ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「燦」

2016-11-12 08:23:20 | 

「燦」  あさのあつこ   文春文庫

 

県立図書館に最新刊があって、

このシリーズを知った。

第一巻、初めの方、二人の少年の出会いに

同じくあさのさんの、「#6」を彷彿とした。

 

1  風の刃    2011.4.10


江戸から遠く離れた田鶴藩。

その藩主が襲われた。疾風のように現れた刺客は鷹を繰り、剣も達者な謎の少年・燦。

筆頭家老の嫡男・伊月は、その矢面にたたされるが、二人の少年には隠された宿命があった。

尋常でない能力を持つ「神波の一族」の正体は。

 

2  光の刃    2011.12.10

 

江戸での生活がはじまった。伊月は藩の世継ぎ・圭寿とともに窮屈な大名屋敷住まい。一方、燦も、祖父の遺言を守り、江戸の棟割長屋に暮らす。その二人が町で出会った矢先に不吉な知らせが届く。さらに屋敷でも圭寿の命を狙う動きが。

 

3  土の刃    2012.7.10

 

江戸の大名屋敷に暮らす後嗣・圭寿に、闇から男が襲いかかった。同じころ、伊月は、藩邸の不穏な動きを探らせていた石崎文吾の無残な死体を前にしていた。そして燦は、江戸で「神波の一族」を知る人物に出会う。


4  炎の刃      2013.6.10


「闇神波は本気で我らを根絶やしにする気だ」

刺客、暗殺、陰謀。

江戸で男が次々と闇から斬りつけられる中、

燦はついに争う者たちの手触りを感じ始める。

一方、伊月は藩の代替わりの準備に追われるが、

圭寿の亡き兄が寵愛した側室・清門院が面会を

求めてきて……。


5    氷の刃      2014.7.10


清門院の住まう屋敷からの帰り道、

刺客に襲われた伊月は、生死の境をさまよい続ける。

正体を現さぬ敵、闇神波への激しい怒りに

揺り動かされる燦が清門院を訪ねると、

予想外の真実が明らかになる。

 

 6   花の刃     2015.5.10

 

手伝ってくれ、燦ーー田鶴半年立て直しのため、燦に頭を下げる圭寿。藩の病巣かもしれぬ父・伊佐衛門への懸念を伊月が抱く中、闇神波と藩との繋がりも明らかとなっていく。

一方、清門院とお吉のふたりの女子は、思いがけない形で三人と深く関わることになる。

少年たちが羽化する……。

 

怨みに凝り固まって生きてきた清門院に

お吉が言う。

 

「あたしには、他人を恨んでいるような暇はないんですよ。怨みじゃこの子たちは養えない。あたしは怨むより、忘れます。忘れて、この子たちをちゃんと育てるんだ。怨みなんかに振り回されてたまるもんか」

 

7    天の刃      2016.5.10

 

田鶴藩に戻った燦を不意に襲う、謎の飛礫。それはかつて共に暮らした與次の仕業だった。

「今更のこのこ帰りやがって。遅すぎるんだ!」

與次から篠音の身の上を聞いた燦は、ある決意をする。城では圭寿が、藩政の核心を突く質問を伊佐衛門に投げ掛けていた。 

 

伊月の母、伊佐衛門の妻の八重は考える。

 

    自分たちは何もせず、何の責めも引き受けようとしない輩に限って他者を罵り、糾弾する。

 

ラスト、伊月が燦のため、篠音に会っているその時、城内にいる圭寿と燦が刺客に襲われた。

ハラハラの展開で、第8巻が待ち遠しかった。

 

 8   鷹の刃      2016.8.10

 

最終巻だ。

 

必ず燦に逢わせてやるーー遊女に堕ちた身を恥ながらも燦への想いを募らせる篠音に、伊月は誓う。遊里からの帰り道、星月夜に轟く鳥の声に不吉な胸騒ぎがし、城へと急ぐ。

その頃、清門院とお吉は田鶴にむかって道を急いでいた。

 

まあ、ハッピーエンド。

 

サクッとお気楽に読めたシリーズ。

 

コメント
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