ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「粗茶を一服」「損料屋喜八郎始末控え」「赤絵の桜」

2017-03-21 17:55:50 | 

 

「粗茶を一服」  山本一力    文藝春秋     2008.10.30

 

「損料屋喜八郎始末控え」の三作目、かな……。

 

硬い本を読む合間に、

粋な江戸っ子を描いた話で息抜き。

 

 

「損料屋喜八郎始末控え」   山本一力    文藝春秋

    平成12.6.10

 

1997年に「蒼龍」で第77回オール読物新人賞を

受賞した山本さんの、初の単行本とある。

元号だとわかりにくい。

そうか、ジャスト2000年か~。

 

寛政の世、棄捐令が出され、

景気が冷えきった江戸。

 

札差・伊勢屋の存在感がずっしり。 

 

 

「赤絵の桜」   2005.6.30

 

損料屋喜八郎始末控え、2作目。

 

胆が据わった男たちの、肚で呑み込むやりとり。

いなせ、ともちょっと違う感じ。


喜八郎がそもそも武士だし、

伊勢屋たち札差や料亭が絡んで、

下町情緒の人情話とはひと味違う。

 

三作とも再読だから、

もしかして、

何年か前に記録しているかもしれない。

比べてみるのも一興だろうが、

それはそれ、これはこれ、ということで。

 

 

 

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文旦皮ジャム、失敗の巻

2017-03-20 23:07:10 | 日記

 

十日ほど前かなぁ……。

 

ジャムにしようと取っておいた皮を、

すぐ作れるように刻んで、

しばらく冷蔵庫に入れてあった。

 

その皮をアク抜きのために煮たら……

殆どが、茶色になってしまった (>_<)

二度湯がいた後でかじってみたら、

ちょっぴり混ぜた新しい皮は黄色くて、

色合いも風味も明らかに違う。

 

      

 

これはもう、上手く仕上がらないと諦めて、

捨てた。

 

確かに1週間以上経った皮だけど、

刻んでしまったのがマズかったのだと思う。

 

これに懲りて、

最後の皮は、しっかりジャムにできた ♪

 

因みに、頂いた文旦は10kgの箱で、

ジャムにしようと計量した皮が、500g×4回 。

ってことは、少なくとも2割強が皮だ。

たいていは捨てられるであろう皮を、

有効活用できたのは嬉しい。

 

 

 

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スキー場で 花火

2017-03-19 20:00:36 | 日記

 

花火競技会で有名な大曲では、

年がら年中、様々な花火が上がっている。

高速道路を走ってて、時ならぬ花火を

見かけたこともある。

 

春彼岸のこの時季は新作コレクション。

若手の花火師たちの競技会が、

雪が残るスキー場で開催される。

 

前に一度行ったときは、近場の道路端に

適当に駐車できたような……

高をくくって曖昧な記憶で行ったら、

一大イベントになっていた。

道路には警備員の方がいて、観光バスが数十台。

1時間半くらい前に着いたのに、停めることが

できたのは、徒歩20分ほどの駐車場だった。

運動不足解消には程よい距離と、思うしかない  (笑)


打ち上げ場所の間近、雪の上に陣取ることができた。

今日は穏やかで、歩いていると汗ばむくらい。

だけど、完全防寒してたのに、

じっと観ているうちには足先も身体も冷え冷え。

フィナーレまでの二時間がギリギリ (^^;

 

      


それぞれの花火師が、自分が考えた花火の

説明をした。

前の花火の煙が失せるまでの

繋ぎの意味合いもあるのかもしれない。

説明を反芻してもわからない花火もあったけど、

それはご愛敬。

 

        

 

                  


あまりに近くて、レンズに収まらない!


  


ボケてるけど、色合いが綺麗♪


 

花火の輝きでスキー場が輝く。

 

             

 

フィナーレも圧巻♪

雪がバックで、グラデーシヨンもきれい。

 

 

 

       

 

               

             

 

 

朝からフル稼動の一日。

自分でも思いがけず、

澄みきった夜空を彩る花火を見られて嬉しい。

 

しあわせ♪

 

 

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「総理にされた男」

2017-03-18 22:53:47 | 

 

「総理にされた男」  中山七里    NHK出版    2015.8.25

 

売れない舞台役者・加納慎策は、内閣総理大臣・真垣に瓜二つの容姿とその精緻なものまね芸で、ファンたちの間で密かに話題を集めていた。

ある日、慎策は「国家の一大事」を秘密裏に告げられ、総理の替え玉を引き受けることに。

慎策が直面するのは、政治や経済の課題とは別次元で繰り広げられる、国民の切実な願いを置き去りにした不条理な現実ばかり。

理想の政治とは?

国民の望む政治のかたちとは?

義憤に駆られた慎策は国民の声を代弁して政治を動かすため、その純粋で実直な思いを載せて演説で政治家たちに挑み始める。

 

経済も政治も門外漢の慎策は、秘密に巻き込んだ友人の学者・風間から色々教えてもらったり、アドバイスしてもらう。

風間の説明が、とてもわかりやすかった。

つまり、作者がきちんと理解しているということだ。

 

重鎮のベテラン政治家が言う。

 

「政治が人間の所業である限り、それを動かすのは理屈じゃなくて情だ。そもそも、政治の本質は胡散臭さだ。何といっても、利害の異なる主張を付き合わせて非合理に解決していく作業だからな。理屈だけで固められた信念なんぞ、想定外のことが発生した途端に粉砕されるし、理屈をこねるのなら、官僚の方がよっぽどうまい」

 

震災の復興予算の多くが、復興に関係なさそうなとこりにまで流用されたことについても書かれていた。

 

  元々三党合意で決められたの復興基本法では『被災地の復興の円滑かつ迅速な推進を図ることを目的とする』だった。

  それが国会で成立した基本法案では、いつの間にか『被災地の復興』が『東日本大震災からの復興』に書き換えられ、『活力ある日本の再生』が加筆されていた。つまり、日本を活性化させるという名目さえあれば、被災地の事情に関係なく、予算が執行できるようになってしまっていた。

 

アルカイダに占拠された日本大使館で、

フランスに対する要求を受け入れない限り、

数時間おきに日本人の人質が殺され、

そのシーンがInternetで流される。

 

生命か、国益か、

慎策は苦汁の決断をする。

 

そんなもんかと思っていた政治の世界を

巧みに小説に仕上げている。

重すぎず、軽すぎず、面白く読んだ。

 

 

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「あおなり道場始末」

2017-03-17 14:28:40 | 

 

「あおなり道場始末」   葉室麟     双葉社   2016.11.20

 

豊後、坪内藩の城下町にある青鳴道場。

神妙活殺流の遣い手だった先代の死から早一年、

道場は存亡の危機にあった。

跡を継いだ長男の権平はまだ二十歳と若く、

その昼行燈ぶりから、ついには門人が一人も

いなくなってしまったのである。

米櫃も底をついたある日、「鬼姫」と巷で呼ばれる妹の千草や、神童の誉れ高い弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。

「ちちの仇を捜すために道場破りをいたす」

酔って神社の石段で足を滑らせて亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。

三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、まずはその一つ、新当流の柿崎道場に乗り込むーー。

 

と、まずは帯より。

 

エンターテインメントとあるように軽いノリ。

葉室さん、こんなのも書きたかったのね~。

 

「わたしにはわかぢたのです。大切にされたかではない。誰を大切に思っているかなのだと。(略) ひとを大切に思うものは、ひとから大切に思われているのです」

と、権平が言う。

 

サクサク軽くて、温かい。

 

 

 

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