ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

喜楽館に行ってきました

2021年10月14日 | 上方落語楽しんだで
 昨日は半日有給休暇をとって、久しぶりに喜楽館に行ってきました。午前中、お仕事。昼食を会社で食べてからゆっくりと出ても、新開地の喜楽館には余裕で間に合います、
 私は喜楽館のタニマチなので電話で予約しておけばチケットは取り置いてくれます。当日券2800円が2000円になります。
 入場しました。私の席はC列でした。A列とB列は感染症対策で使用されません。私は最前列です。手が届きそうな席です。演者さんとたびたび目があいました。お客の入りは、後ろを見ると前5列ぐらいまででした。一人おきですから20人ぐらいの入りでしょうか。平日の昼席ですが、それにしても少ないです。運営の大変さがしのばれます。上方落語を愛する心ある人はタニマチ
になりましょう。
 さて開演前は桂雪鹿さんです。この落語家さんは初めてです。桂文鹿師匠のお弟子さんですね。桂文福師匠の孫弟子さんです。きっちりと楷書の落語を演じられました。「子ほめ」を演じられました。
 さて開演です。開口一番は森乃阿久太さんです。この人も私は初めてです。若手の立場で、石段の出囃子ででてきましたから、若手だと思いますが、中堅ベテランの風情の落語家さんです。噺ぶりも落ち着いていて安心して聞けます。演目は旅ネタの「兵庫船」です。オチで出てくるかまぼこ屋のオヤジはなかなかの迫力でした。
 二番手は桂小鯛さん。お名前からわかるように桂塩鯛師匠のお弟子さんです。「時うどん」です。この噺をやるにはまだまだ気温が暑いですね。「ひっぱりな」があるバージョンの「時うどん」です。小鯛さんの師匠の師匠は桂ざこば師匠ですから、米朝一門です。米朝一門の「時うどん」には2種類あって、桂吉朝一門の「時うどん」は「ひっぱりな」がありません。
 さて、今日の色もんは内海英華姐さん。少し年を取られましたがその色香はまったくおとろえておられません。あいかわらず色っぽいです。女道楽です。三味線とおしゃべり。こんな芸は日本で英華姐さん一人だけです。世界でも一人です。
「世界で一人の女道楽内海英華です」と自己紹介。都都逸などのあと最後は三味線の曲ひき。見事なもんです。手が届きそうな所の英華姐さん。お色気の直撃をくらいました。
 仲とりは林家染二さんです。「皿屋敷」をやらはった。パワフル染二です。染二さんの噺はいつもパワフルです。それが、C列というものすごい前で聞くとたいへん。噺が物理的な衝撃となってぶち当たります。英華姐さんのお色気でくらくらパワフル染二の迫力でガンガン。もう、たいへん。
 仲入りでひと息ついたあとは森乃福郎師匠。今の福郎師匠は2代目。私が子供のころよく見た森乃福郎師匠は初代です。なかなか男までいい男の落語家さんでした。今の福郎師匠は洒脱な感じのベテランです。やらはった噺は「鶴飛脚」私は初めて聞く話です。この噺、新作です。作者は田中啓文さん。田中さんは落語にも造詣が深く、月亭文都さんと「ハナシをノベル」というイベントをやってはった。だから文都さんがこの噺をやるのなら判りますが、森乃福郎師匠がやらはったのは意外でした。
 さてトリ前は桂あさ吉さん。まくらで、最初米朝師匠に入門志望して「ワシはもう弟子は取らんのや」断られ、吉朝師匠に入門した経緯など、長いまくら。「トリ前の私の仕事は時間調整」トリはだいたい大きめの噺をやるから時間はだいだい判ります。寄席では誰がどんな噺をやるかは決まってません。前の演者が何をやったか、客の様子などを考えて、いまからどんな噺を高座にかけるのかを決めるのです。ですから演者によって高座の時間に長短がでます。でも最後の時間をだいたいは決めなくてはなりません。お客さんのこれからの都合もあるでしょう。あさ吉さんは自由に長短が調整できるまくらで時間調整をしてはったんですね。やらはったの短めの噺「味噌豆」です。
 さて、本日のトリ。笑福亭松枝師匠です。松枝師匠はいつもまくらで、「せっかくですから、みなさん、ウチに遊びに来てください」と、具体的な住所と電話番号をいわはる。これが本物かどうか判りません。ただ松枝師匠はいつもまくらでいわはるから実害はないのでしょう。やらはったのは大ネタ「宿屋仇」です。