楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
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RWC2019 いよいよ対抗戦 -2- JAPAN

2019年10月21日 | 楕円 -Rugby-

アパルトヘイト政策の撤廃を指導し、27年間の投獄を経て1994年に南アフリカ共和国の初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ氏。

自由、敬愛、正義を基調とするラグビーを通じて人種の融和と国民の団結を進めた姿が映画『インビクタス』(2009年アメリカ)に描かれている。

南アは人種差別があるという理由で1987年に始まったRugby World Cupに出場出来ず、1995年に自国で開催した第3回大会に初出場し、初優勝を飾った。ネルソン・マンデラ氏の夢が叶った。

その大会で日本はNZ・オールブラックスに大会最多失点記録となる17-145で敗れている。NZより強かった南ア。ワールドカップに出て良いものかと率直に思った。

4年前、その南アに日本は勝った。ロイター電は「史上、最も大きな番狂わせ。」と報じ、国内メディアも同様の論調だった。

しかし、私は〝Rugbyに番狂わせは無い!〟と固く信じているので、日本の力が強豪国の水準に達したと考えていた。経験的に、勝ったことのない相手にフロックでは勝てない。戦う前に上回っていなければチャンスは無い。

そして今大会を開催国として迎えた。アジアに日本ありを示し、地域でのラグビー普及を目指した。そして見事に果たした。

歴史的な巡り合わせの南アに敗れはしたが、かつては幕下と横綱ほどの差があった相手に、前半3-5で折り返すレベルに達した。決して“夢のような時間”ではないと確信した。選手は誰のためでもなく、好きなラグビーに没頭したに違いない。

「invictus」(インビクタス)とはラテン語で「屈服しない。」の意味。願わくばワントライでも取って欲しかったが、綿密な研究と想像を絶する鍛錬で裏打ちされた自信がベスト8までの道を切り拓いた。次世代へパスを繋いだ姿は感動的で羨ましくもある。

かつて日本ラグビーの理論的支柱であった大西鐵之祐氏の『接近(攻撃タックル)・展開(高速パスワーク)・連続(ボール支配)』ラグビーは今も命を持っていると感じる。

RWC2019が佳境を迎えた。4チームの戦いを観られるのは夢のようだ。

 

     〜 ラガー等のそのかちうたの短かけれ(横山白虹) 〜

 

 


RWC2019 いよいよ対抗戦 -1-

2019年10月21日 | 楕円 -Rugby-

RWC2019はポイント制リーグ戦の予選が終わって、力比べのトーナメント制の対抗戦に入った。

20日の日本と南ァの大一番の前に中継されたウェールズとフランスの試合もまた素晴らしかった。

フランスは昔からどこからもパスを自在に繋げる奔放さから“シャンパンラグビー”と呼ばれていた。

イングランド4ヵ国対抗戦に最初に外国から加わった伝統国だ。相手の流血でスタンドが湧いたという逸話もあったくらいの熱狂ラグビーが持ち味だ。

対するウェールズはシックスネーションズ(イタリアを加えた欧州6か国対抗戦)王者。炭鉱、製鉄の労働者を中心として始まり、朴訥で強靱で粘り強いラグビーが身上だ。

ディフェンスを固めた上で、強烈なスクラム、ラックで攻め込むスタイルは個人的に好きなラグービーだ。

ジャージーは炎のようなウエールズの赤にフランスの洒落た青。くっきりとしたコントラストも印象的だった。

前半はフランスが意外にも泥臭くFWが攻め込み先制し、ウェールズが伝統のディフェンスで凌ぐという展開だったが、後半、やはりフランスは顔面へのエルボーでロックが一発退場。

30分以上FW14人での戦いを余儀なくされ、踏ん張ったが終盤にNO8のトライで逆転された。

スコアは20Vs19日本で最高峰のラグビーを幾つも通しで観れることは地元開催の素晴らしさだ。

このあと、19:15から大一番があった。(つづく)