事。ウェブのテンプレートを作る。それだけで大金が手に入った。
「アウトソーシングをフリーランサーのグループで請け負う。古臭いような気がしたけど、凄いアイディアかもしれない。」
いろいろなウェブサイトを見て回った。似たようなサイトがいくつかあった。もちろん全部に登録した。
企業はまだフリーランサーに仕事をまかせようなんて考えちゃいない。でも、たぶんそういう時代にシフトする。さきどりして、うまくやれば、きっと成功する。
たとえば、翻訳。
プロジェクトごとにチームを編成する。Wikiを使えば、どこにいようと共同作業ができる(翻訳メモリをネットワークでつなげてもいいけど、ツールを持ってる人は有限。そういうツールが必要なプロジェクトのときはまたメンバーを集めればいい)。
ただし、IP電話やWikiやブログなどツールが揃っていても、そして、それを使いこなせても、他人とのコミュニケーションをうまくとれなければ、地理的に離れた状態での共同作業は難しい。フリーランサー集団がアウトソーシング事業に参加するには、そういったコミュニケーション能力を鍛えておく必要があるね。