母の誕生日は5月だったが、私の予定と上手く調整が付かず、今日は一月遅れで誕生祝いの外出。
「どこに行けるの?」と、ワクワクの母だが、いつもの駅前ホテルランチです。
「お肉が良い」といういつもの発言で、フレンチレストランでひれステーキのコースをいただく。
中庭のよく見える席で、楽しくランチの時間。
中庭には、きれいにスモークツリーが咲いている。
「あのモクモクしたものは何かしら?」
「あれは、たぶんスモークツリーという木だと思う。お母さんと一緒にオーストラリアで見たでしょう?」
「あぁ、そうだったわねぇ」
今日はこの会話かな…と思った通り、食べている間に数回(正確には8回!)この会話を繰り返した。
とはいえ、母のテーブルマナーは相変わらず立派なもの。
フォークとナイフもきちんと使えるし、誤って音を立ててしまった時には、「アラ、ごめんなさいね」という気遣いもある。
食事の合間、ちょうど前のお皿が下げられて次の料理が運ばれてくるまでの間に、「これ、一つ齧っていいかしらね?」
「ダメ!」
冷たく答える私。
お料理の合間に、角砂糖を齧るのはいただけません。
ちょっとした待ち時間が苦手なようで…。
デザートに、コーヒーをいただいたら、さすがにそれ以上お砂糖を食べたいということもないらしく、食事は無事終了。
その後、お土産用に、果物(今日はアメリカンチェリー)やおせんべい、チョコレートなどを買った。
ショッピングセンターでは、ちょうど地元の音楽祭の催しをやっていて、舞台ではハワイアンバンドが演奏中。
「聞きたい」というので、満員の客席の横に車椅子を付けて、音楽鑑賞。
端っこなので、「よく見えない」と、車椅子をあちこちに動かす。
「他の人に迷惑だから、じっとしていて」と諭すが、不満いっぱい。
ハワイアンが終わった後は、お母さんコーラス。
ガサガサしたショッピングセンターでコーラスは、声が拡散して散漫になってしまう。
母は、さんざんガサガサ動いていたが、とうとう「足がしびれて我慢できない」といい、「帰る!」という。
一生懸命歌うコーラスの人達、熱心に聞く客席の方達には申し訳なかったが、途中退席をした。
急に足がしびれて痛いのはどうしたのだろうと心配したが、客席を離れたら、足は治ったらしい。
つまり、もう聞いていたくない!、我慢したくない!ということらしい。
この我慢のなさで、最期にもう一つトラブル。
停めておいた車をホテルの車廻しまで持ってくる間、「ここで待っていてね」とロビーに車椅子を停めた。
ところが、ほんの2~3分の間にもうこちらに向かって車椅子で移動している。
「危ないでしょ!」
「だって、空が見たかったから」
そう、ほんの数分が我慢できないんです。
とはいえ、ついつい声を荒げてしまう私は、未熟者でしょうか?
ま、ま、そんなこともありながら、だいたいは楽しく外出終了でした。
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