名古屋市議会が計画している海外視察に参加の意向を示していた自民の東郷哲也市議(守山区)が辞退を申し出たことが分かった。東郷市議は「台風15号で地元の被害が予想以上に大きく、復旧に向けた活動に全力を挙げたい」と説明している。
海外視察は24日から11月2日まで10日間の日程で、米ロサンゼルスやシカゴなど5都市を訪れる計画。東郷市議は当初「海外の事例を見るのは意義がある。地方議員の仕事ぶりや陽子線がん治療施設の経営手法などをしっかり視察して、市政に還元したい」と意欲を語っていた。
視察には、残る自民7人と民主2人に加え、新たに自民の岡本善博市議(中川区)の参加が決定。11日の議会運営委員会で了承され、12日の本会議で関連議案が議決される見通し。
議運委では、海外視察報告書の保存期間を5年に延長し、議会の図書室で閲覧できるように要綱を改正。市議会のホームページでも1年間、公開することを決めた。
報告書はこれまで1年で廃棄処分とされ、情報公開請求しないと閲覧できなかった。批判を受けて、横浜市や大阪市などの例を参考に対応を改めた。
海外視察報告書のほか、海外の姉妹都市を訪れる議員の公式訪問団の報告書が公開の対象となる。
今年の訪問団は、イタリア・トリノ市との姉妹都市提携5周年記念事業に参加するため、中田千津子副議長や減税日本、自民、公明、民主の市議団幹部が結成。ミラノ市とチェコのプラハ市なども訪れる。