「スタフ」 道尾秀介 文藝春秋 2016.7.15
帯に
"スタフ" を知らないまま、この先、生きていきますか?
とある。
スタフって、何だろう……。
はじめは、スタッフかと思ったのだが、
どうも違うようだ。
ウィキで調べたら、棒杖とか、運行表とか。
この場合は?
街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計をたてる女性、夏都。
彼女は甥の智弥と暮らしている。
偶然、誘拐される羽目になって、
中学生アイドルのカグヤに力を貸すことに。
カグヤの姉である有名女優のスキャンダルを封じるため、ある女性の携帯電話からメールを消去するという、
簡単なミッションのはずだったがーー。
半ば過ぎまで読み進んでもなお、
チャラい内容と思っていたが、
最後の方でヤラレタ!
帯にあるように、
想像をはるかに超えたラストだ。
(中学生の二人は)どちらも同じように自分をつくり上げ、どちらもそのことで心を強くして、どちらもそれを本物の強さだと思い込んでいた。
そうしなければ自分を守れなかった。
切なくて、重い。