自民党総裁選挙報道で「事実上、日本のリーダーを決める選挙」というフレーズがよく使われる。
与党第一党の自民党の党首が普通は国会の内閣総理大臣指名選挙で過半数を獲得するから正しいように思うが果たしてそうなのだろうか。
国会法第64条の規定では、内閣総理大臣指名選挙が行われるのは「内閣総理大臣が欠けたとき、又は辞表を提出したとき」と規定している。
菅内総理大臣は自民党「総裁選」に不出馬を表明しただけで9月末には自民党総裁ではなくなるが、総理大臣の辞表を提出したわけではない。
従って、国会議員の任期の10月21日まで総理大臣の職に留まることが出来きそうな気がする。
事実、「首相退任会見」は開かれていないし、職務代理者も置かれていない。
その間に政権選択の総選挙が行われるのだから結果によっては自民党総裁が自動的に国会で総理大臣に選出されるとは限らない。
そう考えると、今の自民党総裁選挙を「事実上、日本のリーダーを決める選挙」と言えるのだろうか。
これまでは「内閣総理大臣の辞職表明」があって後追いで「自民党総裁選挙」が行われており、今回は逆である。福田赳夫首相の時が同じケースと記憶しているが。
ニュース報道はラジオでしか聴いていないがどなたか〝政局解説者〟はここら辺りを解説したのかどうかは分からない。
総選挙が新総裁、新内閣総理大臣で行われたとしても直後の総選挙の結果次第で今の自民党総裁選挙で選出された新総裁の交代もあり得る。
「事実上、日本のリーダーを決める選挙」というフレーズは間違った世論誘導ではないか。それにしても決選投票に備えた〝アベコピー候補者〟ばかりで日本の舵取りは任せられない人物ばかりである。