エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

電気自動車での「Linux型」経営と「オープン・イノベーション」

2011-09-28 06:15:16 | Weblog
日本の電気自動車の世界では、「Linux型」経営と「オープン・イノベーション」のビジネスモデルが登場してきています。それは、電気自動車の普及を目指し、電気自動車の駆動システム、プラットフォームの技術開発・提供を行なうシムドライブです。09年に設立され、10年から活動を本格化させています。
シムドライブが目指すのは、慶應義塾大学の清水浩教授が開発した電気自動車技術に基づいた「SIM-Drive」(Shimizu In wheel Motor-Drive、シムドライブ)を搭載した電気自動車の普及です。清水教授はインホイールモーター型の電気自動車『エリーカ』などをすでに開発しています。
インホイールモーター型の電気自動車とは、通常の電気自動車がエンジンの代わりにモーターを1つ用いて自動車を動かすのに対して、車輪それぞれにモーターを持つ自動車です。通常の電気自動車と異なりモーターが車輪の部分にそれぞれついているため、エネルギー効率がおよそ2倍よく、同じ電池を使用するのであれば、2倍の性能となり、同じ電池、同じ動力性能であれば、2倍の航続距離になります。航続距離は300km、車両価格は、電池を除く車体価格を現行自動車並にすることが目標です。そして電池価格と10年間の電気料金の合計が10年間のガソリン代と同等になることを目指しています。
シムドライブのビジネスモデルは、「Linux型」経営と「オープン・イノベーション」「Linux型」です。シムドライブは、自らが電気自動車の製造や販売を行なうのではなく、電気自動車や電気自動車の部品を製造する企業と広く提携し、シムドライブの先進技術をオープンソースとして、そして世界標準として早急に普及させというものです。また、提供先企業からは製品価格の1%程度をパテント料として徴収し、年限を区切って無料にする予定です。このようなビジネスモデルが、他の日本企業に水平展開されることが期待されます。