翻訳者魂

人間は関係を持ちたい。人間は知られたい。人間は参加したい。人間は貢献したい。人間は自分に価値があると思いたい。

返信が看板に ウェールズ

2008-11-01 22:09:38 | 翻訳
日本の翻訳会社のコーディネーターは英語がわかるので、ウェールズのような事件は起こらないと思う。

ウェールズでは公共の標識は英語とウェールズ語の二つの言語で書くらしい。このときもいつもと同じように、役場の担当者はウェールズ語への翻訳を依頼した。

「住宅街。大型車両通行禁止。」

翻訳事務所からウェールズ語で次のようなメールが届いた。

「席をはずしています。原文を送信してください。」

担当者は原文の翻訳と勘違いして標識の作成をすすめた。

出来上がった標識は町に設置された。道行く人々はびっくり仰天。ぜんぜん意味がわからない。

ウェールズではこういう翻訳ミスはたくさんあるらしい。

E-mail error ends up on road sign

翻訳を仲介する人はちょっとはその言葉をしらなきゃね。

安西徹雄の翻訳への想い

2008-06-08 16:48:01 | 翻訳
シェークスピアを原点に翻訳に熱い想いを抱き、若い翻訳者を鍛え、育ててきた安西徹雄氏が亡くなった。彼の文章には英語に対する愛、日本語に対する愛、翻訳に対する愛が溢れていた。今回は、ぼくがとても感銘を受けた部分を紹介することにする。


翻訳という仕事を愛すること。

翻訳というのは、決して楽な仕事ではない。今も言うように、英語についても並大抵ではない知識を必要とするし、日本語についてもまた、人並み以上の表現力がなければならない。けれども、皮肉なことに、英語がろくにわかっていない段階なら、逆に安易なところで満足もできるだろうが、英語がわかってくればくるほど、安易な翻訳ではとても満足できなくなるし、日本語の感覚が豊かになればなるほど、自分の文章の貧しさが腹立たしくなってくるものだ。「翻訳者は反逆者」などとよく言うけれども、経験をつみ、多少は事情がわかってくるほど、英語に対しても、日本語にたいしても、自分がどれほど大きな裏切りを犯しているか、痛切に思い知って、ひどく孤独な気分に落ち込んでしまったりもするのである。

それに、世間的な評価という点でも(そんなこと、どうでもいいといえばそれまでだが)、訳者は必ずしも正当な評価を与えられてはいない。ある意味では、創作をすることよりも大きな、多面的な能力や努力を必要とするというのに、翻訳者が原作者より褒められる - 少なくもと同等の評価を与えられることなど、まずない。というよりむしろ、それが翻訳というものの性質上、当然であるというべきかもしれない。原作より翻訳のほうが読者の注意を引いてしまっては、そもそも翻訳としては失敗かもしれぬからだ。

いずれにしても、世間的に、翻訳者はそれほど高い評価を与えれれてはいないし、自然、経済的な報酬の面でも、それほど恵まれていないのが一般と言っていいだろう。

それでもなお、大きな努力を払って翻訳の仕事を続けてゆくためには、結局、翻訳というもの自体にたいする熱い愛がなくてはならない。翻訳という仕事を愛すること - すべてはそこから始まり、そこに終わる。翻訳でもやってみようかとか、どうせ翻訳しかできないからといった安易な気持ちでは、それこそ、どうせつまらない翻訳しかできっこない。翻訳を愛すること - しかし、それは結局、もっと大きな愛に根ざしたものと言うべきかもしれない。言葉への愛である。言葉を愛することである。それがアルファでそれがオメガだ。

(出典: 翻訳英文法)

ぼくが誤訳をするわけ

2007-12-17 15:21:51 | 翻訳
大リーグ薬物汚染に関するミッチェルレポートの内容を一部翻訳してここに掲載したところ、読者から誤訳を指摘された。間違いを修正する機会を与えていただきとても感謝している。

