ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「沈黙の殺人者」「出雲王のみささぎ」「元禄の雪」

2013-08-28 21:21:45 | 
「沈黙の殺人者」 ダンディ・デイリー・マコール 評論社 2013.3.20

 THE SILENCE OF MURDER 武富博子:訳

 2012年、エドガー・アラン・ポー賞ヤングアダルト小説部門で受賞。
 読み応えのある作品だった。

 野球チームの監督を殺害した容疑で兄ジェレミーが裁判にかけられる。
 妹のホープだけは無実を信じているのだが、
 10年前に話すことをやめた兄は、ひとことも話そうとはしない。

 母も弁護士も〈心神喪失〉で通そうとするが、ホープは納得しない。
 自分なりに調べ始めていく。

 それぞれ恵まれているとはいえない家庭の事情を抱えているホープ、TJ、チェイスが
 事件を通してかかわりあうことで、変化したり成長する。

 最後は思いがけない展開だが、でも、成る程!!
 家族、親子の関係、思春期の恋愛関係がしっかりと描かれている。


「出雲王のみささぎ」  桑原水菜  角川書店  2012.12.30

 宝物発掘師・西原無量の第2弾。
 前作「ほうらいの海翡翠」でも思ったが、発掘や古代史に関する知識がすごい!!

 今度の舞台は出雲。
 出雲風土記の元となった出雲古記というものがあったという設定。
 そんな本があったら、面白いだろうな。
 青銅器がたくさん出た荒神谷遺跡の近くを発掘し、青銅の骸骨が出たとか
 鋳型が沢山出たとか、いかにもありそうで、つい事実かと思ってしまう(^^;

 地名と神話の関係などは、説得力がある。
 実際にそんな文献があるのだろう。

 遺跡に捏造を加えた祖父、文献のみを拠り所としているらしい父、
 それぞれを否定して、なお発掘に関わっている無量の、心の変化が興味深い。

 始めはオチャラケた性格としか思えなかった長倉萌絵が発掘コーディネーターを目指し、
 無量の幼馴染で文化庁にいた相良忍が、文化庁をやめて萌絵の同僚となる。

 第1作目が大和、2作目が出雲ときて、3作目があるとしたら、
 今度はどこだろう。


「元禄の雪」  斉藤洋  偕成社 2012.11

 過去半年以内に読んでいるのに、右から左と忘れてて(笑)
 再度、読んでみた。

 源平、蒙古ときて、洛中の火 に楠正成がいたのだったか。
 戦国で信長や秀吉に会い、天草の乱があって、今度は赤穂浪士だ。
コメント
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