ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「救いの森」

2019-04-23 07:08:00 | 

 

「救いの森」 小林由香 角川春樹事務所 2019.2.18

 

いじめや虐待、誘拐など命の危険を感じた時に起動させると、児童救命士が駆けつける「ライフバンド」。

児童保護救済法が成立し、義務教育期間の子どもにその着用が義務づけられた。

ある日、新米児童救命士の長谷川は「ライフバンド」の検査で小学校に出向き、そこでわざと警告音を鳴らす少年と出会う。

 

長谷川とペアを組んだのはベテランの新堂。

いつものらりくらり、いい加減に仕事をしているように見えるが、鋭い観察眼で、大人に対するように子どもと接する。

 

この新堂の言葉が良い。

 

「大人がガキなら、子どもは成長するしかない。それに……」

「子ども時代が悪かったから、愚かな大人になるわけじゃない。苦労を経験した者は、将来立派な人間になる。仮にそれが完全なる真実ではないとしても、俺たちはそう信じて、傷ついた子どもたちに言い続いてやればいい」

 

「俺たちの仕事は、真っ当な正義を振りかざしていても勝てない。勝てなければ、子どもの命は救えない。どんなに傷ついても、なによりも大人になるまで生きていてくれることが大切なんだ」

 

「先輩、上司、親、教師、教祖、そいつらが言うことはすべて正しい。そう信じて生きていけば楽だ。自分の頭で考えなくて済むからな。だが、そんな生き方をしていたら自由を奪われる。自由を奪われたら心まで拘束され、大切なものが見えなくなる」

 

 

国がここまで管理するのは如何なものかと思うが、昨今の痛ましいニュースを思い浮かべると、こんな対策もアリかと思ってしまう。

 

 

 

 

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