英文を読むときは、わからない単語があっても、文のかたまりをバッバッバッっと見て、次の文章のかたまりに飛ぶ。たぶん、頭の中で自分でストーリーを作ってしまうのだろう。目はそれを後追いするだけ。いや、もう文章を見てないかもしれない。

ときに、頭が暴走してストーリーをドラマチックに作りすぎてしまうことがある。目玉は文章を追っているのだけれど、自分勝手な訳にのぼせ上がってしまう。これがこわい。

ん?さん、ありがとうございました。ぼくは頻繁に暴走してしまいます。これからも変な箇所があれば、ビシバシとご指摘よろしくお願いします。

"a"にするか"the"にするか何もつけないか? 冠詞はほんとにむずかしい

2007-12-15 15:16:25 | 翻訳
BBCの記事を見ても、アルジャジーラの記事を見ても、MLBの記事を見ても、冠詞ばかりを気にしている。

二酸化炭素排出規制に関する"a document on cutting greenhouse gas emissions"、松井のトレードの関する "a five-year, $60-million deal"、韓国軍のアフガン撤退に関する "part of a pledge South Korea gave to the Taliban"など、冠詞部分だけに注意して読んでいる。

そんなことばかりやってると、だんだんと冠詞の感覚が掴めてくる。「初出の文書、おっと内容を説明しなきゃ」とか「総額6000万ドルの5年契約だが、内容はまだはっきりしていないのだな」とか、「韓国はタリバンにほかにも何かを供与しているのだな」とかおぼろげに伝わってくる。

なにかひとつに集中してものごとをすすめると、ちょっとは進歩するのかも。まちがってるかもしれないけどね。

辞書のおもし

2007-12-13 16:27:23 | 翻訳
20年くらい前は紙の原稿や資料が結構あったので机の上はぐちゃぐちゃだった。今は、バイナリの原稿や資料を渡され、さらに辞書も電子辞書なので作業中はモニター画面ばかり見ている。

それでも、たまに紙の辞典を開くことがある。「ふむふむ」とわかったつもりになってモニターにむかい、キーを打とうとしたそのときは、辞書の内容を忘れている。もう閉じちゃってるし、あ~あ開くのがめんどう。

男のグッズにいいものを見つけた。この洗濯バサミのようなブックストッパーを自分で作ればいいんじゃないかな。


PDFファイル閲覧ソフト

2007-12-13 16:06:18 | 翻訳
翻訳の元原稿としてPDFファイルを渡されることが多い。参考資料がPDFファイルの場合もある。PDFファイルを見るには、Adobe Acrobat Readerを使うのだが、起動や処理が遅い。

偶然SumatraPDFというソフトの存在を知り、ダウンロードしてみた。サイズがとても小さいのでダウンロードはすぐに完了。一般的なソフトはダウンロード後インストール作業をしてから使うのだが、SumatraPDFはインストールをする必要もない。

PDFファイルの関連付けをしてから、PDFファイルをクリックすれば、あっという間にファイルが開く。拡大縮小やページ送りといった作業上必要な機能はそろっているのでAcrobat Readerの代わりに使えそう。USBメモリに入れて持ち歩いてもよさそうだ。

翻訳者魂のホンヤク

2006-01-23 17:11:13 | 翻訳
翻訳をしてみましょう。

次の中から言葉を選んでください。

英語 を 日本語 にします。

日本語 を 英語 にします。

英語 を フランス語 にします。

英語 を イタリア語 にします。

英語 を ポルトガル語 にします。

英語 を スペイン語 にします。

英語 を ロシア語 にします。

フランス語 を 英語 にします。

イタリア語 を 英語 にします。

ポルトガル語 を 英語 にします。

ロシア語 を 英語 にします。

スペイン語 を 英語 にします。

ケネディ暗殺はキューバの陰謀

2006-01-05 10:55:46 | 翻訳
キューバの元諜報部員オスカー・マリアーノの証言。

「キューバのシークレット・サービスG2が、リー・オズワルドを使ってケネディを殺しました。キューバは、革命に反対し、カストロの暗殺を企んでいたケネディを生かしておけなかったのです。カストロが暗殺に関与していたか? それは、私の口からは言えません。」

