二日続けて母の話題。
このところ、OT園では夕方に何人かの入居者を集めて、レクリエーションを実施している。
5~6人とヘルパーさんで、しりとりをやっていたり、今日はカルタ。
これがテーブルを囲んでカルタをしている姿。
私の顔を見ても、とにかく勝負に夢中な母は「今、カルタだから」と私の方は見向きもしない。
仁王立ちになって、テーブルの上のカードを睨み付け、読み上げられた札を勢いよくとる。
「葦の髄から天井覗く」
「ハイ!」
読み手もご老人。
読み手に読み札を渡すのも、お仲間。
「塵も積もれば山となる」
「ない!」
どうも、すでに読んだ札を札渡し係のご老人が読む方に混ぜて、何度も何度も同じ札を読み上げているらしく、ちっともゲームが終わらない。
最後の4枚を残して、「もう止めよう」と話がまとまり、それぞれが持っている札を数え始める。
母のとった札がダントツに多いよう。
そりゃそうだろう、みんな座っているのに母だけが仁王立ち、興奮しておっかない声出して、決して負けじとがんばっていたのだから。
ゲームに参加しているのは、母を含めてみなそれぞれ記憶に問題のある方ばかり(程度の差こそあれ、皆さん認知症を患っている)。
それでも、いろはかるたのことわざはスラスラ口をついてでてくるし、達者なもの。
「昔取った杵柄」と言うけれど、教養というのはたいした物だと思う。
老人の呆けとか、認知症というと、何にもわからなくなってぼうっとしたおじいさんやおばあさんを思い浮かべる人が多いけれど、日常生活には支障がある程度からぼうっと過ごすお年寄りまでにはかなりの段階がある。
大事なことを忘れたり、家族のことを間違えたり、今日が何日かわからなかったり、でも、ことわざや昔覚えたことはスラスラ出てきたり。
「まだら」なのが、この方達の特徴なのだ。
しりとりなんかもう凄い!
金剛杖→衣紋掛け→遣唐使→下総→酒蔵…
これ、この間実際に目撃したしりとり。
小学生には考えられないすんばらしい語彙力だ~!
そして、こうして日常じゃあない言葉を思い出すことがきっといい刺激になっているんだろうな。
ムチャクチャ勝ち気な母を目撃するのも、ちょっと…なんだけど、こうやっていろいろ工夫をしてくれている介護スタッフに感謝している。
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