「彼岸花」 宇江佐真理 光文社 2008.11.25
嫁ぎ先でいじめ抜かれた妹に、
手を差しのべられなかった姉の後悔を描く
表題作ほか、全六編。
ささやかな幸せを求めて生きる江戸の庶民を
描いた短編集。
ほろ苦い……。
「夜鳴きめし屋」 宇江佐真理 光文社 2012.3.20
宇江佐さんの作品は肩が凝らない。
合間あいまにちょうどいい。
本所五間堀にある鳳来堂。
父親の音松が営んでいた古道具屋を、父の死後、
息子の長五郎が居酒見世として再開する。
朝方まで営業しており、父親の代からの友人である料理茶屋や酒屋の二代目たち、近くに住む武士、芸者など、さまざまな人々がやってくる。
かつて長五郎と恋仲だった芸者のみさ吉も舞い戻ってきた。
芸者仲間の話によると、彼女の息子である惣助はとうやら長五郎の子どもらしい……。
「ひょうたん」 宇江佐真理 光文社 2005.11.25
「夜鳴きめし屋」の古道具屋に記憶があって、
長五郎の両親を描いた、この作品を改めて読んだ。
のんきな亭主と勝ち気な女房。
宇江佐さんが紡ぐ江戸下町の情景が
生き生きと繰り広げられる。