ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「千年鬼」「おまじない」

2019-04-15 21:55:28 | 

 

 

「千年鬼」 西條奈加 徳間書店 2012.6.30

 

多分、再読。

 

小鬼は彼女を宿業から解き放つため、千年にわたる旅を始める。

 

小さな不満を糧にして何十年も育て上げられた憎しみが『鬼の芽』になることがあれば、

己の犯した罪を深く恥じ、それに耐えかねて、身内に『鬼の芽』を生じさせることもある。

 

天女が小鬼に教え、説く。

「罪とは、人の知恵がつくり出したものなのです。他人が、己が、罪と思えば、それは罪となってその者のこころを苛む」

「自業自得は人のためだけに在ると、おまえは知ってましたか?」

「地獄を欲したのは、人自身です。罪を得た者は罰を受ける。知恵を持った人間だけの決め事です」

罰を受けて罪をすすぐ。人にはいつからかその行為が必要になった。地獄がつくられたのも、それ故だ。

 

「地獄とは、希望の絶えた世界です。希望のないまま無為に時を過ごす。それこそが自身というものなのです」

 

 

「おまじない」 西加奈子 筑摩書房 2018.3.5

 

短編集。

これも……多分、再読 (^^;

会話文「 」内、最後に句読点がある。

 

 『燃やす』ーー

「あなたは、悪くないんです。絶対に。」

 

『孫係』ーー

「大抵は徐々にその場に合った自分らしくなってゆくんです。」

「私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。」

「得をしようと思って係につくのはいけません。あくまで思いやりの範囲でやるんです」

「悪態をつくのは限られた人にだけ、本当に信じられる人にだけです。インターネットに書きこむなんてもっての外、それは本当に卑怯なことです。」

 

『マタニティ』ーー

「弱いことってそんなにいけないんですか?」

「弱い人間でも生きていけるのが社会なんじゃないんですか?」

 

『ドラゴン・スープレックス』ーー

「お前がお前やと思うお前が、そのお前だけが、お前やねん。」

 

 

 

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