オズワルドは海軍の優秀な狙撃兵であり、妻はロシア人だった。ロシアに3年間居住。オズワルドは自らを共産主義者と名乗り、キューバーの熱心な信奉者だった。キューバの諜報機関は、オズワルドがロシアから帰国すると、すぐに彼に接触した。

「オズワルドは憎悪に満ちていました。われわれが彼に面会したとき、彼にはすでに暗殺という考えがあったようです。」

当時の米国軍事顧問で後の国務長官であるヘイグ氏の証言。

「ケネディの後を継いだジョンソンは、カストロが米国大統領を殺せるだけの力を持っているということを米国人に悟らせることはできない、と語りました。キューバ政府がケネディを殺したということを死ぬまで口外しなかったのです。」

JFK assassination 'was Cuba plot'

デスパレートな妻たち: 海外ドラマの日本人

2005-12-31 02:59:14 | 翻訳
うちのテレビの2ヶ国語放送機能は壊れています。

先日、TBSで「釣りバカ日誌」を録画していたので、「Desperate Housewives」を英語で聴けませんでした。

はじめて日本語で聴いてビックリ。

ガブリエルが雇っている家政婦、以前主人に「中国では靴下を手にはめて掃除するの?」と訊かれて「私は日本人です。」と応えていたような気がします。

一昨日の日本語放送では、その家政婦が中国人として紹介されていました。

同じ人が日本人になったり、中国人になったり。なぜなんでしょう?

スタートレックのテレビシリーズでは、乗組員のアジア人の名前は「ミスターカトー」だったと思うけど、原作では中国人じゃなかった?

どちらもうろ覚えで聴き取りミスかもしれないけど、ヒーロー度によって、中国人にしたり日本人にしたり、テレビ局っていろいろ考えてるんですね。

フィリップマーローが活躍する「Poodle Springs」に登場する聡明な召使いは日本人だったなあ。NHKがドラマを作ったら彼は中国人になるのかな?それとも日本人?

デスパレートな妻たち

イヌやなか、ネコやなか

2005-12-12 22:51:19 | 翻訳
駅前ば歩いとぅと、

「はやく渡りんしゃい」
「はやくしときぃよ」
「うごきんしゃい」

ちゅう声がするたい。

なんや?と声のするほうば見っと、
若い男女3人がおおきな美しか毛並みの
いのししば取り囲んでおる。

いのししは、交差点の真ん中で微動だにせん。

あぁ、あれもペット。

ここは東京
ディズニーランドが見える町。


機械翻訳

2005-12-04 17:25:52 | 翻訳
ロシア語を英語に翻訳する機会があったので機械翻訳を使ってみた。なかなか良い出来栄えで驚いた。日本語から英語への翻訳でも、主語述語を補充し、英語のような日本語を作ってから、機械翻訳にかけると、かなり読める結果を得られる。英語を間にはさまない翻訳だとどうなるのだろう?たとえば、このホテルはイタリア語を日本語に機械翻訳した紹介文をそのまま載せているようだけど、これは・・・

いったいなんとコメントすればよいのだろうか?

ROMA TURNER HOTEL

Skype自動応答

2005-10-30 02:28:35 | 翻訳
Skypeって知ってわよね?今、Skypeの自動応答装置を作ってるの。

コンピュータの傍にいなくても、Skypeを受けられるってやつ。たまにはサッカーもしたいしね。

ボイスメールとおんなじじゃない?って思うでしょ。ちょっと違う。

ボイスメールは、PCを立ち上げてなくても、あとで受け取れるでしょ。自動応答装置は留守番電話と同じ。電源を入れてないと、メッセージは受け取れないの。

でも、Skypeのボイスメールはお金がかかるから、自分で自動応答装置を作ってる。おもしろいしね。

続きは -> Skype Answering Machine