OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

わたしの美しい娘ーラプンツェルー

2010年11月26日 | 趣味(読書・洋裁・音楽・映画)
ゴホッゴホッが止まらない!
なので、予定がなければ、家でボヤボヤ~の時間が長くなる。

となると、はかどるのは読書。
おもしろい本を読んだ。

わたしの美しい娘ーラプンツェル ドナ・ジョー・ナポリ著 ポプラ社刊

副題が示すとおり、童話のラプンツェルをもとに書かれた小説。
この作者、ヘンゼルとグレーテルを下敷きにした「逃れの森の魔女」(既読)や、ジャックと豆の木の「クレージー・ジャック」(未読、ぜひ読もうっと!)があり、こういう手法が得意らしい。

子供を産めない女が、魂を悪魔に売って手に入れた娘ツェル。
楽しい13年を仲のよい親子として過ごしたが、娘が思春期になり、外への関心、異性への興味が出てくると、母は心配になる。
この子は、いつか私を捨てて出て行ってしまう時が来る。
悩むあまり、娘を塔に閉じ込めてしまう。

娘の体の自由を奪っても、娘の魂の自由は奪えない。
愛する娘が不幸であれば、母も幸せではいられない。
塔で過ごす二年の間に、娘は自由を渇望し、母への不信を募らせる。
母は、娘を引き留めたくて、いろいろな手段を講じるが、娘の魂まで所有することができず焦りを募らせる。

一人の青年、彼は市で一度だけツェルに会い、恋心を募らせる。
身分の高い彼は、親の勧める結婚に見向きもせず、二年の間ツェルを探し求める。

そして…、というあらすじ。

一気に読み進んだ。
思いがけない形のハッピーエンドが、なかなかいい。

それにしても、子どもに対する母親の妄執。
強弱の差はあれ、私にも身に覚えがある。
「子どもは、私のものではない」、「子育てというのは、子どもを一人前の人間として、社会に送り出すことが目的」と、何度自分に言い聞かせたことか。

子育てって、とても楽しい幸せな仕事だけど、自分の幸せと子どもの幸せがイコールでなくなる時がちと辛い。
とはいえ、与えるだけではなくて、もらうものもたくさんあって、今の私を支えてくれているのも事実。

そんなことを考えさせてくれた本でした。

(娘がまだ嫁に行かないのは、私の束縛のせいではありません。いい人を連れてきてくれたら、喜んで送り出しますとも!)